あらすじ
紅玉いづきデビュー15周年記念・3ヶ月連続刊行【第3弾】
そこにはきっと、あなたを救う「ターン」がある。
「梶くんとは別れようと思う」学園祭の真っ最中、別れを告げようとしている橘ほたると、呼び出された梶くん。彼女と彼の視点が交差する恋の最後の15秒(「15秒のターン」)。
ソシャゲという名の虚無にお金も時間も全てを投じた、チョコとあめめ。1LDKアパートで築いた女二人の確かな絆(「戦場にも朝が来る」)。
大切なものを諦めて手放しそうになる時、自分史上最高の「ターン」を決める彼女達の鮮烈で切実な3編と、書き下ろし「この列車は楽園ゆき」「15年目の遠回り」2編収録。
感情タグBEST3
じんわり・・・。
じーんと来ました。
お気に入りは、「戦場にも朝が来る」と「この列車は楽園ゆき」です。
「戦場にも朝が来る」は、ゲームに熱中するタイプなのでとても共感してしまいました。一つのアカウントを共有して進める楽しさも!はたから見てバカバカしくてもとても楽しくて、やめなきゃと思ったら、ちょっと泣けちゃいますね(TT)
「この列車は楽園ゆき」にも泣けました!きっと茜子さんにとって高根くんは、恋人としてではないけど一番大事な人なんだなと思いました。
心揺さぶる
最初から最後まで心揺さぶられます。表題作も好きですが、個人的にはなかの涙もろい男の子と、自己評価の低い女の子の話が好きです。作者様の言葉が綺麗で大好きで、ずっと読んでます。応援してます。
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『戦場にも朝が来る』が一番好き。たかがソシャゲのランキングイベントで一位を取る、そのために課金する、っていう、傍から見たら馬鹿丸出しの話。作中ですら、世界で一番空虚で馬鹿な戦争と表されていて、その気持ちはよくよく理解できるのだけれど、チョコの『せっかく、あなたが一番をくれたのに』の一言でやられてしまった。例え部外者から見てしょうもない、些細なことだったとしても、そこに意味が在ってしまうのが人々の感情だし、文学だよなと、なんか負けた気分になった。最後まで息が苦しくなるような、いい一本だった。
Posted by ブクログ
ランキングボーナスのために走っていたソシャカスだったことがあるので、あまりにも胸に痛かった。ランキングが近い人間の生活を把握し始めるんだよね、本当に。虚無でもいい、誰かとつながっていたい、その道具としてのソシャゲがリアルだった。
Posted by ブクログ
全部一気に読んで、オマケのwebのも読んで、読み終わった瞬間、ああ紅玉さんだ、と思った。
どの話も胸がギュッとする瞬間があって、じんわり涙が出た。
この列車は楽園ゆき、が一番沁み込む話だったなと思う。大事にしなよと言われ続けて、よかったなと思った。
ミミズクが出た当初に買って読んで救われて、それ以来で一番鮮烈に感じる話だったなと思った。今の自分の環境を重ねただけというのはあるけれど。
Posted by ブクログ
少女たちの恋や恋に似たまた別の感情を切り取り、その時代にしか感じ取れない感情をつぶさに見せてくれる小説集。全5作が描かれ、『この列車は楽園ゆき』『15年目の遠回り』は書き下ろしという、紅玉ファンには嬉しい仕様。
瑞々しさがいっぱいでこうやって全力で自分の気持ちと向き合うことってとても貴重で、大人になると心が鈍化していき、感受性はすり減るものだから、こうした作品を通じて、過去の自分の気持ちにアクセスするしかなくなる。
大人になるって、失い続けることだ。
Posted by ブクログ
短編集とは思えない程、密度の濃い作品でした。それぞれが悩み苦しみながらも一歩踏み出すというラストに胸がギュッとなりました。日常の中で忘れていた大切な何かを思い出させてくれるようで、キラキラと輝く青春って素敵だなぁと思いました。
Posted by ブクログ
紅玉いづきさんの「15秒のターン」、これはフアンタジーじゃなくて現代が舞台の短編集なのだけれど、なんというか私たちが普段なんとも思わないような気持ちや感覚や思い出を掬って大事に物語にしていると思った。
1番好きなのは「戦場にも朝が来る」っていう女の子同士の絆のお話でした。
Posted by ブクログ
「この列車は楽園ゆき」でボロ泣きしてしまった。紅玉さんの書く、恋とか愛がとても素敵で好きだなぁと改めて思った。
どの話もそれぞれ楽しかった。
今後も描かれる紅玉さんの本が楽しみである
Posted by ブクログ
色々な短編集。
恋愛、浪人中に描く漫画、スマホ換金ゲーム
昔の『友人』との約束、シスコン。
最後の方にあったのですが、書いた時期が
なかなかでした。
違和感なく読めたのは、携帯やらスマホやらが
出てこなかったから、でしょうか??
スマホの課金、恐ろしい…w
Posted by ブクログ
あぁ、なんだか瑞々しいなって思うような女の子たちの物語
たまに共感出来ない…と言うよりは価値観の理解できない女の子の物語もあったけれど…
そして若い頃は、こんなにキラキラした感情を持ち合わせていたっけ!?と思ったり笑
それぞれの女の子の、誰かへの感情や自分自身との自問自答
大人になっても悩みは尽きず、若い頃も若い頃で悩みに溢れて迷子になるよな〜とか不思議な感情にさせてくれる
どれも甘酸っぱく無い青春的な雰囲気で良いなって思った
私にも甘く酸っぱくほろ苦い時間もあったのだろうか…
今回の物語の中では『この列車は楽園ゆき』という作品が私の中ではとても心に残る作品であった
愛ではないけれど、それは愛であって
この、高校での出会いって自分を左右する分岐点でもあるよなって
何気ない繋がりが、離れ離れになってもひとつの愛として繋がってる
個人的には凄く凄く、良かったなって
Posted by ブクログ
紅玉いづきさんの全5話構成の少女+αの短編集。
「15秒のターン」:前後半15秒の高校生カップルの心の機微。悩んで迷って、踏ん切りつけて次に進む。感情の疾走感が心地良かった。
「2Bの黒髪」:浪人生そのものを見事にまとめた話。やりたくないけどやらなきゃ、でも息抜きしなきゃ頑張れない。それが人からしたらはなんの価値がなくてもそれで自分は救われる。
「戦場にも朝は来る」:共依存、1人が覚めれば一人きり。覚めた方の罪悪感、残されたものの孤独感。
「この列車は楽園ゆき」:リアル中二病少女とそれを危惧する少年。頭にそれぞれが浮かぶならそれはもう恋だと思う。
「15年目の遠回り」:妹が15秒で決着をつけ、姉は15年という月日をかける時間差の対比。気づくのにかかった時間が人によってこんなに違う。
紅玉いづきさんが書く少女たちに共感して涙していた私。今ではリアル中二病が多いと感じてしまう程度に年をとった。それが良いことなのか悪いことかは分からないが、読み終わった後のあの純粋な気持ちがなくなったのは寂しいと感じる。
Posted by ブクログ
やはり現代ものよりファンタジーで良さが際立つ作家だなあと思ってしまったな。
純粋で、ゆえに苛烈。みたいな。現代では少し現実味を欠くように感じてしまう。
久々に紅玉いづきの文章に触れられて嬉しかったけれども。
あと角川はまじで校閲校正ちゃんとしてくれ。好きな作家だから買うけど最近角川ってだけて誤字脱字諸々警戒してちょっと買う気萎えるくらいだから。