大石圭のレビュー一覧

  • 60秒の煉獄

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     ある日、一度だけ60秒間時間を止めることができる力を、与えられた者の見た世界。

     短編集で、様々な60秒が語られていく。
     タイトルの「煉獄」が効いてます。
     力を得たゆえに、その力を持っていると自覚してるだけなのに、それまでの幸せが崩れて行く者。自分の邪悪な欲にあらがえなくなる者。

     人を超えた力に先にあるのは、人がいかない場所でしかないのかもしれない。

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    2010年11月28日
  • 死人(しびと)を恋(こ)う

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     2010年7冊目。
     309頁。

     友人にもらった。
     基本は主人公、その他登場人物の1人称。
     後半時々、3人称。

     屍姦の快楽に取りつかれてしまった、青年の話。


     作者の同級生の女の子が亡くなった際、葬儀で見た彼女の姿に感じた美しさ、作者曰く“死人の魔力”が、本書の内容に大きく影響を及ぼしているであろうことは、疑いない。

     よって内容は、主人公がひたすら屍姦を繰り返していくというものである。

     2名を除き(恐らく)、相手はインターネットを通じて知り合った自殺志願者である。

     自ら死を望む人間を殺しているわけではあるが、それ自体悪であると思うし、何より主人公は自分自身の欲求を

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    2010年11月17日
  • 檻の中の少女

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    ホラー要素は最後にチョロっとしかなかった。

    画家33歳の11歳の異常な関係の日々が綴られており
    後半は扇情的な場面が多くなる。

    中盤で二人の関係が明らかになり、事態は急展開して面白かった。
    最後は破滅に向かうのだろうか?と思ったがちょっと
    個人的に希望通りのエンディングを迎えたのでスッキリした。

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    2010年10月03日
  • 60秒の煉獄

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    たった一度それも一分間だけ、時間を止められたら。自分は何をするだろう。想像力が足りない。良いこと?悪いこと?どちら向きでも、原動力は欲望かな。その力を授けるお姉さんの役の方が、楽しくて哀しいかもしれない。

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    2010年09月30日
  • 履き忘れたもう片方の靴

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    あらゆる感情を淡々と語ることに徹した作品。舞台の中で繰り広げられている光景は奇怪で恐ろしい物なのだが、当たり前のように著述された文章に恐怖や悲哀といった感覚を麻痺させられる。登場人物の会話文を鍵括弧を使用しないで綴ることも、この作品から”人間味”や”暖かさ”を殺ぐ効果を持っている。
    主人公の視点で描かれているものの、彼の内面を覗かせる文章は殆ど無い。それは、単なる執筆上の手法ではなく、彼が内面を持っていないために必然としてそうなったものなのであろう。彼は自身を見失っていて、また、物語が進むにつれて完全に自身を失っていく。それも淡々と。

    痛みも悲しみも恐怖も欲も暖かさも冷たさも。あらゆる人間と

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    2010年09月12日
  • 処刑列車

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    最初はおおっ!

    誰が犯人かが分からない、殺戮の真意がわからない、この展開は?
    どきどきはらはらで前半を終わり、さ、つぎはつぎは?と思った後半‥


    えー?
    犯人、そこ?
    しかもその理由、それ?

    一気に説得力を失い失速するストーリー。
    期待がでかかった故に、ガッカリ度もアップ。


    ‥だから、大石圭は読まないって誓ったのに。

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    2010年08月22日
  • 殺人勤務医

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    イケメンで地位も金もある男が正義のための天誅を
    悪いやつに与える一見、読んだらスッとしそうな話ですが・・。

    サイコサスペンスって感じかな。
    大石さんらしい話です。
    少し湘南人肉医と似てる気もするけど。

    グロい描写もあるので苦手な方にはオススメしません。

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    2010年07月30日
  • 1303号室

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    怖かったけどいまいち。

    そこまではらはらしなかった。

    映画とか映像化したら面白そうだけど。

    これに出てくる死者の娘のほうと被害者?の姉の性格を足して2で割ったら自分みたいだなーと思った。

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    2010年07月29日
  • 60秒の煉獄

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    自分の好きなときに一度だけ、世界の時間を60秒間とめることが出来る。
    そのときに人間のすることは・・・・・
    連続短編集です。うーん。じれったかった。
    毎回同じような状況説明がね、飽きた。
    あまりメリハリもなくて・・・・うーん。
    あとがきが一番衝撃的だったよ(笑)

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    2010年07月15日
  • 水底(みなそこ)から君を呼ぶ

