紅玉いづきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ最初は出会った少女と魔物の恋物語に帰結する物語なのだろうと思っていた。けれど、恋人とか主従とか親子とか、そんな一括りにはできないどこか危うく脆そうな関係性に映っていた彼らが、それぞれで出した答えには腑に落ちるような納得感があった。人はどんなにひとりになろうと思っても、やはり誰かの存在を求めてしまうもので、魔物もまた純粋すぎるほど思い入れになったものに真っ直ぐな存在として描かれているのかなと考えてしまった。タイトルにあるように母と子供を中心に据えた場面が多かったけれど、それだけではなく誰かの思いや心をまた他の誰かが継いでいくというような、継承の物語でもあったのかなと思った。
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不思議な印象のお話でした
例えるならば童話や御伽話のような
(子供向けにアレンジされていない方の話)
テツガクの様な。
とにかくもう一度初めから読みなおしたくなる -
Posted by ブクログ
以下ネタバレ含む注意。
「15秒のターン」
ああもう「別れよう」って思って、いや、思うしかなくて、身を引くみたいな自分をイメージして、でも、そんな決意が一瞬で変わってしまう出来事。
分かっていないことから、分かりたいことへの変化がスローモーションに詰め込まれていて、なんだかドキドキした。
「2Bの黒髪」
自分が考えていることを重ねながら、でも自分が満たせないものを満たしてくれる「主人公」。
浪人中の須和子がなんとなく描き続けているウェブ漫画は、彼女の一つの居場所だった。
けれど、家族は彼女の漫画を丸めてゴミ箱に捨ててしまう。
そうして彼女は「ハルカ」を終わらせて、須和子としての現実を全うする。
こんな、あらすじだけでは伝わらない、須和子の機微を、ぜひ文章に触れて味わって欲しい。
文章や漫画を書いていた人にとっては、分かるーって悶える人がいると思う。
自分で自分の世界に、区切りをつけてしまうことの、なんだか寂しいような気持ちが。
「この列車は楽園ゆき」
自分を大切にすることを、伝え続けてくれる存在って稀有なものだと思う。
友情なのか、恋愛なのか、分からなくて、曖昧で、でもずっと見放さないでいてくれる、高根くんみたいな存在が、もっとありふれたものであればいいのに。 -
Posted by ブクログ
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そっと心の中に物語世界が残り続ける、そんな、しっくりくるとしか云えないようなおはなしが、たまにある。
前作『ミミズク』からまとめて読んだのは、良かったのもあるし少し勿体無いことをしたかな、とも思った。それくらい心地良い、物語の、世界。
テーマ的にも前作を踏襲した部分はありつつ、けれど主人公である少年少女は、その生い立ちは別として前作よりも人間らしい繋がりかた、ぶつかりかたをしているので、よりそれが鮮明になってるのかもしれません。
あとがきに「ボーイミーツガールを書こう、と思いました」とあるとおり、とてもストレート。搦め手無しの御伽噺はさすがでした。
なんだか皆の成長が見られてとても愛おしかったのもあり。
☆4.2