紅玉いづきのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
メディアワークス文庫創刊15周年記念企画のアンソロジー第2弾です。本書に対して失礼かもですが、日頃の読書の箸休め(あ、漬物ではなく和物ですね、アンソロジーだけに…)感覚で選書し、するする読めました。
6名の作家が、「神様×本」のテーマに時々謎解きを加え書き下ろした短編集です。内容はいかにも日本人特有ですね。それは、神を否定しないけれども特定宗教を信仰しない「無宗教」からくるのかと…。何にすがるかは人それぞれね、だからこそ関心も楽しみも多岐で、許容範囲も広いんでしょう。
実際に関係する神様も、全知全能の神、キリスト教、日本の神様、本の神様、都合のいい人まで様々で、内容もコメディタッチでちょっと謎解きも含めたラノベ系です。「本」と「神様」だけに略して「本とカ」…え?ホントか!(はい、ドン引き) 私「本とコ」としては、他人事とは思えなかったんです笑。
かなり前に読んだ三上さん(ビブリア)、似鳥さん(栗丸堂)、浅葉さん(御用人)のシリーズの番外編?で、懐かしさを覚えました。
シリーズ未読の方も問題なしですね。各作家さんのシリーズ未読でも、本書をきっかけにシリーズ制覇もありかな、と思いました。 -
Posted by ブクログ
あぁ、なんだか瑞々しいなって思うような女の子たちの物語
たまに共感出来ない…と言うよりは価値観の理解できない女の子の物語もあったけれど…
そして若い頃は、こんなにキラキラした感情を持ち合わせていたっけ!?と思ったり笑
それぞれの女の子の、誰かへの感情や自分自身との自問自答
大人になっても悩みは尽きず、若い頃も若い頃で悩みに溢れて迷子になるよな〜とか不思議な感情にさせてくれる
どれも甘酸っぱく無い青春的な雰囲気で良いなって思った
私にも甘く酸っぱくほろ苦い時間もあったのだろうか…
今回の物語の中では『この列車は楽園ゆき』という作品が私の中ではとても心に残る作品であった
愛ではないけれど、それは愛であって
この、高校での出会いって自分を左右する分岐点でもあるよなって
何気ない繋がりが、離れ離れになってもひとつの愛として繋がってる
個人的には凄く凄く、良かったなって -
Posted by ブクログ
ネタバレおとぎ話のように優しくて、童心に帰ったような懐かしさを思い起こさせてくれる作品。そして夜の森の異様な静けさや魔物の妖かしにゾクリとさせられた。
魔物の王に自らを食べてもらいたい一心で、夜の森の奥深くへ一人入り込む人間の少女・ミミズク。その天真爛漫さに戸惑いつつも彼女のペースに巻き込まれる夜の王・フクロウ。
この不思議な関係の2人を取り囲む人間たちの反応は予想通りとても冷ややかで、異物を受け入れられず排除しようと躍起になる。人間たちの傲慢さや身勝手な正義にはうんざりする。
異文化を受け入れ互いに手を取り合う2人の未来には期待しかない。
この後に続く外伝で2人の未来が垣間見られ、幸せなシーンが想像できて嬉しかった。夜の森がこの先も守り人によって守られ続けられることに安心した。 -
Posted by ブクログ
先に読んだ本の巻末に載っていた広告を見て惹かれたものを2冊買ってみた。その内の一冊。
ある月の夜、ミミズクと名乗る、奴隷の身から逃げ出してきた少女が、魔物の棲む森にやって来たところから始まる物語。
登場する人や魔物はそれぞれ愛すべき姿で語られて、絵本の中が語られているような話の雰囲気も悪くない。
ただ、作者さんの頭の中の世界観はもっと広がっているのだろうが、物語の中では登場人物、とりわけミミズクの感情が極端に振れるところにちょっと唐突なところが感じられ、もう少し背景が語られていないと共鳴しにくいというか、なんかそんな感じ。
本編の後に「鳥籠巫女と聖剣の騎士」という外伝が併載されていて、お城側の人たちについては理解が進んだ。
帯に錚々たる作家さんの絶賛コメントが並んでいてハードルが上がっていたかもしれないが、ああまで書くほどではなかったように思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作より更にSF色が強くなった印象。登場人物の正体?も明かされていく。サトミさん、タンゴくんそんな秘密があったり、ワルツさんの弱点も晒される。
今が嫌で終末を期待する千鳥さんの気持ちも、わからないでもないし、自分もたまに考えてしまうこともあるけど若い人がそんな思いに囚われるのは悲しく感じる。
「生きることは働くことではないかね」
なりたい職業になれる人なんて殆どいない。
惰性と責任だけで働き、もう逃げることもほぼほぼできない現状の自分。後悔する余裕もないのだけども、
目指せるものがあり、障害があっても挑戦に向かう千鳥さんを少し羨ましくも思えるし応援したくもなる。
また本により、何か一時的にでも救われたりするのは年齢に関係なく同じなのだな。改めて再認識。 -
Posted by ブクログ
しっかり恋愛小説やった。
ミミズク読んでからだいぶ空いたので登場人物少し忘れてたけど、大事なとこやのでこれは前作読んですぐの方が楽しめるなと思った。
ミミズクとエルザは割と恵まれない幼少期が似てるはずやのにこうも性格が変わるのは何で何やろうなと思った。設定として毒吐きっていうのはあるけど、周りのエルザに対する環境が無意識のうちに恐れや不吉で卑しいものとして接されてたからなのかもしれない。卑屈になるわな。そしてその自信のなさがミミズクと会った時の絶望になるし、愛されるものと愛されないものみたいな考えになるんだよな…少しデュークのちょっとした悪意というか釘刺しもうううってなった。ミミズクやディアのが大切やったし分かるけどな。
途中誰かの特別になりたい…みたいな思いは人一倍あるけどそれも信じられないところが不憫ながらも分かるなと思って読んでた。でも最後はちゃんと明るい未来はある感じなのでほのぼの読めて良かった。
個人的には中学生くらいのときが一番刺さりそうな文体というか話の持っていき方やったな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ家を飛び出して、新米新聞記者として働く英田紺。
旧家の蔵で見つかった呪いの箱の処分を依頼された紺は、上司の紹介で神楽坂の箱屋敷に住む、うららと出逢う。
「箱と名のつくもので、うちに開けられぬものもありませんし、うちに閉じられぬ、ものもありませぬ」
けれどね、記者さん
「開けないほうが、よい箱もありますよ」
表紙とタイトルから、袴姿のお嬢が活躍するのかなと思っていたら、過去を抱えて家を飛び出した新米記者と、謎めいた箱娘が暴く怪しくて仄暗い人の闇のお話。
地方の旧家の呪いの箱
身分違いの男女の悲恋を描く舞台の台本の行方
姉の婚約者に文を贈っていた妹の真実
旧家の嫁からの再びの文
じっとりとまとわりつくような闇。
それぞれの事件がじりじりと紺の心の蓋を開いていくよう。
家長や因習に逆らえず、生きる女性たち。
彼女たちを救おうと奔走する紺、なんだけど、女性の立場が!とか、女性の幸せは?!とか声高に描くけれど、何気に男性が雑に扱われてる気が。
刃に触れて亡くなった彼も、死が舞台のヒットに繋がった彼も、こんな手紙を何通も受け取った彼も、最後の婿殿たちも、なんだかお気の毒。
続編があるそうなので、紺と家の確執とか、うららの秘密もだんだんと明らかになるのかな。