大石圭のレビュー一覧
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ネタバレ怖い。
ゆっくりゆっくり絞められるような怖さがあった。怖いのに、文章が読みやすいという罪深さ。
病気の犬、幼い子ども、カラス、ヒヨドリを心配する心、ソメイヨシノの美しさを感じる感受性、その反対もまた激しい。
恐ろしいことが繰り広げられているのに、たんたんと話が進んでいき、たんたんとコトが終わってゆく。たんたんと終わることを主人公は知っている。
主人公の感情の起伏が少なすぎるから、怖さが増幅するのか。
(過去に関すること・たぶん愛していると思っている人に対する衝動以外冷静すぎる)
学生の頃、中絶・妊娠のドキュメンタリーを授業で見せられたときに、お腹のなかで(羊水の中で)逃げ惑う子どもの映 -
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大石圭『母と死体を埋めに行く』角川ホラー文庫。
破滅的な結末のエロティック・サスペンス。ホラーの要素は全く無い。
母親に洗脳され、支配され続けた美貌の若月リラが母親の命令で、男たちに責め苛まれながら、死体遺棄や殺人といった犯罪に加担していくという、フランス書院文庫のような物語。良い子は読んではいけない。
主人公の若月リラは母親譲りの美貌の女子高校生。母親のれい子はシングル・マザーで銀座でナイトクラブを経営していた。幼い頃から母親のれい子に洗脳され、支配され続けるリラ。ある夜、リラはれい子に命じられ、二人で山奥に見知らぬ男性の死体を埋めに行く。
そして、さらに卒業を控えたリラにれい子は金 -
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芙季絵の体の中にはもう一人、彼女の栄養を吸って生きている「ふきえちゃん」がいる。不思議と不気味とは感じない彼女は友達だった。しかし、その存在は年月を経る毎に忘れ去られていく。芙季絵が11才になったとき、ふとその存在を思い出した。巻末にのみ伽椰子の例の「皆が私を避けている」という描写が入るのみで、この度は伽椰子と俊雄の無双シーンは全く無い。あの二人とはまったく別の人物の限定的な呪い。細菌感染のように無差別に呪われていくより、こっちの方がしっくりくるかも。話もまとまっていて読みやすかった。ふきえちゃんがひたすらに不気味。最初は友達であったのに、何かのきっかけを持って芙季絵やその家族に向かって呪いを
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ネタバレ俊雄と同じ名を持つ子供が、かつて父親からの壮絶な虐待の末に殺された。俊雄は自身を殺した父を憎み自分見殺しにした母を憎んだ。 そして、死ぬ瞬間に彼は神に祈った。どうか次は自分を必要としてくれる母から生まれますようにと……。「呪怨 終わりの始まり」のノベライズ。 登場人物は大体同じだが、厳密に言うと他の作品とのつながりは無い模様。てっきり、終わりの始まりと題してあったので、「呪怨」の前日譚かと思っていたが違った。登場人物が同じ別の世界線。佐伯剛雄の職業もデザイナーではなく普通のサラリーマンだった。今までは伽椰子に対して同情的な感情を思わせるような描写が多く見受けられたが、この話は少し彼女に嫌悪する
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安定のステレオ(いい意味で)
大学の頃付き合った男が、くずやろうで、そいつのせいでとことん落ちていく主人公。
あまりの墜落っぷりに、哀れを思うのである。
ようするに自我がない。
うむ。自分に対して無欲であることは、自我がないことと、ほぼ一緒なのだろう。
いや、欲はあった。が、その方向をクズ男のせいで間違った方に向かされていたというべきか。
つか、これを<洗脳>っていうんだろう。
アメとムチって、やつだな。
珍しく(?)高学歴で毒親育ちじゃないまっとうな主人公だったのに、この落ち方っていうのは、結局のところ人間<人生の楽しみ方>をどこかで学習していないとだめってことな
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