大石圭のレビュー一覧

  • 地獄行きでもかまわない

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    たった一つの嘘が、主人公の人生を虚飾と血に塗れた地獄に向かう道へと変えてしまう。創作と知りながらも、現実に有り得そうなストーリーにドキドキしながら読み終えた。

    主人公の南里遼太郎は合コンで知り合った夕紀に一目惚れし、彼女を手に入れるために自分が覆面作家の野々村ケンと嘘をつくが…

    最近の大石圭の作品とは異なり、珍しくサスペンス色の濃い作品だった。しかし、エピローグで明かされる覆面作家・野々村ケンの背徳と邪婬に塗れた過去は、いつもの大石圭に戻り、蛇足のような気がした。

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    2016年01月12日
  • 蜘蛛と蝶

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    出会い系サイトで知り合った若い男(実は結婚詐欺師)にひかれていく三十路女の話で、ラストも思ったような展開で終わる。
    なのに、心が揺すぶられた。
    しょうもない男だとわかっていても、好きになる時ってこういうもんだよ。
    この後の瑠璃子と航平が上手くいかないとしても、この決断が間違っていたとは思いたくない。
    結婚式での瑠璃子の腹の括り方に拍手 でした。

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    2015年10月18日
  • 殺意の水音

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    久しぶりにエロスよりもホラー色の強い大石圭の作品を読んだ。文庫書き下ろし。しかし、自分の勘違いかも知れないが、ストーリーは以前に読んだ事があるように感じた。

    主人公の香取純一が空港近くのホテルで残虐な無差別殺人を繰り返す一夜が描かれる。そして、惨劇の進行とともに純一が無差別殺人を引き起こすに至る理由と過去、心理が少しずつ明かされていく。

    ストーリーは至って単純なので、読みどころは主人公の過去と少しずつ壊れていく心理描写だろう。

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    2015年08月29日
  • きれいなほうと呼ばれたい

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    ネタバレ

    女性なら誰もが追求するもの。それは美なのかもしれない。美に囚われ、どんどんと破滅へと向かうシーンはとても怖かった。美貌を手に入れても必ずしも、幸せになるとは限らないという事だろう。グロテスクなシーンは皆無だが、歪んだ愛や大石圭らしさは健在の作品であった。

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    2015年06月22日
  • きれいなほうと呼ばれたい

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    久しぶりに大石圭らしいエロティック・サスペンス。

    美容整形外科医の榊原優一が見付けたダイヤの原石…星野鈴音は榊原優一の手により全身の美容整形手術を受け、女神のような美貌とスタイルを手に入れるのだが…

    倒錯と官能と異常な愛情、喜びと哀しみの世界が展開される。

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    2015年06月07日
  • 60秒の煉獄

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    60秒間だけ時間を止められるなら、というお題で11編。一気読みでした。それぞれのお話しよりも『自分だったら、どうする?』と考えてしまう自分が怖い。

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    2014年11月10日
  • 邪な囁き

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    ネタバレ

    読みながら自分の中の「邪な囁き」を何度も考えていた。
    昔、駅のホームで電車を待っている時、液体を積んだタンンクのみの重厚な列車が轟音で通り過ぎるのを眺めながら、ホームから一歩踏み出せばそこには明確な死が待っており、生と死がとても身近にあるものだと一種の恍惚感のようなものをよく感じていたものである。その感情は他人に向けたものではなかったが。
    あとがきにもあるように、子供の風船を割って回るような小さなものであれ、他人の不幸を喜ぶような邪な気持ちを持っている事は自分自身否定できない。それが実際に行動に移され表に出てくることは非常に稀であるが。
    あの感情はなんだろうかと本を読みながら考えていたが、一種

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    2014年07月13日
  • 女奴隷は夢を見ない

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    なんか、ありそうで怖い・・・。
    あと、奴隷になっても誇りを失わず第二の人生をかけた樹里や春菜が・・・奴に売られるあたりエグい・・・。
    自分の今いる世界に小さな不満があっても、超幸せじゃんと
    考えさせてくれる一冊。。

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    2014年07月06日
  • 甘い監獄

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     いろいろな夫婦を題材にした短編集。
     っても大石圭なので、一筋縄ではいきませんが。

     ともあれ、夫婦は互いを映す鏡っていうが、どの夫婦もその相手じゃなかったらもうちょっと違った人生だったかもと思うのである。いや、そのパートナーであったとしても、そこにあるぬかるみに足をつっこみさえしなければ「物語」にはならないかもしれないが、平穏な幸せが続いていたのだろう。
     そういうこともひっくつるめて、<相性>というのだろう。
     つか、ひっくるめられてしまう<相性>が、ものすごく恐ろしい。

     「愛されすぎた夫」が一番やばいと思った。
     いわば、共依存の夫婦の話なのだが、それを第三者をして語っている主人

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    2014年05月06日
  • 殺さずに済ませたい

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     天才人形師の青年、実は…。

     毎度の大石圭氏ですww
     このステレオが快感っていうのが、不思議です。

     で、今回も主人公に幼児期のトラウマがあるのかと思ったら…。
     とはいえ、普通に育ったわけじゃなし、お姉さんの状況が、淡々と説明しているだけに、かえって哀れなのである。
     
     タイトル通りなんとか自分で自分の状況を変えようとしたのだけど、そのベクトルがそもそも間違ってるというのはデフォか。
     結局のところ、方向性を間違えると何であれダメなんだろうな。
     主人公はなんかカタルシスを得たっぽいけど、読んでるほうはガクブルでした。
     この先を考えてくないやww

