風野真知雄のレビュー一覧

耳袋秘帖 南町奉行と餓舎髑髏

風野真知雄

風野真知雄さんは、人情の機微豊かなほっこりした物語にも魅力はあるが、この耳袋シリーズの不思議で大きな謎解きを含んだ物語はまさに風野ワールド！

今回も冒頭から、妖の恐ろしい事件が始まるのだが、のめり込んで引き寄せられるように読んでしまった。
流石である。

耳袋秘帖 南町奉行と幽霊心中

風野真知雄

筆が早いのだろうか？
風野真知雄さんは多作だ。
今回は長いシリーズの根岸肥前の守こと、赤鬼奉行。

長いシリーズだけに、内与力とでも言うのか、奉行直属の腕利きの同心たち、個性豊かな岡っ引きたちの大活躍だ。

風野さんの作品群は、実に優しい眼差しが存在する。
そして話の展開が粋だ。

今回美男美女の心中事件を中心に、取り込み詐欺や、死んでいるはずの男女が再び死んだとあって、江戸っ子の目も集めるし事件としては謎多き華やかな事件。

毎回のことながら、堪能させてくれる。

そうそう、、、「別のシリーズ」で初めての女孫にメロメロの元目付け「愛坂桃太郎」が現役で登場するのも興味深い！

わるじい義剣帖 ： 1 またですか

風野真知雄

始まりました、第３章。桃子と離れたじいじが、新たな事件を解くべく大活躍。いやぁ。続きが楽しみでなりません。

坂本龍馬殺人事件

風野真知雄

歴史ライターの月村弘平と刑事で彼女の夕湖が、イベントで現代の坂本龍馬に選ばれた若者の殺人事件を解決する話
月村君の先祖は八丁堀の同心。今でも八丁堀の古い持ちビル住まい。その設定だけで星一つ献上しちゃいます。その上、京都で代々舞妓家系の梅すずちゃんや龍馬大好き身長195の外国人ドラゴン、柔道日本一になり損ねた夕湖同僚大滝、みんな好き
このシリーズはドラマにしたらいいのに

耳袋秘帖 南町奉行と幽霊心中

風野真知雄

怪しさ満点の謎が謎よぶ展開。最後に上手くまとめて、ほろりとさせられる。読書で上質な時間を過ごさせて貰った。

猫鳴小路のおそろし屋 ３ 江戸城奇譚

風野真知雄

最後の将門の首の話はよく分からなかったけど、シリーズでの話はどのエピソードも面白かった。
今回で終わりなのが寂しい。

どうした、家康

上田秀人 / 稲田幸久 / 井原忠政 / 小栗さくら / 風野真知雄 / 門井慶喜 / 砂原浩太朗 / 永井紗耶子 / 松下隆一 / 谷津矢車 / 矢野隆 / 山本巧次 / 吉森大祐

バラエティー豊かて楽しい一冊。
新しい視点が良いと思うのは、「長久手の瓢」山本巧次である。
上田秀人の「親なりし」はさすがの安定感。

沙羅沙羅越え

風野真知雄

単なる登山本にせず、黒百合伝説と内通者ミステリーもあわせて飽きさせない構成。
成政の心理描写、秀吉利家家康との比較など、上手くまとめていた。
短編で終わってもおかしくないテーマを長編にしているが、間延びせずに熱いまま一気に読めた

眠れない凶四郎（四） 耳袋秘帖

風野真知雄

妻の仇討ちを終えた凶四郎、しかし不眠症は治らないまま。
蜘蛛の巣に見立てた紐に絡めとられた死体がでる。
連続殺人事件の始まり。

珍しく陰鬱な背景もなくすっきりと読み終わった。

耳袋秘帖 南町奉行と犬神の家

風野真知雄

信仰のあり方と、社会を良くしたいという思いと、自己顕示欲や承認欲求そして社会生活の不満や不条理への憤りと。それらが渾然一体となるときに危うさがつきまとうという実相が描かれているように読めた。
統一教会の問題で政治と信仰の関係が課題となる中で、信仰とは何かを考える一助になる時代小説。

