群ようこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
45歳、独身の女性。玩具会社で、彼女が企画した人形がヒットし課長として頑張っている。
そんな彼女の周りには、仕事もせずゴルフ雑誌を読んでいるだけの部長や、出社拒否をして母親から会社に電話を入れてもらったり、さらには自分が企画を出すわけではないけど、彼女の企画した人形のことを馬鹿にして、批判したり中傷したりする男性社員達がうじゃうじゃ。
でも、中傷を耳にした彼女は、怒りのパワー炸裂で、ますます仕事へ力が入る。彼女と、のんびり仕事をしたい男性社員達の間には溝が深まるばかり。
そんな男性社員達が怖がって寄り付かない彼女にも、彼女をサポートする女性社員がいた。
確かに、女性が長い間仕事をしていると、 -
Posted by ブクログ
OLたちの日常を短く描いた短編集。
ひたすら現実味のある女性たち(OL )の嘆きや葛藤に圧巻された。
中でも印象的だったのは、昔からいじめられっ子で、社会人になってからは絶対にいじめられまいと実用書をしっかり読んで人付き合いをしていく女性の話。
実用書に書いてあることばかり実践していると、知らぬ間に先輩たちから嫌われていた、というエピソードがぐさっときた。
…やはり、心当たりのあるエピソードほど印象が強い。
なので社会人ならなおのことこの小説を親身に受け入れることができるのではないだろうか。
OL をやったことがないから、本当にこんな陰湿な嫌がらせや葛藤が起こるものかは分からないが、少なく -
Posted by ブクログ
楽しいものが読みたくて、再読。
百貨店外商部、一般事務、コンビニパート、古本屋、フリーライター、女優、エステティシャン、呉服屋経営、内職、ラブホテル店長等々。
以前はとても面白いと思ったのに、今回はからっと笑えなかった。
淡々と面白く描かれているが、ハッピーエンドではなく、結構シビアな話。
以下が面白かった。昔は女優の話一番好きだったが、ちょっと変わってきた。
子連れでコンビニパート「とりあえず子連れでレジを打つ」
総合職から古本屋店番「そして私は番をする」
往年女優「やっぱりみんなに嫌われる」
デパート勤務から呉服屋経営「とうとう誰も来なくなる」
ラブホテル店長「いろいろあって、おもしろい? -
Posted by ブクログ
この本に出会ったのは学生時代。
当時アルバイトをしていた書店で、レジカウンターに立ちながら、(原因はすっかり忘れてしまったけれど)ひどく落ち込んでいた私に店内整理から戻った私に「これ読んだら元気になるで」と、店長が手渡してくれたのがきっかけだった。
群ようこさんの本は、以前おばにすすめられて読んだ「アメリカ居すわり一人旅」がおもしろかったこともあり、買って読むことにした。
その夜の読み終わったあとの興奮は、今でも忘れられない。
仕事に、生き方に、ぐるぐると迷い続けた数年間ののちにエッセイストとしてスタートするまでを描いているのだけれど、悔しく惨めな思いの詰まったOL時代、「本の雑誌社」で働け -
Posted by ブクログ
「そろそろ旅に」で馬琴が出てきたので急に読んでみたくなって。想像していたような話ではなくてちょっとびっくり。主人公みちが嫁いだ馬琴の家は、馬琴をはじめ一家じゅう気難しく、夫も姑も病気がちでヒステリーで、とにかくみちは家事と看病でつねにただただ大忙し。次々災難は起きるし、えんえんそれだけみたいで笑えてきそうなほどなんだけど、群ようこさんの文章のおかげか、なぜかすごくおもしろくてぐいぐいと読んでしまった。そうドラマチックなことがあるわけでもないんだけど。でも馬琴の人となりがよくわかるような。漢字もあまり読めないみちが「八犬伝」の代筆をしたとエピソードも最後のほうだけなんだけど、おもしろかった。