群ようこのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
再読。
服を買ってその服でお出掛けする。新しい服を着てウキウキしてるのに、鏡や窓ガラスに映った自分の姿を見てガッカリする事が最近多くなった。似合ってないから。服を買った時は気に入って買ったのにな。そんな事が続いて思い出したのが、群ようこさん。群さんがそんな事を言ってたと思い、本棚を探したらこの本を見つけ早速読んでみた。
前、読んだ時は"分かる気がする"だったんだけど、今は"分かる、分かります"になった。
⚫︎体型の変化、隠しきれない顔のシワやたるみ、それによって好きな服がもう似合うとは限らない。
(これは身に染みている)
⚫︎自分がいいと思って着た -
Posted by ブクログ
ネタバレ昭和30年代に生まれた男女5人の、昭和から平成の終わりまでの暮らしと再会までを描く。
この小説の主人公たちは、私の両親の世代にあたる。昔のことだと思って読み進めると、「3.11東日本大地震」が発生し、つい最近のことだとハッとさせられる。紆余曲折あったそれぞれが還暦を過ぎて再会し、旅行をするシーンが良い。なんてあたたかい巡り合わせと関係性なのだろう。
ユリコのセリフが、この小説で描かれるものが何かを語るものかもしれない。
「みんな生まれる時期や家なんて選べない。その中で折り合いをつけて生きていかなくちゃいけない」
タイトルの「また明日」
学生の頃は当たり前に交わしていた言葉が、いつからかこんな -
Posted by ブクログ
職場や取引先から母親まで、周囲に気を遣い窮屈な生活を続けることに嫌気が差した女性が、45歳で退職して始めたひとり暮らし。年金を受給できるまでまだ20年ある。その間は、月10万円でつましく暮らすことにした。
そんな、古くて不便なぼろアパートで奮闘する女性の日々を描いたヒューマンドラマ。シリーズ第1作。
◇
大手広告代理店でバリバリ働き、管理職としてそれなりの給与を得ていたキョウコではあるが、若い頃からずっと自分の生き方に疑問を感じてきた。
業務の大半を占める接待と、湯水のごとく消費される交際費。金と欲に塗れた世界にあるのは虚飾に満ちた仕事ばかりのように感じるから -
Posted by ブクログ
いまじゃ「いかがなものか」な人たちが市民権を得ているなぁ、と読みながらしみじみ。
紹介されていた電車内で日焼け止めスプレーを噴射した女性と、その母親の会話がまさしく『いかがなものか』だった。
“変な人”が“真っ当な人”を「へんなひと」と呼ぶ。
以前、どこかのカフェでサラリーマンがしていた会話を思い出した。
「電話の取り方とか、目上の人の呼び方なんてわからないものかなぁ」
「わからないんだよ。だって、彼らは教われなかったんだ」
「親が忙しかったとか、甘やかされてたとか?」
「違うよ。その親が教わってないんだ」
なるほど、「いかがなものか」が多数派を占めた理由がわかった気がした。