あらすじ
浅草橋近くにある海産物問屋〈三陸屋〉が、朝になるのに戸が開かない。
もしや、押し込みが入って皆殺しにでもされたのではと騒ぎになり、
同心・土久呂凶四郎が戸を破って入ると店の中は血まみれ。
奥に手代が一人倒れていて、壁に「がしゃどくろ」と血文字で書かれている。
店にはまだ十名ほど人がいたはず。
奥にある巨大な蔵から、がしゃがしゃという奇妙な音がする。
鍵を破って戸を開くと、遺体の判別がつかないほどのむごたらしい有り様だった。
そして隣家の旗本までも血塗れで昏倒していた。
これは餓舎髑髏の仕業なのか?
「耳袋秘帖」好評の南町奉行シリーズ第3弾!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
風野真知雄さんは、人情の機微豊かなほっこりした物語にも魅力はあるが、この耳袋シリーズの不思議で大きな謎解きを含んだ物語はまさに風野ワールド!
今回も冒頭から、妖の恐ろしい事件が始まるのだが、のめり込んで引き寄せられるように読んでしまった。
流石である。
Posted by ブクログ
根岸ファミリー全員登場!話もよくできていて面白かったです
馬が合う寺社奉行脇坂淡路守ってあの人ですね~
最後の雄叫びはいつもの根岸らしくない。まさか遠山の金さん路線に変更?
Posted by ブクログ
南町奉行シリーズ、第3弾、読みました。
これまでと登場人物は、変わらず、今回はしめさんはあまり出ず、椀田、宮尾、雨傘屋とともに根岸奉行が中心です。
筋は全て最後に一つに帰結しました。
最後は、遠山の金さんみたいな、大団円でした。三つの悪事、悪党が出て来て、少し分からなくなりましたが。
また、次巻に期待ですね。
特に雨傘屋は、鑑定を主にするようにでもなるのかなあ。
Posted by ブクログ
耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第三弾。
海産物問屋〈三陸屋〉の蔵の中で、十人以上ものバラバラ死体が見つかります。
さらに、ただ一人店内で殺されていた手代のかたわらには血文字で「がしゃどくろ」と書かれていて・・・。
長年耳袋秘帖シリーズを読んできて、様々な風変わりな事件がありましたが、今回の現場はトップクラスに入る凄惨さでしたね。
この度も“チーム根岸”の面々・・凶四郎さん、椀田さん、宮尾さん、雨傘屋、しめさん等々の、役割分担がしっかりできていて、各人の成果を根岸奉行がまとめ上げるという鉄板の流れで、安心して読めました。
個人的には今回の敢闘賞は雨傘屋かなと思います。バラバラになった骨から個人を割り出すという、気が遠くなるような、そしてメンタルが削られるような、何気に一番大変な仕事だったと思います。雨傘屋、お疲れ様でした。
“ご近所三悪党”の身勝手な利害で、とんでもなくおぞましい事件が起こってしまったわけですが、今回は寺社奉行・脇坂淡路守(『閻魔裁き』の人と同一とみて良いのかな?)が協力的だったのも良かったですね。
“チーム根岸”といえば、前巻で栗田さんがチョイ出演していましたが、坂巻さんの再登場も心待ちにしております。