あらすじ
戦争(ピリオド)の影響と電子書籍の普及により、紙の本が貴重な文化財となった近未来。“特別保護司書官”のワルツさんが代表を務める、本を無料で貸し出すサエズリ図書館を舞台に、本を愛し本に導かれた人々の物語が始まる――。就職活動に全敗し、希望していた専門職の試験も体調不良で棄権してしまったチドリさん。自信を失った彼女は、鮮やかな職人技を持つ老図書修復家に魅せられた後、サエズリ図書館で彼と再会するが……。図書修復家達が再出発する中編、ワルツさんと電子図書館司書との対立を描く短編や、書き下ろしをほかを収めた、シリーズ第2弾!/【目次】第一話 サエズリ図書館のチドリさん/第二話 サエズリ図書館のチドリさん2/第三話 サエズリ図書館のチドリさん3/第四話 サエズリ図書館のサトミさん/第五話 電子図書館のヒビキさん/第六話 サエズリ図書館のタンゴくん/単行本版あとがき/文庫版あとがき 愛には愛を、本には本を
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Posted by ブクログ
タンゴくんが切ない。
今回はワルツさんの生きている時代の厳しさや、本を所蔵していることの弊害など、なかなかあり得そうな未来に考えさせられつつ、とにかくタンゴくんの気持ちに胸が痛みます。
Posted by ブクログ
前作より更にSF色が強くなった印象。登場人物の正体?も明かされていく。サトミさん、タンゴくんそんな秘密があったり、ワルツさんの弱点も晒される。
今が嫌で終末を期待する千鳥さんの気持ちも、わからないでもないし、自分もたまに考えてしまうこともあるけど若い人がそんな思いに囚われるのは悲しく感じる。
「生きることは働くことではないかね」
なりたい職業になれる人なんて殆どいない。
惰性と責任だけで働き、もう逃げることもほぼほぼできない現状の自分。後悔する余裕もないのだけども、
目指せるものがあり、障害があっても挑戦に向かう千鳥さんを少し羨ましくも思えるし応援したくもなる。
また本により、何か一時的にでも救われたりするのは年齢に関係なく同じなのだな。改めて再認識。