あらすじ
でたらめな地図に隠された意味、
しゃべる壁に隔てられた青年、
川に振りかけられた香水、
現れた住職と失踪した研究者、
頭蓋骨を探す映画監督、
楽器なしで奏でられる音楽……。
日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を通して、その謎を解き明かしてゆく。
第一回アガサ・クリスティー賞受賞作!
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Posted by ブクログ
森晶麿さんの黒猫シリーズ第一作目、アガサクリスティー賞受賞。
話は黒猫と付き人が出会うところから始まる。
ポオの作品の解剖も面白いですが、何かを人に教える側の黒猫、教育上手い!
ミステリとも恋愛小説とも取れる二面性のある小説です!
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これは私の頭だと一回読んだだけでは理解しきれないですが、二人の小難しい会話がだんだん楽しくなってきます。よく本からここまでいろいろな事を思いつくと感心してしまいます。研究者ならそれも普通のことなんでしょうか。話はちょっとこれは飛躍?というように感じられる部分もありますが、丁寧な文体で納得するように導かれます。続きもまた読みたくなりました。
Posted by ブクログ
凄く面白かった。
文章が目から脳に入ってそのまま文体にずぶずぶ沈んでいる感覚。
キャラクターが個性的なのに淡々としていて読みやすい、ポーの解釈や推理や講義も飽きずに読めた。
人間というものに接している推理というのも好ましかった。
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物事を解釈するということはこういうことなんだろうなぁと思った。本筋とは全く別な話だけども、美学とはこういうものかというのがわかっただけでも意味があった。
ミステリーとしては、人が死ぬことがあるにも関わらず、淡々とものごとがすすんでいく様に日常なのナゾなのかとおもわされる不思議なペースがある。謎解きも「美的推理」という素人が介在できない小難しさがあって、読者としては入り込めない感もあるが、逆にそれが作品の魅力とも言えるような印象。
大げさに持ち上げるつもりはないけど、ある意味難しいナゾを婉曲的に解くという古典のような作品なのかなと思った。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽。日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を通して、その謎を解き明かしてゆく。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。
【感想】
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黒猫の回帰の文庫版が出たので再読。最初に出会ったのは大学生の時だったので、久しぶり。
「月まで」と「月と王様」は互いに相互的関係にあるなあと思った。そして今後の黒猫と付き人の関係にも……。
「壁と模倣」「頭蓋骨の中で」はどちらも悲しいひとりの人間の物語だった。〈自分〉を持たなくなった青年と、〈自分〉とのせめぎ合いに苦しむ人の話。後者は生と死の相反するようで同じところにあるものという解釈を初読では持っていたので、また違う楽しみ方もできた。
「水のレトリック」は初読では、イマイチ理解追いつかずだったけど、今回はなんとなく理解。詩的というか言葉遊びの世界というか。
「秘すれば花」の存在と不存在。黒猫と世舟の話はポーの「盗まれた手紙」のデュパンとDのよう。木の葉隠すなら森の中。
今後の展開を知っていると付き人と黒猫の関係は安定だなあと。
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2015-127
小難しい美学講義が続きます。
あんまり理解はできてないけど、嫌いじゃない。
ミステリーじたいはだいぶ無理はあるけど、美的な結末。
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表紙が可愛らしすぎて気恥ずかしく手に取るのを迷った(最近こういう本が多い)
アガサ・クリスティー賞受賞とのことで思い直して読んだ。
ズッシリと読みでがある内容なのに、主人公の二人がいいのか、さらさらと読めておもしろい。
ただ一つ、女の子の「んん」の表現だけは受け入れ難く…だんだん気になって仕方なくなってきた頃「んんん」まで登場してまいった。
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黒猫シリーズ一作目。完全なるジャケ買い。若くして助教になった黒猫とその付き人の話。内容は難しく、しかもポーの作品など読んだことがないのでわけがわからないが、二人の微妙な関係が逆にいい。
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美学っておもしろい!
と思ったけど難しい。私の理解を越えています。
あんまりミステリーって感じはしないかも。
短編集だし、読みやすいと言えば読みやすい?