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    人の悪意ってこんなにも強いものなのか。そのことに驚いた。
    自分の欲しいものを持っている。
    自分と違う。
    そんなことはいくらでもあることなのに、「悪意」を持たれる原因となってしまう。
    とにかく怖く、悲しかった。

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    2010年06月12日
  • 子犬のように、君を飼う

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    ある意味「純愛」なんだろうけど、なんか、こう、欲求不満が残る感じがする。それは多分、主人公の小説家に偽善っぽいというか甘ちゃん風というかとにかくそういうイラつくものを感じるせいなのかも。それでそういう風に感じてしまうのは、自分がある程度歳を取ってしまったせいなのかも。そして多分、これが日本人が主人公じゃなきゃまだ夢をみれたかも、という気もするからなのかも。

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    2010年05月03日
  • 殺人勤務医

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    中絶と殺人の差について、確かに考えさせられました。これも割りと好きです。しかし主人公が、またいい感じに病んでます。善人だけどやっぱり腹の中に煮え切らないなにかがあるみたいな。笑。でも相変わらずラストが微妙でした。

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    2011年12月10日
  • 人間処刑台

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    アンダーグラウンドの世界で戦う格闘家の話。
    もっとドロドロしてる話かと思ってたので意外でした。
    DVを受けてたお姉さんの話がどうなるんだろうと
    読んでたんだけどそういう結末か~とちょっと残念。
    処刑と言うからには成敗の方向かと勝手に思い込んでました。
    まぁラストも予想通りな感じだったので★3つで。

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    2010年04月14日
  • 檻の中の少女

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    ■0828.
    <読破期間>
    H20/3/31~H20/4/2

    <本の内容>
    孤独な画家の「僕」は、モデルの美しい少女と、心を通わせていく。
    ある日、画商の提案で、少女のヌードを描くことになる。
    その裸体の美しさに衝撃を受けた僕は、辛うじて欲望を抑える。
    だが、少女が母親の激しい暴力を受けた夜、二人はついに一線を越えてしまう。
    僕は少女との愛欲に溺れながら、絵を描き続ける。
    その関係が大きな悲劇を招くとも知らずに…。

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    2010年04月09日
  • 女奴隷は夢を見ない

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    女の子があるとき家族に売られてしまう。幸せな生活からガラッと環境が変わり、市場にセリに出されてしまうのである。

    主人公の男性は女性たちの管理をしている会社に勤めている。

    すごい内容の本を読んでしまっているなと思ったけどコナユキという目の見えない猫とセリにかけられる目の見えない女の子に対する主人公の思いが切なくて綺麗だった。

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    2011年09月04日
  • 女奴隷は夢を見ない

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    彼氏が持っていたのを借りた。実際に奴隷というのは存在するのだそうで。どうしたって女奴隷=性欲処理ということになってしまうのかな。エロチックな描写が多くて引き込まれない訳ではなかったけれど、同性としては人格を無視して蔑まれたり痛めつけられたりする描写には抵抗があった。

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    2010年02月14日
  • 殺人勤務医

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    中絶の専門医の古河という男は、周囲からは柔らかい物腰と甘いマスクで信頼を寄せていました。ですが、本当の姿は精神が大きく歪んだ殺人鬼なのです。この話を読んで、殺人を犯す=悪いことだけで済ませるのではなくその人の生い立ちや精神状況を思うことを知りました。

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    2010年01月29日
  • 湘南人肉医

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    湘南で整形外科医として働く小島田優児はある日、自分が手術で吸引した女性の肉を自宅に持ち帰り食べてしまう。それから人の肉を食べることでしかエクスタシーを感じることができず、次々と人を殺してはその肉を食べてしまうという通常では考えられない日常を過ごす。この本の中で「胎児の肉は柔らかくてうまい」という文章を読んで思わず鳥肌が立ちました。人間が人間を食べるということは一般的ではないですが実際起こっていることなので、人の肉を食べている人の気持ちを考えさせられました。エクスタシーの頂点は人それぞれ違うことが改めてわかりました。

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    2010年01月29日
  • 女奴隷は夢を見ない

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    比較的新しい文庫だったので購入した。『1303号室 』の鬼気迫る怖さには遠く及ばない。人生の不条理をお話のテーマにしたというのはわかるが、この日本で女奴隷とはあまりにも突飛で話しが飛躍しすぎ。

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    2015年06月23日
  • 呪怨 黒い少女

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    この作品はDVDで見て本でも読みたくなり、読んでみました。ある一家の惨殺事件がこんなにも悲しいことだったなんてびっくりしました。

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    2010年01月20日