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Posted by ブクログ
人の一生を描いた物語は、放物線グラフを描いている気がする。
上向きの時期があり、短い頂点を迎え、下降線をたどる。
自分が下降線をたどっている事に気づかない、あるいは認められない人間の感情が、「切ない」「気の毒」「往生際が悪い」「みっともない」と感じさせるドラマになる。
ハルエの生涯もそうだ。
昭和ひとケタ生まれの女の一生。
たくさんの兄弟の中で、与えられた役割を果たす。
弟や妹の面倒を見て、一生懸命働いて家計も助ける。
やがて縁あって嫁いで行けば、自己主張する事も許されず、理不尽だと思う事があっても、夫に尽くさなければならない。
読みながら、同情する。
頑張れ、頑張れ、と応援する。
そうだ、そんな男とは離婚してやれ、あんたの頑張りがあれば一人で生きていける。
この辺りまでが、上向きグラフである。
グラフはやがて急降下を始める。
頑張って稼ぎ、少ない生活費でやりくりしてきた反動なのか、ハルエは驚くべき浪費家に転じるのである。
しかも、その支払いは自分の稼ぎではない。
娘が打ち出の小づちであると勘違いしている彼女は、どんなに叱られても、理を持って諭されても、「欲しい」という欲求を抑えられない。
抑えようという気持ちもさらさら起きない。
応援しながら読んできた気持ちは憎しみにさえ変わる。
読み手の同情は、ハルエではなく、娘のアカネに向かうようになる。
やがて、彼女は老いて、病も得、周りは彼女に『常識』を要求する事も諦める。
壊れて大きな音を出し続けるスピーカーのようだ。
これも、多くの部分実話だと思うと、本当に驚くべきことだ。
家族の関係、母というもの、母と娘、老いというもの…考えさせられる。
やるせない。
Posted by ブクログ
ここで終わり!?と、こんなストーリーがあるのか…という気持ち。そして解説を読んだら、ハルエは著者の母を描いたものと知りびっくり。
娘時代のハルエと、結婚してしばらくしてからのハルエの印象が大きく違った。タケシの理不尽さに一生懸命耐えている間に、信じるものが自分しか無くなって人に対する思いやりがなくなってしまったのだろうか。アカネに対する酷い言葉には、娘時代の真面目で家族思いのハルエとは全然違う人間になってしまった気がした。
そしてこんなにも酷いことをされて何度も縁を切ると言っていたアカネが、実際には全然そうせず金銭的な面倒も見続けていることにもびっくり。
女としての一生をなんとなく考えてしまうようなストーリーだった。
Posted by ブクログ
昭和初期に産まれた女性の一生が淡々と綴られたお話。ちょうど祖母と同じくらいの時代を生きているので、色々祖母の人生とも重ねながら読めて面白かった。娘時代から結婚生活にかけては時代の流れが目まぐるしく変わる中どんな理不尽な環境にもめげず、生活を乗り切る姿がすごいと思った。きっとこれからを生きる私たち世代には耐えられないような環境をあの頃の女性たちはみんな受け入れ乗り越えてきてるんだから、本当にすごいと思う。後半、子の独立、定年を機に暴走していく姿は見ていて辛かったが、これまでの人生を鑑みるとどこかで弾けないと人はやってけないのかなと考えさせられた。群さんのお母様のお話らしいけど、また近況や群さんの心情を知りたいなと思った。
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