森晶麿のレビュー一覧

  • 黒猫の接吻あるいは最終講義
    掴まえたと思ったら、逃げていく。論理も恋も猫の歩みのように優美で掴みどころがない。今回は長編。バレリーナとガラス。儚い。脆い。透明感、やっぱり美しいのだ。黒猫のすべてが、付き人ちゃんへの愛を物語っているのにそれに気づくのは物語の外にいる我々だけ。前巻に続きまして、黒猫は!いいかげん!付き人ちゃんへの...続きを読む
  • 黒猫の遊歩あるいは美学講義
    美学っておもしろい!
    と思ったけど難しい。私の理解を越えています。
    あんまりミステリーって感じはしないかも。
    短編集だし、読みやすいと言えば読みやすい?
    登場人物が魅力的。
    表紙もすごく綺麗です。
  • ホテル・モーリス
    黒猫シリーズ以外の森さんを初めて読みましたが、すごく好きでした!
    支配人のトークのセンスとか、物語の展開とか。

    出てくる皆様も魅力的。ぐんぐん読めました。

    この方の言葉の選び方や語り口、すごく好きです。ハイセンス!!
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義
    黒猫かっこいい!一作目が短編だったため、だから読みやすかったのかな・・・?と二作目長編に少し不安を持っていたが、面白かった。メインのキャラもいいが、黒猫の友人が才色兼備ぞろいなこととか、才能があるからこその考え方苦悩などがわかりやすかった。本作の本筋であるバレリーナ等の話に加えちゃんと黒猫と付き人の...続きを読む
  • 黒猫の薔薇あるいは時間飛行
    じーんと来た。
    今回は日本とパリで起きたせつない恋のミステリ。

    相変わらず黒猫と付き人の関係はもどかしいままだけど
    黒猫風に解釈するならば
    外的距離は遠くなるばかりだけれど内的距離はいつも寄り添っている感じ。
    なんだかこういう関係ってうらやましいなぁ。

    今回はちょこっとしたか登場しなかったけど
    ...続きを読む
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義
    上質なワインを飲んでいるかのような気分を味わえるミステリ。
    美しくておいしいけれどちょっと渋くて読み終えた今はほろ酔いの心地よさ。
    作品全体からグラス越しに見る景色のような透明感を感じる。
    これも透化運動?

    前作は短編集だったけどこのシリーズは長編が向いてる気がする。
    美学講義もよかったけれど今作...続きを読む
  • 黒猫の薔薇あるいは時間飛行
    実に洗練されたセンスで、文学はもとより古今の音楽から美学までの芸術論をたっぷりと盛り込んだぺダンチックなミステリで、これがシリーズ三作目にあたるという。

    出版リストの題名に惹かれて、初めて手に取ったのだけれど予想外の面白さ。語り手の「付き人」の立場から見ると、これはミステリというよりは、なかなか前...続きを読む
  • 黒猫の接吻あるいは最終講義
    「ガラスは存在を認められながら、一方で透明であることを求められる。」
    美学が核となっていて、理系なものとは全く異なった推理のミステリー。
  • 奥ノ細道・オブ・ザ・デッド
    芭蕉=忍者説をベースにゾンビ映画のテイストを取り入れたロードムービー調のサバイバルホラー。芭蕉がばったばったと忍者の技で屍僕(ゾンビ)の首を飛ばしつつ歌を詠み、それに付き従うのが女装男子の曾良という、頭が痛いというか頭が悪い話で、これを日本人が書いたというところがポイント。毛色の変わったホラーを読み...続きを読む
  • 探偵は絵にならない
    蒼と蘭都の掛け合いが絶妙で、蒼の皮肉の効いたジョークが面白かったです。
    ただ、良くも悪くも浜松民にしか分からないだろうな…と思う部分が多々あったり、遠州弁のぎこちなさはあったように感じました。
    蘭都の"大人ってね、君が思うほどオトナなわけじゃないんだよ"というセリフに、自分の経験からもとても共感でき...続きを読む
  • 心中探偵 蜜約または闇夜の解釈
    心中した、と思ったら生き残ってしまった主人公だが
    心中相手が違った。

    一体隣で死んでいた女性は、どう入れ替わったのか。
    おかしい状態になっているわけですが、主人公の時点で
    妙な存在になっているので、言い出しても…な現実。
    自力で調べようとしているのもすごいですし
    振り回されている編集者も…お疲れ様...続きを読む
  • 超短編! ラブストーリー大どんでん返し
    これも、競作かと思ったら、1人の人が書いてみえまして、あまり期待せずに読んだのですが、短くまとまっているし、さくさく一気に読めてしまいました。
    ラブストーリー?となるものもありましたが、期待以上に面白かったです。
  • チーズ屋マージュのとろける推理(新潮文庫nex)
    食べ物屋×ミステリーは数多くあるけど、チーズ屋は初めてかな。
    ミステリー自体は重くなく、日常の謎を解決していく展開なので読みやすいと思います。出てくるチーズや料理も初めて聞くものもあり、チーズが食べたくなりました。
    主人公やお店のシェフなど個性的なキャラクターが出てきます。それぞれの過去に関係するキ...続きを読む
  • チーズ屋マージュのとろける推理(新潮文庫nex)
    チーズの料理は本のタイトルから当然
    出てくるのでどれも美味しそうで興味
    深かったが作中に出てきた「葡萄液」が
    すごく気になった。絶対おいしいはずっ!

    内容はお店に訪れる常連客のちょっとした
    悩みをチーズ料理でもてなして解決すると
    いったなんだか斬新な謎解きスタイル。
    でも一概にチーズ料理って言って...続きを読む
  • 使徒の聖域
    カウンセラーの千尋は、自殺願望のある女子高生の相談者から自殺サイトの存在を知らさせれる。千尋はそのサイトを確認し、管理人が8年前に故郷の山口県で知り合った「ヒロアキ」ではないかと疑いを抱き、調査を始めるが……。


    現実と虚構が曖昧になるような、複雑な構成の小説。読んでいて、どこかにずっと違和感を抱...続きを読む
  • 黒猫と語らう四人のイリュージョニスト
    ショックだなああ。
    確かに一緒にいる未来ってどちらかに無理が生じる感じだったけども。
    付き人の方が我慢する未来は黒猫も望まないだろうし。母のこともあってそれも無理だし。
    付き人がきちんと自分の頭で考えられる自立した人だからこその決断。
    安直なハッピーエンドにしないのはいいかも。
    結末から読み直すと、...続きを読む
  • 探偵は絵にならない
    浜松が舞台の小説。
    なんだか遠州弁の書き方に違和感があるんだよな〜!思っていたら、後書きを読んでちょっと納得。両親が浜松出身じゃないのか。
    あとがきで、これはハードボイルドだったのだと知った。
  • 探偵は絵にならない
    黒猫シリーズとは設定からして違う作品
    主人公を画家でなく、ヤクザの御曹子の調香師にしてシリーズ化しても面白いと思う!
  • チーズ屋マージュのとろける推理(新潮文庫nex)
    レストランやカフェやケーキ屋などの食べ物屋さんミステリ、ホント多いな。
    その中でもかなりジャンルしぼった系。
    最初、文体というか比喩とかそういうのにかなりクセがある感じで気が散ったけど、段々、未知の感覚とか心理とかを楽しめるようになった。
    自分にとっては初めましての作家さん。
    機会があったらまた試し...続きを読む
  • 沙漠と青のアルゴリズム
    パラレルワールドなのかな?いろんな世界が交差して、自分たちの中にある引っかかり続けるトゲを取ろうともがいている様かしら。