大石圭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2010年7冊目。
309頁。
友人にもらった。
基本は主人公、その他登場人物の1人称。
後半時々、3人称。
屍姦の快楽に取りつかれてしまった、青年の話。
作者の同級生の女の子が亡くなった際、葬儀で見た彼女の姿に感じた美しさ、作者曰く“死人の魔力”が、本書の内容に大きく影響を及ぼしているであろうことは、疑いない。
よって内容は、主人公がひたすら屍姦を繰り返していくというものである。
2名を除き(恐らく)、相手はインターネットを通じて知り合った自殺志願者である。
自ら死を望む人間を殺しているわけではあるが、それ自体悪であると思うし、何より主人公は自分自身の欲求を -
Posted by ブクログ
あらゆる感情を淡々と語ることに徹した作品。舞台の中で繰り広げられている光景は奇怪で恐ろしい物なのだが、当たり前のように著述された文章に恐怖や悲哀といった感覚を麻痺させられる。登場人物の会話文を鍵括弧を使用しないで綴ることも、この作品から”人間味”や”暖かさ”を殺ぐ効果を持っている。
主人公の視点で描かれているものの、彼の内面を覗かせる文章は殆ど無い。それは、単なる執筆上の手法ではなく、彼が内面を持っていないために必然としてそうなったものなのであろう。彼は自身を見失っていて、また、物語が進むにつれて完全に自身を失っていく。それも淡々と。
痛みも悲しみも恐怖も欲も暖かさも冷たさも。あらゆる人間と
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