大石圭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読みながら自分の中の「邪な囁き」を何度も考えていた。
昔、駅のホームで電車を待っている時、液体を積んだタンンクのみの重厚な列車が轟音で通り過ぎるのを眺めながら、ホームから一歩踏み出せばそこには明確な死が待っており、生と死がとても身近にあるものだと一種の恍惚感のようなものをよく感じていたものである。その感情は他人に向けたものではなかったが。
あとがきにもあるように、子供の風船を割って回るような小さなものであれ、他人の不幸を喜ぶような邪な気持ちを持っている事は自分自身否定できない。それが実際に行動に移され表に出てくることは非常に稀であるが。
あの感情はなんだろうかと本を読みながら考えていたが、一種 -
Posted by ブクログ
いろいろな夫婦を題材にした短編集。
っても大石圭なので、一筋縄ではいきませんが。
ともあれ、夫婦は互いを映す鏡っていうが、どの夫婦もその相手じゃなかったらもうちょっと違った人生だったかもと思うのである。いや、そのパートナーであったとしても、そこにあるぬかるみに足をつっこみさえしなければ「物語」にはならないかもしれないが、平穏な幸せが続いていたのだろう。
そういうこともひっくつるめて、<相性>というのだろう。
つか、ひっくるめられてしまう<相性>が、ものすごく恐ろしい。
「愛されすぎた夫」が一番やばいと思った。
いわば、共依存の夫婦の話なのだが、それを第三者をして語っている主人 -
Posted by ブクログ
女子大生が、オッサンにいいようにされてMになってしまう話。
と、書くと身も蓋もないが、本当にそうなんだものww
とはいえ、間に彼女の生い立ちをはさみこむことで、人の<業>はどこからくるのか、なにから発生するのか、みたいなことを考えさせれるから、さすがに大石圭なのである。
が、最近ステレオ化が激しいのはいなめないですよ。やれやれ。
結局、自我に乏しいうえに、その自覚がないものが、こういう罠に落ちてしまうんだろうな。
欲と愛情は違うのに、求められていることでそれが愛だと思いこんでしまう。その精神の未熟さにつけこまれたのに、多分彼女は一生それがわからないままなのだろう。
一 -
Posted by ブクログ
離婚後訪れたホテルで、彼女は新しい出会いをする。
大石圭にしちゃ、エロ度は低いですww
ま、ちょっとエグいけど。つか、○が苦手な人は、逃げた方がいいよ(表紙で危険を察してください)
なんか、気負いがあるなって思ったら、デビュー2作目を書きなおしたそうな。
…2作目にして、すでに作家としての方向性が決まってるというか、その後も軸がぶれないところが、すごいなと思うんですけど、大石氏。
なぜ彼女は、そのホテルにいくことになったのか。そもそも、そのホテルの経営ってどうなってるのとか、つっこみどころは満載なんだけど、それを無理矢理ねじふせていくようなパワーがすごいです。
つか、そのね -
Posted by ブクログ
なにはともあれ、帯見てびっくり。
「甘い鞭、映画化決定」ですってよ。
わ。よりにもよってあれか。すんごい悪い予感がひしひしするんですけどね。なんつ-か、大石氏の魅力ってある意味現実感のなさ、生活感の希薄さなんだと思うんだよね。が、邦画ってこれでもかって、リアリティとか生活感出すもんなぁ。
…外国を舞台に移して、っていうならいいような気がするんだけどな。
とはいえ、大石氏がメジャーになるのは嬉しいような、こそばゆいような…。
私としては、ニッチなマニアックな作家のままでいてほしかったが、まぁそれじゃ、生活がたいへんだろうと思うしね。ふむ。
で、本作。
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