紅玉いづきのレビュー一覧
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ネタバレ前作より更にSF色が強くなった印象。登場人物の正体?も明かされていく。サトミさん、タンゴくんそんな秘密があったり、ワルツさんの弱点も晒される。
今が嫌で終末を期待する千鳥さんの気持ちも、わからないでもないし、自分もたまに考えてしまうこともあるけど若い人がそんな思いに囚われるのは悲しく感じる。
「生きることは働くことではないかね」
なりたい職業になれる人なんて殆どいない。
惰性と責任だけで働き、もう逃げることもほぼほぼできない現状の自分。後悔する余裕もないのだけども、
目指せるものがあり、障害があっても挑戦に向かう千鳥さんを少し羨ましくも思えるし応援したくもなる。
また本により、何か一時的 -
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しっかり恋愛小説やった。
ミミズク読んでからだいぶ空いたので登場人物少し忘れてたけど、大事なとこやのでこれは前作読んですぐの方が楽しめるなと思った。
ミミズクとエルザは割と恵まれない幼少期が似てるはずやのにこうも性格が変わるのは何で何やろうなと思った。設定として毒吐きっていうのはあるけど、周りのエルザに対する環境が無意識のうちに恐れや不吉で卑しいものとして接されてたからなのかもしれない。卑屈になるわな。そしてその自信のなさがミミズクと会った時の絶望になるし、愛されるものと愛されないものみたいな考えになるんだよな…少しデュークのちょっとした悪意というか釘刺しもうううってなった。ミミズクやディアの -
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ネタバレ家を飛び出して、新米新聞記者として働く英田紺。
旧家の蔵で見つかった呪いの箱の処分を依頼された紺は、上司の紹介で神楽坂の箱屋敷に住む、うららと出逢う。
「箱と名のつくもので、うちに開けられぬものもありませんし、うちに閉じられぬ、ものもありませぬ」
けれどね、記者さん
「開けないほうが、よい箱もありますよ」
表紙とタイトルから、袴姿のお嬢が活躍するのかなと思っていたら、過去を抱えて家を飛び出した新米記者と、謎めいた箱娘が暴く怪しくて仄暗い人の闇のお話。
地方の旧家の呪いの箱
身分違いの男女の悲恋を描く舞台の台本の行方
姉の婚約者に文を贈っていた妹の真実
旧家の嫁からの再びの文
じっとりとまとわ -
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紅玉いづきさんの全5話構成の少女+αの短編集。
「15秒のターン」:前後半15秒の高校生カップルの心の機微。悩んで迷って、踏ん切りつけて次に進む。感情の疾走感が心地良かった。
「2Bの黒髪」:浪人生そのものを見事にまとめた話。やりたくないけどやらなきゃ、でも息抜きしなきゃ頑張れない。それが人からしたらはなんの価値がなくてもそれで自分は救われる。
「戦場にも朝は来る」:共依存、1人が覚めれば一人きり。覚めた方の罪悪感、残されたものの孤独感。
「この列車は楽園ゆき」:リアル中二病少女とそれを危惧する少年。頭にそれぞれが浮かぶならそれはもう恋だと思う。
「15年目の遠回り」:妹が15秒で決着をつけ、 -
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話がさくさく進むのでとても読みやすかった。ものすごく意外な展開もないけれど、ストレスもない王道のストーリーという感じ。そして登場人物のだれもがきちんと優しさを持っていてとてもいい。愛するということは、そのひとを自由にしてあげることなんだな、と思った。
ミミズクちゃんが自分自身をかわいそうだと思っていないところがとてもよかった。だからこそ、たくさんの人から憐れまれ自分をかわいそうだと思って閉じこもっていたクローディアスを、自由にしてあげることができたのかな〜と思ったり。
優しいお話でとてもよかった。電車でしくしく泣きながら帰りました。隣に座っていた人たちごめん。
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無料版購入済み
もっと好きになりたいんだけど
この本を選んだのは何となくタイトルから(よだかの星、みたいなイメージ)。
好きそうな素材なのにひらくと画が粗く感じミミズクの口調がどうにも好きになれなくて、中々入っていけなかった。
前にもお試しを見送って何度目かの挑戦。
月夜の目次・夜に続く樹のトンネル、夜の森と廃墟の館、部分部分では引きつけられる。
夜の王のインパクト、看板騎士の台詞に仕草、クロもいいキャラクターなのにーと思うも、私には1巻はほぼ話が進まないで終わった印象で気持ちとしては☆2.5。
良いとのレビューを見るので次は小説から試してみようと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ミミズクと夜の王」の姉妹作だった。
全てが占いに委ねられる国ヴィオンの貧民窟で暮らすエルザ。
彼女は国に災いをもたらす毒吐姫との占いにより、王女でありながら幼いころに下町に捨てられた少女だった。
毒舌を武器として育ったエルザは再び城に捕らわれ、またもや占いにより、隣国へ嫁がされることになるが。
聖剣の国レッドアークの異形の四肢をもつ王子との出会いが彼女にもたらすものとは。
占いの定めに振り回されるエルザが痛々しい。
自らを守るために周りに毒を撒き散らす様子も。
呪いによって四肢が動かない王子の凛とした様子、聖剣の騎士夫妻のさりげない優しさが染みる。
もう少しヴィオンの過去とか占いに凝り固ま