あらすじ
新米新聞記者の英田紺のもとに届いた一通の手紙。それは旧家の蔵で見つかった呪いの箱を始末してほしい、という依頼だった。呪いの解明のため紺が訪れた、神楽坂にある箱屋敷と呼ばれる館で、うららという名の美しくも不思議な少女は、そっと囁いた――。「うちに開けぬ箱もありませんし、閉じれぬ箱も、ありませぬ」謎と秘密と、語れぬ大切な思いが詰まった箱は、今、開かれる。
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Posted by ブクログ
家を飛び出して、新米新聞記者として働く英田紺。
旧家の蔵で見つかった呪いの箱の処分を依頼された紺は、上司の紹介で神楽坂の箱屋敷に住む、うららと出逢う。
「箱と名のつくもので、うちに開けられぬものもありませんし、うちに閉じられぬ、ものもありませぬ」
けれどね、記者さん
「開けないほうが、よい箱もありますよ」
表紙とタイトルから、袴姿のお嬢が活躍するのかなと思っていたら、過去を抱えて家を飛び出した新米記者と、謎めいた箱娘が暴く怪しくて仄暗い人の闇のお話。
地方の旧家の呪いの箱
身分違いの男女の悲恋を描く舞台の台本の行方
姉の婚約者に文を贈っていた妹の真実
旧家の嫁からの再びの文
じっとりとまとわりつくような闇。
それぞれの事件がじりじりと紺の心の蓋を開いていくよう。
家長や因習に逆らえず、生きる女性たち。
彼女たちを救おうと奔走する紺、なんだけど、女性の立場が!とか、女性の幸せは?!とか声高に描くけれど、何気に男性が雑に扱われてる気が。
刃に触れて亡くなった彼も、死が舞台のヒットに繋がった彼も、こんな手紙を何通も受け取った彼も、最後の婿殿たちも、なんだかお気の毒。
続編があるそうなので、紺と家の確執とか、うららの秘密もだんだんと明らかになるのかな。