登場人物が魅力的。
表紙もすごく綺麗です。
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黒猫シリーズ、一作目。
丹地陽子さんの表紙がきっかけで知った。
黒猫というワードにも惹かれて読み始めた。
独特、一家言ある感じ。
エドガー・アラン・ポーの短編小説の「核心部分に触れています」と前置きがあったが、ポーを読んだことがなかったので、対象のポーの短編小説をまず読んで、それから本書を読むということをして、一話ずつ読み進めた。
ポーの短編小説(モルグ街の殺人、黒猫、マリー・ロジェエの怪事件、盗まれた手紙、黄金虫、大鴉)を読むきっかけになった。
『大鴉』は青空文庫にはなかったが、ネットには原文や朗読してる動画など、いろいろな情報があった。
『少年魔法士(なるしまゆり)』という漫画で一部引用されていたのを思い出した。
「never more」という単語が印象的で記憶に残っていた。
能の道成寺は雨月物語から来ていることを知った。
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ミステリーチックにどの章も出来ている。恋愛の話が出てくる章が特に良かった。アガサ・クリスティ賞を受賞した本作だが、他の作品も読んでみたいと思いました。
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黒猫の言っていることが難しくて、
よくわからなかいことが多かったです。
途中で読むのをやめようかと思ったけれど、
頑張って読み切りました。
ポーの作品がおもしろそうなので、
読んでみたいなという気持ちになれました。
登場人物はみんな魅力的。
漫画だったら、
もっとおもしろく感じたのかもしれないです。
いや、
漫画にしたら言ってることが難しすぎて無理かな?
続編出ているようですが、
私は、
たぶんもう読まないと思います。
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タイトル買い
森博嗣さんも難しいこと言うけど、この人はタイプの違う難しさ
美学博士なだけあって使う単語とか言い回しとかは綺麗なんだけど意味が分からなすぎる笑
それ楽しめれば、ポォ?の作品を知らなくても楽しめるのかしら
Posted by ブクログ
黒猫シリーズ第1弾。本格的に読む本がなくなってきて、友人に勧められて、読み始めたシリーズ。ポーの短編集に沿って、描かれた短編集だが、最初は独特な雰囲気に慣れず、そもそもの作品のあらすじを2,3回読まないと理解出来ない部分も…文体にもくせがあり、違和感もあるが1冊読めば、結構慣れる。推理も独特なので、続編も読んでいこうと思う。
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エドガーアランポーは全く読んだことがないけど読んでおいたほうがよいのかも。美学的推理?はよくわからないがキャラクターと文体で読めた。シリーズものなのでもう少し読んでみてもいいかも。
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美学講義、というタイトルに惹かれて読んでみたのだが、残念ながらあまり得意な作品ではなかった。
「黒猫」と呼ばれる准教授と同じ大学で助手をしている同級生「私」が日常で出会う謎について、美学談義を含め解いていく。
ポォの研究者である「私」と「黒猫」の談義は聴いていて確かにおもしろい。しかし世界があまりにも二人だけのものすぎて、置いていかれてしまう読者も居るのではないだろうか。
また謎と講義を噛み合わせるにしても、ちょっと飛躍というか、無理というか、現実味がないようなものもあって、ごく普通の現代世界を相手にしているはずなのに違和感が否めない。
「黒猫」と「私」の関係もうまいように進んでいるのかもしれないが、「私」の心境が急激に変わりすぎている気がしてなんとなくおまけのように感じてしまった。
おもしろいのかもしれないが、ここで手が止まってしまったので、続編まで進めなかった。残念。
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ちょっと二人の会話が私にはレベル高すぎて理解不能な部分が多過ぎた。なんか私って物事をきちんと考えられない人間なのかと思ってしまう。
でも他に読む本のストックがなかったから無理やり頑張って読んだ的な感じです。続編はどうしようかなあ…
Posted by ブクログ
「ジャケ買い」なんて言葉がありますが、美しい装丁や言葉のリズムに惹かれて手に取る作品というものがあります。
