あらすじ
あこがれの彼に超ブスの奥さん。仕事はぼんくらでも浮気はマメ。清楚な美人が実は……。誠実そう、優しそうで始まる恋が、意外な奥行きを見せてくる――。恋にトラブルはつきものと、覚悟はあってもまさか!の事態。恐怖と陶酔で盛りあがる、明るい略奪愛の物語。大人気無印シリーズ愛情編。
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Posted by ブクログ
お菓子でいえば、小袋に入ったスナック菓子のような感じでした。気負わずさらっと読んであっという間におしまい…。
不倫というと、そこに何か意味があるのかと深読みさせたり、愛がなんだと盛り込みがちなところ、日常の中にさらっと存在する感じが私的には共感できました。
2016年に読みかえしたのですが、だいぶ時代が違うところもおもしろかった。トレンディー俳優の名前とか…。
男性の不倫は性欲のおもむくまま、女性の不倫は誰かに女として見られたいという気持ちなのでしょう。作者もその辺をつべこべ言わずに書きたかったのかな~と。
Posted by ブクログ
不倫をテーマにした12つの短編集。不倫と聞くと、なにかドロドロとした人間関係を想像するかもしれないが、それとは裏腹に、本作は明るめでユーモアに描いた小説である。そのため、本作はどの話を読んでも特別後味の悪いものはなかった。不倫をベースにした小説ということもあり、不倫した者の内面が重点的に描写されている。また、フィクションではあるが、男女間で不倫相手に求める要因が異なるところが興味深かった。
Posted by ブクログ
不倫は悪いこと!と強調するほどでもないけど、特に同性に関してだが不倫を自慢する人間はロクでもないと思っている。だが世の中には、「不倫だって美しい」と賛美せんばかりの風潮もあるような気もして、この本も積極的に楽しめるかどうかわからなかった。何故、この本を佐藤優は薦めたのだろう…
読んでみると、案外面白かった。渡辺淳一のようなドロドロ感はなく、それと示唆されることが書いてあっても、描写自体は至って淡白。不倫する側が語り手であっても、「そうかなぁ?」と入り込めないようなところはない。語り手も含め登場人物が動揺しているような場面でも、著者自身の冷めた視点が文章の内部に組み込まれている、と言うのか。
“愛”が絡んでいるからと言って、美談に仕立て上げていないのが、この本のいいところ。