耳袋秘帖 蔵前姑獲鳥殺人事件

風野真知雄

姑獲鳥は深い情愛がつくり出す妖かしなのさ

蔵前の悪辣な札差 伊那屋が殺された。
伊那屋を殺したのは姑獲鳥だという。

根岸の頭のキレ具合が凄い。
一を聞いて十を知るを地でいっている。

女だてら 麻布わけあり酒場

風野真知雄

[じゃがいも]

シリーズの第一作

江戸時代の江戸下町を舞台にした長大なシリーズ者の第一作目の作品である。同じようなストーリーを現代を舞台にすると、なんてことはない話になってしまうのに、江戸下町を舞台にすると、なんとも情緒豊かな話になってしまうのはなぜだろうか？我々読者の心の奥底に、そのような江戸下町の心情がひそんでいるのだろうか。作者はその点を巧みに表現している。

耳袋秘帖 湯島金魚殺人事件

風野真知雄

耳袋秘帖殺人事件シリーズ第15弾。
湯島で旗本の若い倅が死んだ。
湯島の風紀を正そうとする動きに紛れて人気の陰間が殺される。

根岸の後見人にあたる松平定信が詐欺にあったり根岸の窮地を救ったりといい味を出していた。

耳袋秘帖 新宿魔族殺人事件

風野真知雄

内藤新宿でやくざが次々に殺される。
事件の影に忍の者が浮かび上がる。

本シリーズは毎回話がスッキリ痛快に終わる訳じゃないので、本作では読後、心にもやついたものが残った。

耳袋秘帖 浅草妖刀殺人事件

風野真知雄

刀屋ばかりを狙う「おたすけ兄弟」という盗人から金を横取りした中間の与之吉。
大金は人を狂わせる。
1つの悪事が別の罪人を生む負の連鎖をみた。

耳袋秘帖 南町奉行と餓舎髑髏

風野真知雄

根岸ファミリー全員登場！話もよくできていて面白かったです
馬が合う寺社奉行脇坂淡路守ってあの人ですね～
最後の雄叫びはいつもの根岸らしくない。まさか遠山の金さん路線に変更？

いい湯じゃのう（三） ご落胤の真相

風野真知雄

お気楽痛快愉快温泉時代劇　大団円。
いやぁ、面白かった。

一巻、二巻と続いてきた、ショーグン吉宗と天一坊、そして大岡越前やら火消し、姐さん、温泉忍者にくノ一たちのお話が、パチっパチっと嵌まっていき、最後は見事な大団円。
さわやかな人たちはすっきりとおさまるべきところに収まり、悪者はしっかり成敗され、見事にエンディングを迎える。
なかなかに面白かった。
史実とは全く関係のない、お気楽時代劇シリーズ。
結構ハマりそう。
水戸黄門と大岡越前を飽きることなく観ていた、爺さんの気持ちになれたような気がする。

わるじい秘剣帖 ： 3 しっこかい

風野真知雄

とにかくサクサク読めてしまうシリーズ
一日に2冊読むこともあった
最後まで読み切ってから感想残そうかなぁ
と、思った

いい湯じゃのう（三） ご落胤の真相

風野真知雄

面白かったです。謎解きの部分は何故かニヤニヤしながら読んでました。
愛されキャラの将軍とは久々のご対面。重鎮たちも笑えるし。たまにはこんな話を読みたいかも。
温泉いけてない。言いたい。「いい湯じゃのう」

同心亀無剣之介 殺される町

風野真知雄

久々の「同心亀無剣之介シリーズ」最新刊！！！！！
あのヌーボーとした癖毛がひどく、諦めない捜査法から『ちぢれすっぽん』と、身もふたもないようなあだ名を付けられ、江戸町民に浸透しているシングルファーザー。
隣にはやり手と評価が高いが、実のところいつもトンチンカンな迷推理で困らせる与力の松田兄妹が住んでいる。まだ幼い娘、おみちの世話をしてくれるのは松田の妹、志保。

このキャラクターを十二分に生き生きと物語をつくているのが、我らが「風野真知雄」先生。

今回も、いろいろなシチュエーションの事件を解決する。

ヌーボーとしたヒーロー健在の新刊だ。