今日、手に取った一冊はそんな一冊。
早川書房が主催する第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。
24歳にして教授職につく通称「黒猫」と、同じく24歳でエドガー・アラン・ポオの研究者「付き人」が出会う6つの事件を通じた物語。
殺人事件と名探偵といった狭義のミステリではない、いわゆる「日常の謎」系の短編小説。
かなりクセの強い小説。ミステリよりも、黒猫と付き人、各編に登場する人々の幻想のような淡く浮かぶ恋物語を感じる小説、だと思う。
そういう意味で、英国アガサ・クリステイー社の許諾を得て募集した第1回のアガサ・クリスティー賞がこれでいいの? という気持ちで揺れてしまいます。
「黒猫」も「付き人」も研究者であるが故に、会話も高尚すぎてついて行けない点が多数。焼き鶏屋で、「焼き鳥というのも死のアレゴリーになったりはしないのかしら?」「んん、普遍性がまだ足りないね」なんてやり取りをされると、もうね……。
選者の一人の北上次郎さんは「謎解きではあるけれど、そこに人間のぎりぎりの営みがあるという点で素晴らしい。」と評価されていますが、この点は同感。
人を想う、生きる、死ぬが全編とも書き込まれており、その一つ一つを「理解」できなくても「感じる」ことが出来、読み終えたあとに何か小さなものが読者の心に張り付きます。
美学講義に囚われると、難解でつまらない作品になりますし、それに囚われずに作品全体を音楽のように流して感じることが出来れば……個人的にはあまりはまれない作品ではあります。
選者にも指摘されていましたが、エドガー・アラン・ポオの作品をモチーフにしながら、ネタばらしをしている点はちょっとマナー違反な気がします。
Posted by ブクログ
若くして大学教授の「黒猫」と付き人の「私」が日常的謎解きをする短編集。
第1回アガサ・クリスティー賞受賞。
黒猫の学術論理が小難しい。でも読んじゃう。キャラクターの魅力とうっすら恋愛要素が入っているからかな。
最後にひとつ、解かれてない謎は次巻に続く?次作も読んでみよう。
Posted by ブクログ
若き天才美学教授「黒猫」と、付き人の「私」が遭遇する日常のちょっとした謎を解決する短編ミステリ。
「私」がポオ研究者ということで、ポオの作品がいろいろ出てくる。「黒猫」の独特の美学理論が結構難しくて、なかなか全部は理解できないが、ポオの作品にこんな解釈があるのかと新鮮な驚きがあった。改めてポオを読み直したくなる。
この作者さん初読みだったけど、何より日本語が美しくて好き。2人のなんとも言えない距離感もよくて、今後が気になる。
Posted by ブクログ
「あらすじ」
でたらめな地図に隠された意味、しゃべる壁に隔てられた青年、川に振りかけられた香水、現れた住職と失踪した研究者、頭蓋骨を探す映画監督、楽器なしで奏でられる音楽。日常のなかにふと顔をのぞかせる、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」は、美学理論の講義を通して、その謎を解き明かしてゆく。第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。
とまぁ、美学理論を通して「日常の謎」を解く短編集。ミステリというより、文学な趣きだった。多分、ポオの作品に通じていれば、より楽しめる作品。
Posted by ブクログ
タイトル(猫という単語に弱い)と装丁に惹かれて。作者は本当に本当にポーが好きなんだろうなというのが伝わってくる。この中で題材になっているのは『黒猫』『モルグ街の殺人』くらいしか読んでいないので他のを読みたくなった。小説というよりポー解説書のような雰囲気もする。分かりにくいところもあったけど雰囲気はまぁまぁ良い。2012/214
Posted by ブクログ
美しく流麗で静かな文章を書く人です。キャラもたっていてテンポもいいのに、軽すぎない。黒猫の洗練された会話や語り口は、それだけでワクワクします。連続短編集なのですが、どの短編も、最後の一行が美しく、幸せな余韻に浸れます。
アガサクリスティ賞とのことですが、純粋にミステリとして読むと期待外れかも。伏線が後出しだったり御都合主義だったりな感。美学談義も面白かったのですが、私自身素地となる知識が不足していて、半分ほども理解出来ませんでした、残念。
それにしても、タイトルだけでも心惹かれますよね。美学の名に恥じず美しい。
Posted by ブクログ
謎とその解明があるので、たぶんミステリ。
ミステリ風の何かと思って読んだ方がよいかも。
以降は長編なので、美学的推理はそちらを読めばはっきりする?