シリーズ14作目にもなると、安定の物語運びなのだけど、登場人物の成長や変化が見られてホッとする。性同一性障害の孫(体は男性、心は女性)を認められず、距離を置いていた祖父が食堂のおばちゃんたちのおかげで孫との関係を修復、今では孫の良き理解者となっていて、この2人の関係性がとても温かい。心配ばかりかけて、と詫びる孫に「心配できる相手がこの世にいるのは幸せなことだ」と応じる。
物語の中では他にも、一緒に泣いたり怒ったり、励まし合いながら生きている関係が幾つも登場する。刺激的な作品ではないかもしれないけれど、魅力的。