大石圭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレいやぁ〜残念。
冒頭から変態美容整形外科医(小鳥田優児)が人肉に取り憑かれ、ただ己の欲望を満たす為に殺人の虜に。
一度その禁断の味を体験した小鳥田はシェフばりの料理テクニックを駆使しながら人肉を食し、彼女(被害者)を自分の中に取り込む毎にエクスタシーを感じる。
徐々に欲望は増大し、顔見知りから愛する人へと対象は変化していく。
他人の赤ちゃんを誘拐し、食す為に育てるという鬼畜行為から物語がどう結ばれるのか。
物語のラストを自分(読者)なりに想像する(させる)ことに旨さを感じる作品もあるが、本作に関しては、作者にきっちりと書ききって欲しかった。
ラスト19pが個人的に物足りないので☆4 -
Posted by ブクログ
ネット社会の落とし穴に、落ちていく女。
一人は、固い高校教師で自撮りした欲情的な写真をばらまくと脅される。
一人は、恋人だと思った男によってリベンジポルノを落とされる。
大石圭なので、女は知性も教養もあるのに、歪んで、危うい。
歪みの根源は、結局のところ育った環境というか家庭にある。
が、それは理解されない。
「女の子だから」
その一言で、どれほど自我を削られてきたのだろうか。
不思議と、「女の子」であることの息苦しさをちゃんとわかっている感じがするのである。
高校教師の視点で描かれているので、強迫されている立場と、生徒を支えようとする姿勢とのせめぎ合いになる。
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Posted by ブクログ
古物商を営むニーナは、ビスクドール、ブリュ・ジュンを買い付ける。
が、それは「持ち主を死へをいざなう」といわれるいわくつきのものだった。
ブリュ・ジュンって何?
って便利な世の中でぐぐれば見られる。
確かに、普通のビスクドールとは違って表情がとってもアンニュイ。こんな表情でいわくつきって、もうこの設定だけで怖い。
が、その雰囲気で煙にまいているけど、ステレオの王道です。
とはいえ、少女をかたどられた人形を通して、女性のありかたまで、語らせたあたりが上手い。職人技です。
なんか彼女のシリーズは続きそうなのだけど、こんな風に悲しみを積み重ねていくシリーズだったら -
Posted by ブクログ
予想を大きく裏切り、とても面白かった。大石圭作品は大昔に読んだきり、なぜか良い印象がなかったのだが、間違った認識を改めたい。そして本作を読んだ人は必ず想像するだろう、自分は60秒で何をするのかを。
あらすじ(背表紙より)
「あなたに特別な力を授けます」。天使か悪魔か―謎めいた美少女が人々に授けたのは、たった1度だけ時間を1分間止める能力だった。世界のすべてが静止する60秒。誰にも知られず、邪魔されることもなく、思うがままにどんなことでもできるのだ。大金を強奪する。憧れの女性を恣にする。憎い男を抹殺する…。欲望と妄念に翻弄される男女の姿を描く、異色連作集。 -
Posted by ブクログ
タイトル通りです。
32歳の自己愛だけで生きてる女性の半生と結末(?)かな。
まあ、彼女が歪んでいくのは、結局のところ両親であり家庭のせいなんだろうけどね。
「家族は愛憎を煮詰める大釜」ってジョナサン・ケラーマンの小説の一説がずっとぐるぐるしていたよ。
スポイルする父と祖父母ときっちりしようとする母親の間で歪んでいくのだけど、これって根本は父親と母親の不仲だよねと思う。もしかすると嫁姑の確執もあったのかもね。
ともあれ、中途半端に芸能事務所に所属いたせいで、外見だけに全力を注ぐ、注ぎすぎてほぼ拒食症になっているのだけど、本人はそれがダメだと気づけない。
うーん
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