森晶麿のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
黒猫シリーズ4作目は、番外編となります。
黒猫と付き人(ヒロイン)の出会いと卒業、
学部4年生の1年間を描いた、短編集です。
本編シリーズに対するエピソード0ですね。
毎度々々、読んでて挫折しそぅになる、
黒猫の美学講釈も、適度に抑え気味で、
付き人が、徐々に黒猫を意識していく、
微妙な展開は、とてもキュートでした。
本編既読の方を対象にした側面はあるので、
本編未読の方には不親切かもしれませんが、
キャラクターや物語の初々しさが心地よく、
ボクは、好感を持ちましたよ!
元来は、
ミステリーのジャンルから始まってますが、
もぅね、わずかにその名残を感じるのみで、
じれじれのピュア・ラブス -
Posted by ブクログ
この作家さんの新たなシリーズの文庫化。
飲んで飲んで飲みまくる、大学のサークル、スイ研を舞台に、蝶子の大学生活の一年間を描いた日常ミステリであり、連作短編集。
神酒島先輩と蝶子のやりとりが読んでいて面白く、にんまりしてしまいます。子供時代に有名な子役をやっていた蝶子の抱えるネガティブであり、自分は何者になるのかという悩みを抱えている。けれど、蝶子自身が神酒島先輩への想いを自覚することで、少しずつ大人となっていく姿もいいなと思う。神酒島先輩の蝶子への想いはわからずじまいだけれど、二人の関係もどうなっていくのか、気になります。
お酒は飲めないけれど、雪や月、浜辺など、自然を愛で、酔うことは優美であ -
Posted by ブクログ
1章を雑誌掲載時に読み、今回連作短編集となり、どのようにまとまるのだろうかとドキドキしてました。
最後まで読み、エピローグを読んで、鳥肌が立ちました。エピローグの存在が、物語を引き立てている気がします。
1章を読んだときに感じたとおり、高校生とは思えないほどの淫靡な世界が広がっていました。忍は、高校生活を支配しているように一見見えるけれど、サロメのような女に翻弄され、悲劇を生んでいく。そのことが、彼と婚約者との関係を歪な形に変えていってしまう。
忍の女性の身体や男女の関わりを説いている姿は、ある意味では美学なのではないかと思います。話している内容が内容ですが、この作家さんのスタイルは一貫し -
Posted by ブクログ
未完成で終わっているはずの建物が、成長し始めた。
それを調査するために現地へ飛んだ片方と
別の理由からその場にいる事になった片方。
一緒についていった彼女の、密やかな思いは?
彼の行動は?
彼女はどうしたいのか。
建築がどうなるのか、どうしてこうなったのか、が
話の軸だというのに、気になるのはそちら。
2人が出会ってしまった状態だと
それはもう気になって。
一体誰が塔を成長させているのか。
まったくもって分かりませんでしたが
全員の口ぶりから、多分…という予想は。
そちらは当たりましたが、一体何がどうなったのか、は
『答え』を見て納得。
あのシーンについても納得(笑)
しかし想像するに、