風野真知雄のレビュー一覧
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ネタバレ若い売れっ子芸者小力と喧嘩別れして、ふさぎこんでいた夏木は、酒やタバコ、ストレスが祟ったか、今で言うところの脳出血に見舞われる。
仲間の知人で、蘭方医の寿庵が誠実な治療をし、本人の努力もあって、半身不随ながら意識を回復。
気持ちが落ち込んだり、仲間が励ましたり。
一時は自死を覚悟した夏木だったが、妻の愛情にも触れ、夫婦は前以上に絆が深くなる。
体は不自由だが、心は平穏になってゆく夏木。
寿庵に課せられたリハビリにも素直に向かう。
闘病も中高年には、気になる話題。
現代でも共感するようなエピソードを江戸時代の資料と照らし合わせグイグイ引き込むストーリー展開はさすが。 -
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ネタバレ七福仁左衛門の30も違う後妻おさとが妊娠したらしい。
商売を通じての知人の妻から3人の隠れ家『初秋亭』に相談事が持ち込まれた。
今まで、浮ついた遊びをやらなかった大店の主人がいそいそと夜繰り出すらしい。しかも帰ってくると満ち足りた顔になっている。妾でも作ったのだろうか?探索を、、との願いだった。
3人の探索が始まる。
その旦那衆の他にもどうやら旗本やら大藩の藩士が参加してるらしい。
船を使うらしいとだんだん操作が狭まった。
すると、そこでは大の大人がオムツをし、粗相をしたりおっぱいを飲んだりと赤ちゃんごっこをしてるらしい。
忙しく神経する減らしてる身分や立場、旦那衆はそこでストレスを発 -
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ネタバレ55歳になった藤村慎三郎は北町奉行所定町周り同心を倅に譲り引退した。慰労会が終わり、そこに待っていたのは幼馴染の二人。この3人に加え亡くなったもう一人の4人は大川の河口で水練が大好きなことが縁で、真っ黒になりながら遊んだ気心の知れた身分を超えた友情深い仲間たち。
3500石旗本の夏木権之助忠継、小物を売る商人、七福仁左衛門。みんな隠居の身分。
この仲の良い3人、これからの隠居生活を何をしようかと相談し、良い景色を見ながら過ごすような隠れ家を持とうと決めた。
女房が行方不明でと、元同心の藤村のところに相談に来た布袋屋との縁で、大川河口を望む眺望豊かな風流な隠居が作った仕舞家を借り受ける。
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お母さんが任侠で、お父さんはどこかの旗本。
妾というかなんというか、昔の日本て鷹揚だなぁ。
そんなワケで、旗本の五男坊という出自でありつつ、母親が仁義に生きている人だったため、育ちは芝の駕籠かきを営むやくざ一家。
旗本の冷や飯食いが有馬家に入り婿しているところから物語は始まるのですが、
あまり込み入った話は苦手なんで、ぼんやり読み進みました(笑)
エンターテイメント時代小説ですね。
勢いがあり、痛快です。しかし、簡単に人が死んじゃう。そこが☆-1です。
さりとて、知恵と腕力(!)でひとまず大名になってしまった虎之助。
武士の世界へ喧嘩を売るのでしょうか。
今後が楽しみです。 -
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ネタバレ桃太郎、留三郎の幼馴染み、元目付けの隠居じいさん二人。
留は、今で言うところのガンを患いながら、桃太郎の進めた医者からの養生訓に従ううちにそれなりに元気を取り戻した。
二人は兼ねてから桃太郎が相談係となってる越後屋に、嫌がらせを続ける何者かの仕業をつかんだ。
次々と、見込みのある見習いを貶め、奉公人のやる気を削いでいるらしい。
かたや、珠子は大名筋の松平と名乗る人物からしつこくされている。
男には世話にならずに桃子を一人前にしようと、珠子は断るが。。。
実に楽しく、すぐに読んでしまいまた一冊一冊と、楽しみが止まらないシリーズ。 -
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ネタバレ堅物で面白みもないせがれが事もあろうに芸者と女の子をなした。しかも、養育費を貰えば縁を切るからと言った珠子に、自分の保身を口にするほど、情けない。。。
そんな珠子を偶然見かけて、話を聞いてびっくり。
なけなしのへそくり10両を手に、自分が子守も引き受けると。何しろ口の減らない内孫男3人と比べて、珠子の娘桃子の可愛さと言ったら、、、元目付けの愛坂桃太郎は初めて孫可愛さにメロメロに。
そんな可愛い桃子を守ろうと、同じ長屋に移り住み、危険を少しでも排除しようと、次々と事件を解決!
