【感想・ネタバレ】大正箱娘 見習い記者と謎解き姫のレビュー

あらすじ

新米新聞記者の英田紺のもとに届いた一通の手紙。それは旧家の蔵で見つかった呪いの箱を始末してほしい、という依頼だった。呪いの解明のため紺が訪れた、神楽坂にある箱屋敷と呼ばれる館で、うららという名の美しくも不思議な少女は、そっと囁いた――。「うちに開けぬ箱もありませんし、閉じれぬ箱も、ありませぬ」謎と秘密と、語れぬ大切な思いが詰まった箱は、今、開かれる。

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舞台は大正
新聞記者の紺がとある家から渡された“箱”
その“箱”について“箱娘”うららに尋ねに行ったのがこの物語の始まり
様々な箱にまつわる事件をうららと紺が解決していく

一族のしがらみ、女性軽視の時代
何もかもが今と違い不自由に感じ、読みながら息が詰まる思いがする
私からしたら大正時代は遠い昔の時代に感じる
でも確かに存在し、実際に時代のしがらみに泣いた女性たちはたくさんいたんだろうなと思うとやるせない
不自由な中でも強かに生きる女性たちには頭が上がらない

うららの「開けなくてもいい箱はある」というセリフは全くその通り
知らなくて良い真実があるし、知りたくない真実もある
でもそれをうららは紺にどうする?決めていいよと伝えているのが印象的で優しさたけじゃないなって感じた

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2024年09月24日

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開けぬ箱も閉じれぬ箱もないと言う少女。新米記者の元に舞い込む謎。大正時代の女たちの物語。舞台が整い人物が揃い謎と秘密が開かれる。
実に好みの要素の詰まった作品でした。既視感も強いが時代が持つ女というものに焦点を合わせた点が面白い。

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2020年07月05日

Posted by ブクログ

 時間がなくて、積んでた本を読む。
 いや、正しくは感想を書いてなかっただけで、本当に積んでいたわけではない……        

 それはさておき。
 今日もう一回読んだので書こう。

 物語は、新聞記者見習いと箱娘のお話。
「箱娘……?」と、なりましたが、「箱娘」とはなんなのか、はこの巻だけでは語られていなくて、きっとこの先に語られる話。今はただ、箱にまつわる出来事をどうやこうやできる少女――くらいの認識でいいのだと思います。

 そして話は短編形式で、一冊の文庫本の中に4つくらいの話が入っています。
 すべてが女の話で、「生きてこそ」であって、「死んではいけない」のでした。

 何を言っているのかわからないかと思うのですが、読んだらわかる……はずだ……

 個人的に一番驚いたことは書かずにおいておく。
 けれど、主人公がそうだとは思いませんでした。
 新しいですね……(万感の思い)
 そして、好きです←

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2019年08月13日

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【収録作品】箱娘/今際女優/放蕩子爵/悪食警部 
 大正時代の一見自由ながら息苦しい空気感が伝わってくる。今も変わらないのかもしれない。

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2017年05月18日

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この作者さんの本読むの初。
CDで言えばジャケ買いです。表紙かわいい

『箱娘』『今際女優』
『放蕩子爵』『悪食警部』
の4編で構成された一冊。ライトノベルですね。
タイトル通り、大正が舞台です。

大正モノ結構好きなんですが、時代考証がびみょうかな……要素を「挟んでる」って感じで、時代背景を感じるようではなかったかな
描きたいものの周辺事情だけ拾ったみたいな?
具体的には、女性の立場は何度も描かれてるけど、家長制度はふんわり、といったような。

あと、こだわった表現で埋め尽くされてる感じが……普通の文の中にひとつ、ぽろっとあると輝くような表現が、ぞろぞろ出てきててぎらぎらしてるとでも言いますか……
あと句点が多い気がしましたが、読む勢いに乗ってしまえば気にならないかもしれません。

一番好きな話は『今際女優』ですね。
彼女は落語心中のみよきっちゃんを連想しました。

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2017年04月18日

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箱娘の存在、謎解き、キャラ、文体も含め作品全体が好み。箱や手紙に限らず、閉じた蓋を開けるのはちょっと怖い気持ちはわかる。資料としてあたったのが横溝正史だそうで納得。続編が楽しみ!

