あらすじ
(クリスマス・イヴに死のう)人里離れた山林に死に場所を求めた「僕」の前に、一台の車が現れた。やって来たのは、自殺サイトで知り合ったらしき男女6人――。彼らの最期(さいご)を陰から見届けた僕は、その中の一人の美少女に目を奪われた。彼女のあどけない死に顔が、僕の冥(くら)い欲望に火をつけた……。人間の深い業(ごう)を描き、戦慄の世界へと誘う衝撃の書!
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Posted by ブクログ
どストライクだった…
読んでからずっとこの小説が頭から離れない。
同じようなジャンル(ネクロフィリア系)を
探して読み漁りたい…
愛した人(死んでいるけど)が
だんだんと腐敗していく悲しさよ…
殺戮にいたる病も大好きなんだけど
私はこっちの方が純愛で好き。
主人公がいい。
紳士的で物腰もやわらかくて、
決して乱暴はしないし…
いや、人を殺してんだけど(笑)
満月の晩に、一緒に死にましょう。
素敵やん…
Posted by ブクログ
死体しか愛せない男の話。
大石圭ワールドです。
う〜ん、やっぱり好きだ〜大石圭!
でもさぁ・・・校正ってしないの?光文社さん。
誤字が気になっちゃったよ〜。
Posted by ブクログ
大石圭作品をひさしぶるに読んだわけなのだが、やっぱりこの人の作品はいい!
このなんともいえないかんじがたまらない。そして終わりかたはやっぱり、というかんじの終わり方。
オビの「自殺サイトには魔物がひそむ―」はぴったしだわ。
主人公がまぁ本作品の題名どうり死人しか愛せないという変人なわけなのだが、やはりここらへんの設定からして大石オーラでとる。章別にちゃんと目線を変えてるのも単純で理解しやすかった。まぁこの理解が必要だったかどうかはわからないが、、、、、。
本を読んでいる間はずっとゾクゾクしているのだが、読み終わった後のこのなんともいえない感覚がたまらない。(ここまでくると信者なのかも……)そんなところまでいってしまっている自分。文章のキレイさはつい最近になってから気がついたのだが、やっぱりいいな。だめだ、言葉にあらわせない。
大石圭の作品ってホラー扱いされてしまっているが、そんなことはないとおもっている。ホラーが嫌いな人に大石圭をすすめていきたい、とか痛い独り言を少々、、、、
Posted by ブクログ
主人公は自室に引きこもり、10年間を過ごしていた。
楽しみも悲しみも味わうことなく、虚無に近い生活。だが、死体と交わった瞬間、彼には感情が溢れ出し、全てが変わった。
死体と交わると聞くと、とんでもない異常性欲者だと思い、嫌悪するかもしれません。
ですが、とても繊細で感じやすい主人公を見ていると、不思議と嫌悪感が薄れてきていました。
ただ狂気に身を任せるだけではなく、それに抵抗しようとする主人公の葛藤があり、そこに繊細さを感じます。
もしかしたら、主人公は大石さん本人の心理を描いたものなのではないかと・・・そう思えてくる本でした。
Posted by ブクログ
大石節炸裂。
生きる事に対して興味の無かった主人公が、「死体」にめぐり合った事で、変わる。
どんどん緩やかに壊れて行く狂気、不愉快さに吐き気がする。
衝撃より後味の悪さの気持ち悪さ。
Posted by ブクログ
初めて読んだ大石圭さんの本で、あまり女性にはお勧めできないですね。ネクロフィリアという異常愛というか性癖を持った人が主人公。しかも、最後まで、欲求が収まることがないので、うーんこれはホラーなんですかね?私は、嫌いじゃないです。
Posted by ブクログ
タイトルで判断して購入しました。
購入して正解でした。
私の好みな内容でした。
一度は誰でも想像した事があると思われるネクロフィリア。
死体の美から醜。
その全てを愛する事が出来たら素晴らしいんだと思いました。
Posted by ブクログ
2010年7冊目。
309頁。
友人にもらった。
基本は主人公、その他登場人物の1人称。
後半時々、3人称。
屍姦の快楽に取りつかれてしまった、青年の話。
作者の同級生の女の子が亡くなった際、葬儀で見た彼女の姿に感じた美しさ、作者曰く“死人の魔力”が、本書の内容に大きく影響を及ぼしているであろうことは、疑いない。
よって内容は、主人公がひたすら屍姦を繰り返していくというものである。
2名を除き(恐らく)、相手はインターネットを通じて知り合った自殺志願者である。
自ら死を望む人間を殺しているわけではあるが、それ自体悪であると思うし、何より主人公は自分自身の欲求を満たすためだけにそうした行動をしているわけであり、そういった部分に自分自身を“ヤマネコ”と称する主人公の幼稚さと恐ろしさを感じた。
正常なことではないが、死体を埋める時に、彼がそれまで感じなかった人並みの“寂しさ”を感じるようになったという描写を見、彼がもし、10年もの長きに渡り自室にひとり引き篭もるのではなく、いわゆる“普通”の人生を送っていたなら、こんな常軌を逸した行動には走らなかったのではないかとも思われた。
本書は全体的に1人称で描かれているが、内容が自分自身の日常とはかけ離れているため、逆に中々本書の世界に入り込めなかった。
p.11
僕には普通の人々が当然のことのように生まれ持っている感覚の多くが欠如しているのだ。
欠陥品・・・たぶん、そういうことなのだろう。
・寂しさや人恋しさ、空腹感までも感じないという主人公。
p.25
野生のヤマネコが寂しがったりはしないように、僕は寂しがりはしない。いや・・・・・・僕にはそもそも、『寂しい』という感情がどういうものなのか、よくわからない。
p.25
母の死はショックではあった。けれど、同時に、『解き放たれた』という気がしないでもなかった。
これからは僕の命は、僕だけのものなのだ!もう僕は誰に遠慮することもなく、いつでも好きな時に、この命を捨ててしまうことが許されるのだ!
p.60
僕は人間が怖いのではなく、生きている人間が怖いのだ。
p.168
浦島太郎になること-それは幼い頃の僕が望んでいたことでもあった。
p.231
わからない。ヤマネコには人の悲しみを想像する能力がない。
p.285
ひとつの足跡もない雪の上に最初の足跡を残すのがためらわれるように、完璧なものを汚すのはためらわれる。けれど、もう汚れているものなら、僕がさらに汚してもかまわないはずだ。
Posted by ブクログ
自殺をしようとひとりで山林に行った男の前に、1台の車が。中には人が6人乗っており、しかも彼らもまた、自殺をしようとインターネットの自殺サイトで集まってやってきた者達だったのだ。自分が自殺するのも忘れ、その6人が死ぬのを物陰から見ていた男。そんな中、彼は中にいるひとりの女子高生に気づく。彼女に魅かれた男は全員が死ぬのを待って車に近づき、その女子高生の死体だけを家に連れて帰る。
読むタイミングを間違えた。『殺戮にいたる病』を読んでからまだ間があいていなかったため、またネクロフィリアかと(^^;死体を車椅子に乗せて買い物やファーストフード店に行く様子なんかはかなりハラハラしましたが、話自体は特にひねりもなく、淡々とただ男が罪を重ねていくといった感じ。ホラーだっていうから、死体が生き返るくらいはあるのかと思ったんだけど。