あらすじ
新卒で入った広告代理店を半年で辞め、転職すること四回。本の雑誌社で経理事務として働いていたときに書評を依頼され、初めて原稿料をもらったのが二十五歳。以来、四十余年にわたり書き続けてきた著者が綴る、書きはじめの苦しみ、誹謗中傷のやり過ごし方、前期高齢者になってからの変化、そしてお金より大切なこと。
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Posted by ブクログ
すっごく面白かったです。
群ようこさん、とてもストイックで生き様がかっこいいと感じました。
趣味で文章を書いている私に喝を入れてくれるようなお話もいくつかあり、背筋を正される思いです。
綺麗な文章がするすると頭に入ってくる上に、時おりくすっと笑える話なんかもあったりして、とっても楽しく読み進められる本でした。
Posted by ブクログ
どのように、「群ようこ」さんができたのか、
その歴史に触れることができた。
いつも、時系列をバラバラに作品を読んでいたので、
この本で、まとまった気がする。
「すきま産業」とご自身がおっしゃっているが、
それこそが、長く続けられた勝因なのでは?
そして、納得しないことは受け付けないという、
芯のしっかりとした作家としての矜持が、
編集者の立場も経ているからこそ真摯に仕事をされているんだと思う。
正直さと人間観察の鋭さが、作品の隅々に感じられ、
この本で、益々ファンになった!
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読みました。
面白かったです。
作家さんの仕事の様子や文章を書くうえでの心構えを知れたからです。
なるほどなーと思いつつ、これは胸に刻んでおきたいなということがたくさんありました。
群さんは幼いころから、本を読むのが好きだったようですごいなと思いました。
自分は集中力があまり続かないし、読むのも遅いので、なかなか読むこと自体が好きという境地になかなかなれません。なにか良い方法があればいいのですが。
読むこと自体が好きになれたら、色々なことが知れて最強だなと思いました。
群さんの本に対する想いがとても素敵だなと思いました。
『なにか大きな賞をとることよりも、読んだ人が限られた時間のなかで少しでも面白かったと思ってもらえれば十分』
本作を読んで、僕にとって面白い時間が過ごせました。
ありがとうございます。
Posted by ブクログ
作家のあれこれを淡々と書き綴るエッセイ。編集者に限らないけれどどこの会社にも誠実さに欠ける人はいて、そういう人とは距離とった方がいいと学べる一冊。
実は群さんはエッセイしか読んだことないけれど、なんか癖になる作家さん。
作家として冷めた視点が森博嗣さんに近いなあと思った。作家になりたくてなったわけじゃない感じとか。
Posted by ブクログ
これまでに4冊、群さんの著書を読んでいたが、原稿を書いて編集者に提出するまでの内幕をさらけ出している内容で大変楽しめた.ネタの見つけ方の件が面白かった.p95に「頭の中の引き出しは、経験、読んだ本、聴いた音楽、見た絵画など、それらを体感したときの気持ちが、入れられている気がする.引き出しの中身を充実させ、うまく引き出せば、書くネタには困らなくなるだろう.」とあったが、何にでも興味を持って接することが肝要だとおっしゃっていると感じた.
Posted by ブクログ
群ようこさん、何冊目かな。平成に入ってから一番多く読んでいる作家さんだと思う。
このエッセイもテンポリズムよくとんとん読み進めた。この人は本当に文才があるのだと思う。それはストーリーに思わぬ仕掛けがあるとかしっかりした骨格を持った意外性のあるストーリーだとかいうものではなく、もっと単純に文字を追うということを楽しめる作家であるということだ。
もちろん、それは個人個人で違う感性であるから一概には言えない。ただ、私にはこの人の波長が実にぴったりとくる。考え方も文体も読んでいて実にしっくりとくるのである。生きてきた世代も一緒であるから、親近感も多々ある。
けど、これまでのエッセイにはない、あまり見られない、切り込んだ憤りのある文調も見られた。もしかしたらほんとうに本当に本音をここで暴露して見せたという部分もあるのかもしれない。
なんにしても私は今後もこの人とともに読書人生を歩むことになると思う。
Posted by ブクログ
群さんが作家になった過程が綴られていて、作家と編集者との関係など、「本」の世界がわかる本。
なにより、群さんが原稿を仕上げるようすが興味深い。
SNS など、誰でも書ける時代だけど、子供頃の読書量と、仕事中に「群ようこが降りてくる」なんて、普通じゃない。
また、「タイパ」を気にしたり、流行りの作品しか読んでない作家志望者への厳しめコメントで、作家が簡単じゃないのがわかる。
でも、こんなの読んだらって『世界の悲惨1~3』『東京の生活史』をオススメしている。
作家志望じゃないけど読んでみたい。
Posted by ブクログ
