あらすじ
京子はビストロを経営する美しきギャルソン。だが幼いころ義父から性的虐待を受けた彼女の中には、レズビアンでサディストのナオミや、淫乱で奔放なユカリなど、様々な人格が潜んでいた。さらに京子の周りでは、昔の恋人をはじめ何人もが謎の死をとげていた。(彼らを殺したのはもしかして──わたしも知らない、もう1人のわたし!?)そして再び京子に愛する男が現れたとき、彼女の内の“わたし”が蠢き出す……! 著者渾身のエロティック・ホラー!
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Posted by ブクログ
ビストロを経営するギャルソンの主人公。彼女は、幼少期に虐待を受け、多重人格になっていた。
美味しいものを美味しいそうに感じるように描けるのは、才能だと思う。
絵にしろ小説にしろ、決して味覚として認知できないものを、「美味しそう」だと感じさせることができるってすごいことだ。
ワインに魅せられている主人公が味わうワインの数々。美味しいワインを呑んだ幸福を、文章を通して確かに共感することができる。
幼少期の虐待や、いまだに続いてる母の困った現状など、彼女のワインへの傾倒も、多重人格も、逃避の結果なのだろう。が、大石氏は、それに安直な結末を用意しない。いや、読みようによれば、安易だととれる結末だろう。
が、そこに<答え>はない。
空虚があるだけだ。
自分に好意をよせていた男の態度が冷たくなったさいに、美味しいと感じていたワインが美味しくなくなった、と感じるシーンがある。
結局はそういうことなのだろう。
美味にしろ何にしろ、最終的には感じる自身にそのキャパがなければわからないものなのだ。
Posted by ブクログ
良くも悪くもない。
スラスラ読めて、
ハッピーエンド??っていう終わり方で、
なんだか、納得いかなかった。
授業中読むのには、
もってこいだった。
いつ殺されるかわからない状況で
暮らしてたら、いくら覚悟してても
精神まいってきそうだけど。
Posted by ブクログ
決して主食にはならないけど、すごくヒマなときに読んじゃうのが大石作品。
多重人格のオチはまぁよくあるパターン。
ただ、最後の結末があまりにも雑で。
大石作品のてっぱん構成、スリムでスタイルがよく、美しい若い女性。
対するはナニしてんのかよくわからんけど金持ちのそこそこの男。
今回は職業が作家で、そこになにか伏線が??
なんて期待したのに完全な肩すかし。
まぁいいか、大石作品ですから。