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ジャーナリストの菜摘は、親友の麻衣亜が幼い息子とともに家庭を捨てたとSNSで知る。夫も、両親も、友人も心当たりがないというが、彼らはみな麻衣亜を失踪に駆り立てる要因を持っていた……。『黒猫シリーズ』『偽恋愛小説家』著者の新境地ミステリー。
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Posted by ブクログ
偶然から高校時代の友人、麻衣亜の夫のSNSアカウントを見つけ、彼女の失踪を知った菜摘。 ジャーナリストである菜摘は麻衣亜を探す為、彼女を失踪に駆り立てた原因を恋人の丘咲と共に探り始める。 家庭で職場で故郷で少しずつ麻衣亜を追い詰めていった「悪い夢」が明らかになるにつれ、菜摘もまた自分の信じていたもの...続きを読むの不確かさを知る事になる……。 嫌な事があって、生き辛さを感じていて、けれど抜け出せない。現状を飲み込むしかない。 麻衣亜程の不幸の連続ではなくとも、多かれ少なかれ悪い夢に囚われている現代人はきっと多い。 人の悪意を拒絶出来ず享受する麻衣亜も、菜摘の提唱する対応策も、どちらも分かるなあと思う部分もあれば反発したくなる部分もある。 重苦しさの残るこの結末をハッピーエンドと取ればいいのかどうかも何とも言い難い。 この作品の中で描かれている悪い夢は女性のものだったけれど、男性が縛られる悪い夢だとどうなるんだろうというのが気になる。 丘咲の言葉は嫌味なくらい明快でどこまでも正論だったけれど、麻衣亜の悪夢が判明していく中での男性の彼の心情と受け止め方が菜摘とどの程度差異があったのかもう少し詳しく知りたかった。
乳児を連れたまま行方不明になった麻衣亜を、学生時代の友人でジャーナリストの菜摘は探している。 麻衣亜が行方をくらました理由を追求していくうちに、そこには様々な要因が絡んでいたことが分かり始める。 … 待機児童の問題、セクハラなど、女性が被害に会う可能背のある問題が、不幸にも数々麻衣亜飲みに振りかかっ...続きを読むていた。 おやゆび姫の話は忘れていましたが、まさに麻衣亜はおやゆび姫。 でも、最後は自分の力で王子との生活を手に入れた。 母は強しという所でしょうか。 瞳の立ち位置にはちょっと驚きました。 麻衣亜が大金を手に入れるプロセスには必要な登場人物だったってことですね。 菜摘に対しては、好感をもって読んでいたはずなのに、最後にはモヤモヤした感情をだくことになり、逆に麻衣亜に対しては、良い感情がなかったのに最後にはあっぱれと思うという、不思議な読後感を持ちました。
ザ・ミステリー!!どっかーん!という感じではなく、砂時計の砂が少しずつ、でも確実に落ちていくようにゾワっとしたり苦しくなったり切なくなったりするお話でした。 後半になるにつれて加速度を増していくのは、やはり森さんだなぁと思った。 菜摘の気持ち、なんかわかる。 わかるから切なかった。 わるい夢はい...続きを読むつの間にかやってきて。 気がつくと囚われて。 囚われたことにも気がつかなくて。 気がついた時には苦しくて。 もがくしかないんだよね。
2018年29冊目。社会問題に切り込みつつ、友人の失踪を探るサスペンスの側面もあり引き込まれていく。ラストは少し唐突なところがあったかな。
理不尽なことがたくさんあって、読んでいて苦しくなる。やられっぱなしではなかったことが救いだ。 そうは言っても海外で新しい生活をするしか無かった?日本では彼女は救われないのか。改めて、日本ってもうだめなのかななどとおもってしまった。なんとかできないのだろうか…
見た目と行動力にギャップがあったから最後に勝ち抜けたんだろうか? いつでもやられっぱなしってわけにはいかないもんね。 ほんと、さよなら、わるい夢たち、だ。
SNSで親友の失踪を知ったジャーナリストの菜摘が、彼女の家族や知人たちを訪ね、失踪の理由や彼女の行方を追っていく物語。 いつも自信なさげで自分の意見を主張することが出来ない親友 麻衣亜を、自分が守ってあげなければと考える菜摘。 最初は、その上から目線で独善的な感じがどうにも鼻について共感しにくかっ...続きを読むた。でも、彼女を探す過程で、自分がいかに物事を一面的にしか見ていなかったかに気付き、新たな一歩を踏み出す姿に少し親しみを覚える。 待機児童問題にまだまだ弱い女性の立場など、社会問題を詰め込んだ感があるのと、後味があまり良くないので評価は少し低め。 それにしても、フィクションとは言え麻衣亜の不運さが凄まじい。ことごとく不幸に見舞われる彼女にとって、この世界は本当に「わるい夢」だったのかも知れないなぁ。
何となく森さんぽくないなと思いつつも一気読み。親友が失踪したのをSNSで知り、行き先を探すジャーナリスト。親友が背負っていた「悪い夢」とは何か、本当に親友だったのか。なぜ彼女ばかりこんな目にとも思うが、引き寄せる人っているんだろうな…。読後感はあまり良くなかった。
ジャーナリストの菜摘は、親友だと思っていた麻衣亜が幼い息子を連れて、行方不明になっていることを麻衣亜の夫のSNSの書き込みで知る。菜摘は麻衣亜の行方を探そうと奔走するが、彼女は何故失踪しなければならなかったのか? その背後には待機児童問題、職場でのセクハラ、レイプなど、数々の問題が浮き上がり… ほと...続きを読むんどが菜摘の視点から描かれるが、時々挟まれる女刑事の山口の視点がラストまで絡みが分からないところが、かなり興味をそそられた。 しかし、親友と言いつつ、失踪を夫のSNSで知って、しかもその理由を探る菜摘の苦悩する姿が、一人よがりで何とも理解し難い。
不幸を寄せ集めるタイプ、いる。 そして同情は対価を要求するっていうのが、すごく身につまされる。 私多分やったことある、覚えもある。 意識的か無意識的かは関係なくこれは結構やってしまうことだなあ……ラストのウェイもいつかこうならないといいけれど。 読後も重たい感じが残る。 こういった毒々しい社会から...続きを読む脱却して欲しいと願っている。けど社会に存在する人間として人と関わる以上、私も悪夢を作っている一端であることはきっとやめられない。 いつでも自分の味方をしてくれる人間なんておそらく存在しないので、菜摘さんはいつその理想に折り合いをつけるのか。それとも理想を持って一人で生きるのか。ちょっときになる。
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さよなら、わるい夢たち
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森晶麿
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