やる気ない感じでもなく、かといって頑張ってます!という感じでもない。バランス感覚がお見事。だからこそ長く書いてこられたのだなと納得。もう何年前になるか忘れたけれど、群さんのエッセイを読んで本の雑誌を知り、それからずっと本の雑誌を愛読。読書の沼にずぶずぶと…今回のエッセイは本の雑誌を読み、そこで紹介されていたので読みました。あとがきがグッときました。
Posted by ブクログ
昔からなぜか群ようこさんの文体が好きだった。
肩肘張らずに、すっと入ってくる。
そういえば、群さん本の雑誌社出身だったな、と。
そんなに熱心なファンではないのだけれど、なんとなく、界隈の雰囲気が感じられる
Posted by ブクログ
群さんが何故このタイミングでご自身の作家までの道のりや執筆活動の事を書かれるのかな、と少し疑問を持ちつつ読みました。しかし、あとがきを読んで納得し、そして泣けました。もしかしたら、今書かないと一生書かないかも知れない題材だったのではないでしょうか。群さんの正直で曲がった事が大嫌いで情に厚い性分で書かれているエッセイをこれからも楽しみにしています。
Posted by ブクログ
読むやすかった。著者にの本がするすると読めるからいい。
ひょんなつながりがらエッセイを書くようになり、そこからどんどん発注がきて「本の雑誌社」を辞めることになったのは知っていたけど、それは幸運でもあっただろうけどやっぱり面白かったし読者がそれを求めていて需要だあったんだyね。
でもそれをよく思わない人もいっぱいいたみたいで(そりゃあ本を出したい人は世の中にたくさんいそうだもね)いろんな嫌がらせを受けたよう。
でもネタは尽きなかったようで書くことはいっぱいあったというからすごい。
淡々としていて身の丈にあった生活をしてて素敵だなと思う。親に建てたローンの為にすごい書かなければならない時期があったようだけど、それをも完済して今は自分のペースで書けてるのかな。
あまりに忙しくて一年感、仕事をしないって決めた時に母親に言ったら毎月の生活費の40万はどうなるの?て言われたらしい。その間もずっと40万送金してたというからすごい。
これも一種の毒親か、著者がこんなに売れっ子にならなければ母親も守銭奴にならなくてすんだのかな。
並行して沢木耕太郎のエッセイを読んでたら著者のエピソードが、すごい褒めてた。他人に対する柔らかさとでもいうのかいつも平熱の人というのがなるほどねと思ったわ。
最後に本の雑誌社の元社長の目黒考二氏に触れていた。
「群ようこ」の名付け親だったんだね。
Posted by ブクログ
無印シリーズからずっと読んでます。編み物、着物、猫
、小唄など未知のジャンルを教わりました。それも群さんがずっと書き続けてくれたからです。ありがとうございます。
Posted by ブクログ
初めての群ようこさんの作品がこちらでした。群さん自身の幼少期から現在に至るまでの生きざまが描かれています。作家になることが夢だったのか、なぜ大学(文芸科)に進学したのか、その後4度の転職を経て会社員になった理由、物書きとしてデビューしたときの心持ち、会社員と並行した作家活動、会社を辞めて物書き専業となったときのことなど、これまでの群さんが送られてきた日常を覗き見した気持ちです。おもしろかったのは、多くのエピソードの根底に、両親や弟さん、「どうしたらベストセラーが書けますか?」と問う母校の現役学生、これまで出会った編集者や仕事関係者に対する「愚痴」であったことです。きれいにまとめようと思うと「感謝」や仕事を続けることの泥臭さなどをテーマに置く著者が多いのかと思いましたが、群さんの自身が持つ「毒」「恨み」が散りばめられていて、こんなに詳しくエピソードを書いてしまったら誰って分かっちゃうのでは…と心配になるほど痛快爽快で、最初から最後まで一気に読めましたし、読み応えがありました。
Posted by ブクログ
群ようこさんの本を初めて読んだ。友人から、読み終わったからあげる、といきなり渡された本だ。
なんとなくのイメージで、大変失礼ながら、ふわふわした本を書く人なのかと思っていた。完全なる先入観である。
他の本を読んだことがないので分からないのだけど、だいぶ外から自分を見て書いている、と言う印象の文体。なんだか、自分のことをすごくぶっきら棒に表現している。
作家としての生い立ち、日々の生活など淡々と描かれていて、流麗な文章と言う感じでもないし、ものすごく面白いエピソードがてんこ盛り!と言う訳でもないのに、なぜか読み続けてしまう。これぞまさにエッセイの真髄なのか!
昔の男女雇用機会「不均等」な出版業界界隈の話や、いろんな人に恵まれて仕事を続けて来た話など、読書好きなら興味をそそられる話もたくさん。
これからは、もう少し群ようこを読んでみよう。
Posted by ブクログ
群さんのエッセイストとしての歴史の様なエッセイ。
エッセイストを意識したと言うより、自然の流れの様にエッセイを書き、ネタも敢えて探したと言うより、自分に自然に備わっていた様な感じ。
群さんの何気ない日常を描いたエッセイが心地良い。