あらすじ
世界情勢の変化と電子書籍の普及により、紙の本が貴重な文化財となった近未来。そんな時代に、本を利用者に無料で貸し出す私立図書館があった。“特別保護司書官”のワルツさんが代表を務める、さえずり町のサエズリ図書館。今日もまた、本に特別な想いを抱く人々がサエズリ図書館を訪れる――。本と無縁の生活を送っていた会社員、娘との距離を感じる図書館常連の小学校教師、本を愛した祖父との思い出に縛られる青年など、彼らがワルツさんと交流し、本を手にした時に訪れる奇跡とは。書籍初収録短編を含む、伝説のシリーズ第1弾、待望の文庫化。/【目次】第一話 サエズリ図書館のカミオさん/第二話 サエズリ図書館のコトウさん/第三話 サエズリ図書館のモリヤさん/第四話 サエズリ図書館のワルツさん/番外編 ナイト・ライブラリ・ナイト/真夜中の図書館のこどもたち/単行本版あとがき/文庫版あとがき それでもこの手に本を抱いて
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本はこれからの時代、電子機器が増え、紙が貴重になっている設定のお話。
この本にあるとおり、いずれそゆ時代が来て、電子機器が当たり前になると思う。それについて、この本を読む前と後で変わったものは、その時代に''怖さ''を感じたこと。今の時代はまだ紙に触れること、紙で本を読むことは当たり前だからこそ、日常生活に紙がないというのは不安だと。
ただ、それと同時に、ちゃんと未来に進まなければとも思った。紙のない時代が来るのはもうわかっていること。であれば、私たちが今ある時代に、紙の本の大切さ、紙の感触、匂い、それがどう大切であるのか、それを伝え、何かを残すことをし、進むことも大事だと思った。
Posted by ブクログ
よくあるビブリオミステリかと思いきや近未来SFライブラリアンの話でした。電子書籍の台頭は止められないけれど子どもに紙の本を触れさせたいってのはわかるなぁ。文庫化は最近ですがお話自体は10年も前に書かれたものだそう。素敵な表紙に惹かれて手に取りましたが知れてよかったです。地の文で大人は名前にさん付けだったのは何か意味があるのかな?読みはじめは少し違和感がありました。
Posted by ブクログ
紙の本が希少となった世界で本に初めて触れる登場人物達。
自分も電子書籍より紙の本が好きな為、近未来的なフィクションでありながらもイメージし易い展開で、ジワジワと面白い物語でした。