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Posted by ブクログ
ビストロを経営するギャルソンの主人公。彼女は、幼少期に虐待を受け、多重人格になっていた。
美味しいものを美味しいそうに感じるように描けるのは、才能だと思う。
絵にしろ小説にしろ、決して味覚として認知できないものを、「美味しそう」だと感じさせることができるってすごいことだ。
ワインに魅せられている主人公が味わうワインの数々。美味しいワインを呑んだ幸福を、文章を通して確かに共感することができる。
幼少期の虐待や、いまだに続いてる母の困った現状など、彼女のワインへの傾倒も、多重人格も、逃避の結果なのだろう。が、大石氏は、それに安直な結末を用意しない。いや、読みようによれば、安易だととれる結末だろう。
が、そこに<答え>はない。
空虚があるだけだ。
自分に好意をよせていた男の態度が冷たくなったさいに、美味しいと感じていたワインが美味しくなくなった、と感じるシーンがある。
結局はそういうことなのだろう。
美味にしろ何にしろ、最終的には感じる自身にそのキャパがなければわからないものなのだ。
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