この隠居した桃太郎と幼馴染で元目付け仲間でもある朝比奈留三郎との丁々発止も楽しく、豪快な二人の隠居老人の痛快さがた -
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ネタバレ食べ物屋さんを巡ることで、そこから悪を暴く「隠密味見方同心」シリーズの第2弾。
やはり、容姿端麗で仕事もでき、ステキな奥さんをもらっていた兄亡き後は、容姿微妙で人見知り、シャープなところが全然なく、アラサーなのに養子先もなかった次男坊さんが跡を継ぎました。
この巻では、それほど前の主人公さんの死についての謎にすいては解明が進まなかったけれど、デキる兄にコンプレックスを持っていたけれど、兄を妬むこともなく素直なところがあった次男さんが、その才能を開花させていく感じでした。
できる上がいて嫉妬で性格が悪くなる人間も多いけど、親が良かったのかな?
環境が人を作るんだなぁ…って思いました。 -
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女難の相って、やっとこさ同じ長屋の美人さんと仲良くなれそうになったところに出て行った巨乳の奥さんが帰ってきたり(でもすぐに出て行った)、美人さんのお母さん(まだアラフォー。こちらも巨乳)に粉をかけられたりと…。
モテ過ぎても江戸や今の日本じゃ奥さんは1人しかもらえないから大変だよね。
羽生結弦くんとかイケてる男性は、国が負担して3人くらい奥さんがもらえればいいのに…。
いずれにしても、桃太郎伝説が出て来るとは思わなかった。
某CMみたく、自分の親が鬼扱いで、権力を持つ側の「英雄」に滅ぼされたうえに、子供にまで浸透したおとぎ話にされていたら大変だわなぁ…。 -
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南町奉行所の隠密同心さんが主人公。
占いが得意で、市井の人々の占いを通じてヒントをゲットして事件を解決するっぽい。
ペットはふくろう。
上司は幼馴染のダメ男。
江戸で一番運が良く、江戸で一番口臭がヒドいヤツ。
主人公は「とりあえず二枚目」の34歳。
おっぱいが大きくてお気に入りだった奥さんは失踪したらしい。
平日の午後4時くらいに一話完結の大江戸モノって感じでユルくテレビでやってたら人気が出そうな感じ。
ちゃきちゃきした文章で、クセのある登場人物たちが生き生きとしているし、たまにクスっと笑える表現があって、やっぱり風野さんのお話は気軽に楽しめるな。
まぁ、このシリーズも最後が尻切れト -
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いよいよ物語が佳境に入る
味見方同心だった兄、月浦波之進が殺された理由を探してきた弟の魚之進がだんだんとその確信に近づこうとしている。
波之進が残した言葉、「おいしいものの裏にある悪」とは。
おいしいものは「ケイク」であることが判明。
特に「まぐろの千切り」の段では、料亭「おくやま」の板長・丁次が殺される。
その犯人「出島屋」の修二郎は西方の美味神で丁次を誘惑する。
当時は得体の知れないバニラを丁次が修二郎から盗んだがか、食べしまい殺された。
物語のこの辺りが微妙でとても面白い。香料が思わせる話しだ。
そして、さらに北谷道海こと河内山宗俊と向島に住む中野石翁が抜け荷に絡んでいることが浮かび上がる。
もう