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2016年05月31日

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散文詩のような文体が心地良い。
箱入り娘ではなく箱娘。箱とは自由を奪うもの束縛するもの象徴なのかな。大正時代の女性の社会的な立場や因習に縛られた扱われ方を批判的に描いている。
上野千鶴子や笙野頼子の著作に近い雰囲気を感じるが、最も近いのは“大正野球娘。”じゃないかな。
“今際”は物語としてとても面白かったし“放蕩”では出来事よりも紺の人物像に肉付けすることが中心になっていてかなり面白かった。

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2016年04月27日

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ネタバレ

家を飛び出して、新米新聞記者として働く英田紺。
旧家の蔵で見つかった呪いの箱の処分を依頼された紺は、上司の紹介で神楽坂の箱屋敷に住む、うららと出逢う。
「箱と名のつくもので、うちに開けられぬものもありませんし、うちに閉じられぬ、ものもありませぬ」
けれどね、記者さん
「開けないほうが、よい箱もありますよ」

表紙とタイトルから、袴姿のお嬢が活躍するのかなと思っていたら、過去を抱えて家を飛び出した新米記者と、謎めいた箱娘が暴く怪しくて仄暗い人の闇のお話。
地方の旧家の呪いの箱
身分違いの男女の悲恋を描く舞台の台本の行方
姉の婚約者に文を贈っていた妹の真実
旧家の嫁からの再びの文
じっとりとまとわりつくような闇。
それぞれの事件がじりじりと紺の心の蓋を開いていくよう。
家長や因習に逆らえず、生きる女性たち。
彼女たちを救おうと奔走する紺、なんだけど、女性の立場が!とか、女性の幸せは?!とか声高に描くけれど、何気に男性が雑に扱われてる気が。
刃に触れて亡くなった彼も、死が舞台のヒットに繋がった彼も、こんな手紙を何通も受け取った彼も、最後の婿殿たちも、なんだかお気の毒。
続編があるそうなので、紺と家の確執とか、うららの秘密もだんだんと明らかになるのかな。

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2023年06月05日

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ラノベ感があったけど、表現や言葉の言い回しは好きかなーと思いつつ。
『箱』の定義が様々で、それも箱なのかーと思いつつ。
次回作に続くのかな。

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2021年06月15日

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新米記者は取材のために、旧家に出向き、箱を手に入れ
閉じるも開けるも自在の『箱娘』の所を訪れる。

連続短編集になっていますが、この時代
女性は生きにくいです。
閉じ込められているのか、閉じこもっているのか。
それは本人がどこで生きようとするかによって
変わってくる世界、だと思います。

外に出る事を選んだ主人公と、中にいることを選んだ娘。
そういえば、登場人物はほとんどが中を選んだ人ばかり。
そこから脱出したのは…妹さん、だけでしょうか?
これを脱出、というならば。
その話の主人公は、なんだかうっかり惚れそうなほどの
行動力でした…w

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2018年03月02日

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電撃文庫の『ミミズクと夜の王』を読んで雰囲気が好きだった紅玉さん。文体がやっぱり独特だなーと、改めて思った。詩的というか、文と文の間とか空気感がいい。

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2017年10月14日

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雰囲気はとても素敵。
この先紺がどう変わっていくのだろう、とは思うけれど、続きを買うかは出てから、かなぁ。

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2016年04月20日

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とてもとても好みの時と、そうでもないときがあるなぁ、とこの著者に対しては思っているのだけど、本作はそうでもない部類だった。次回作がこのシリーズなら、それはもう買わないかな…

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2016年04月16日

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女性たちが生きづらい時代の箱にまつわる短編集。ミステリーを謳っているけれど、ミステリー要素が少ない気もする。題材が面白いだけに話数がちょっとしかなく、読みごたえがなくて残念。2巻に続くみたいなので、期待も込めて星3つ。

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2016年04月15日

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ネタバレ

女が生き難かった大正時代が舞台の短編集。
新米新聞記者と箱娘とよばれる少女が、箱に詰まっている謎と秘密を開く・・・

箱、謎、秘密、そして女がテーマとなってる上に、時代が大正。女性にとっては辛いというか暗い話が多くて予想してたのとちょっと違ったかな(+o+)
短編集だけど、全体的には話がつながってる
まだ始めなので、箱娘とは何なのか先が気になります。

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2016年04月10日

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