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    2014年04月28日
  • 甘い監獄

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    夫婦をテーマにしたエロティック・ホラー短編集。『いじめたくなる女』『愛されすぎた夫』『妻への疑念』『他人の妻、他人の夫』の四編を収録。最近の大石圭は、ホラー小説作家というよりも、官能小説作家の要素が強くなって来た。

    『いじめたくなる女』は、そういう展開かと驚くような作品。怖い。

    『愛されすぎた夫』は、読後にじわじわと怖さが伝わって来る作品。

    『妻への疑念』は、ありがちな話から一転…

    『他人の妻、他人の夫』は、夫婦交換をテーマにしたエロティックな作品。ホラーの要素は無い。

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    2014年03月29日
  • 躾けられたい

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     女子大生が、オッサンにいいようにされてMになってしまう話。
     
     と、書くと身も蓋もないが、本当にそうなんだものww
     
     とはいえ、間に彼女の生い立ちをはさみこむことで、人の<業>はどこからくるのか、なにから発生するのか、みたいなことを考えさせれるから、さすがに大石圭なのである。
     が、最近ステレオ化が激しいのはいなめないですよ。やれやれ。

     結局、自我に乏しいうえに、その自覚がないものが、こういう罠に落ちてしまうんだろうな。
     欲と愛情は違うのに、求められていることでそれが愛だと思いこんでしまう。その精神の未熟さにつけこまれたのに、多分彼女は一生それがわからないままなのだろう。

     一

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    2014年02月27日
  • 殺さずに済ませたい

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    湘南という明るい光に満ちた土地を舞台に僕という一人称で、ゆっくりと優しい口調で語られる耽美的な世界。それが恐怖を少しづつ醸し出しているようだ。ストレートなホラーとは違い、読むにつれ、様々な光景が頭の中に浮かび、怖さと共に哀しさまでを感じた。

    主人公の人形作家・椿涼は連続快楽殺人鬼という裏の顔を持っていた。自分の欲望と人形製作の狭間で…最後に己れの正体を知る恐怖…

    抒情ホラーとでも言うべきか。

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    2013年09月11日
  • 地下牢の女王

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    ストーリーは、とある売れっ子作家とその熱烈なファンの物語‥
    所々に、作者の他の作品が出てくるんだけど、本編とは若干ストーリーが異っててなんだか得した気分に(^^)
    衝撃の結末まで目が離せませんでしたw

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    2013年09月03日
  • 苦い蜜

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    平凡で幸せに暮らす夫婦と娘の隣りに住む美貌の未亡人が三人の生活に執拗に介入して来る…そして、驚愕の事実が…

    官能とホラーが渾然一体になった作品。最近、大石圭さんの作品は低迷していたのだが、久々に面白かった。

    しかし、後味は非常に悪い。官能ホラー・イヤミスといった感じ。

    最近、話題の壇蜜にインスパイアされた作品だろうか。

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    2013年04月17日
  • 女が蝶に変わるとき

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     離婚後訪れたホテルで、彼女は新しい出会いをする。

     大石圭にしちゃ、エロ度は低いですww
     ま、ちょっとエグいけど。つか、○が苦手な人は、逃げた方がいいよ(表紙で危険を察してください)

     なんか、気負いがあるなって思ったら、デビュー2作目を書きなおしたそうな。
     …2作目にして、すでに作家としての方向性が決まってるというか、その後も軸がぶれないところが、すごいなと思うんですけど、大石氏。

     なぜ彼女は、そのホテルにいくことになったのか。そもそも、そのホテルの経営ってどうなってるのとか、つっこみどころは満載なんだけど、それを無理矢理ねじふせていくようなパワーがすごいです。
     つか、そのね

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    2013年03月28日
  • 女奴隷は夢を見ない

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    平等なんて幻想に過ぎない。

    平和とか、平等とか愛とかを私は日常で語りたい。
    語るために、色々な視点が見える小説は重宝している。そんな重っ苦しいこと抜きにしてもこの本は一気に読んでしまった。
    素晴らしく感動するシーンもなかった。ただ、そこにはなにもなかった。

    絶望、金、支配欲、性欲
    そんなものがありふれてる世界を許せないとは思うが、一方で仕方のないことだとも思った。
    ただもう少し売買される女性の視点をドロドロと書いたものを期待したので星四つにした。

    感情の起伏がない奴隷商人は個人的に好きだ

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    2013年03月08日
  • 水底(みなそこ)から君を呼ぶ

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    私は許さない(大)
    私は許さない(中)
    私は許さない(小)
    の帯に惹かれて購読。

    「わたし」と語る女性が誰なのか、中盤まで分からないままに引き込まれました。
    華やかな美女・美奈子の性格の悪さが物語を引き立てています。
    そりゃあ、同情できないわ。
    読後感は良いものではないけれど、「愛」の物語としては完結しているのかな。

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    2016年01月14日
  • あの夜にあったこと

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     なにはともあれ、帯見てびっくり。

     「甘い鞭、映画化決定」ですってよ。
     
     わ。よりにもよってあれか。すんごい悪い予感がひしひしするんですけどね。なんつ-か、大石氏の魅力ってある意味現実感のなさ、生活感の希薄さなんだと思うんだよね。が、邦画ってこれでもかって、リアリティとか生活感出すもんなぁ。
     …外国を舞台に移して、っていうならいいような気がするんだけどな。

     とはいえ、大石氏がメジャーになるのは嬉しいような、こそばゆいような…。
     
     私としては、ニッチなマニアックな作家のままでいてほしかったが、まぁそれじゃ、生活がたいへんだろうと思うしね。ふむ。


     で、本作。
     派遣で働いて

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    2012年12月25日
  • 殺人鬼を飼う女

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     大石圭らしい面白さがありました。最後まですらりと呼んでしまうことができました。
    終わり方も良かったです。

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    2012年11月16日