森晶麿のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美学講義、というタイトルに惹かれて読んでみたのだが、残念ながらあまり得意な作品ではなかった。
「黒猫」と呼ばれる准教授と同じ大学で助手をしている同級生「私」が日常で出会う謎について、美学談義を含め解いていく。
ポォの研究者である「私」と「黒猫」の談義は聴いていて確かにおもしろい。しかし世界があまりにも二人だけのものすぎて、置いていかれてしまう読者も居るのではないだろうか。
また謎と講義を噛み合わせるにしても、ちょっと飛躍というか、無理というか、現実味がないようなものもあって、ごく普通の現代世界を相手にしているはずなのに違和感が否めない。
「黒猫」と「私」の関係もうまいように進んでいるのかもし -
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
パリで大規模な交通事故が発生。深夜そのニュースを目にした付き人は、相変わらず連絡のない黒猫の安否が気になっていた。1年前、イタリアで二人の距離が縮まったと感じたのは、勘違いだったのか。互いに研究で多忙な日々を送る中、いつしか声を聞かない時間ばかりが増えていた。そんの時、大学院の後輩戸影から、ペルシャ美学の教授が失踪したと連絡を受ける。黒猫のことが気になりつつ、付き人は謎を追いかけてゆくが……。
全編愛の話。六話プラスエピローグの連作短編集。懐かしい人々も再登場。美学談義もポオを根底に、ペルシャ美学やワーグナー、演劇にコメディアンとバラエティに富んでいてわりと飲み込みやすい。やっぱり黒猫シリー -
Posted by ブクログ
私立扇央高校朗読部の主・華影忍。〈歩く女百科全書〉を自称する彼は、新入部員の後輩、通称「カラス」から、春休みに一目惚れした女生徒を探してほしいと頼まれる。だがカラスが探していたのは、「存在するはずのない」少女だった。
カラスの仄かな恋心は、嫉妬が引き起こした残酷な夏の事件、軽薄さが全てを崩壊させた秋の事件を経て、次第に忍と彼の婚約者との歪な関係へと繋がっていく。青い春の只中で、今は亡きサロメの幻影に囚われた美しき男子高校生の1年を描く。
エロ×ホラー×ミステリ×芸術。カオス!頼むから忍先輩もう何もしないで!という感じ。忍先輩とかその周囲の女たちとかがしてることって昔の少コミとか携帯のTLマン