大石圭のレビュー一覧

  • 甘やかな牢獄~奴隷商人サラサ~

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    大石圭『甘やかな牢獄 奴隷商人サラサ』光文社文庫。

    官能奴隷サスペンス・シリーズと言うのが正しいだろうか。先の読めぬサスペンスフルな展開が続く。果たして、さらなる続きがあるのか。

    奴隷商人として多くの美女を売り捌いてきたサラサは妹のアリアをオークションで買い戻し、自由の身にするために自らを商品とする。因果応報……サラサを競り落としたのは某独裁国家の国王の第四夫人のユリエだった。ユリエに国王暗殺の指令を受けたサラサは……

    本体価格820円
    ★★★★

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    2020年04月07日
  • 女奴隷は夢を見ない

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    大石さんにしては美しい。
    サラとの物語が良くて、自分の生き方を
    どんな形で受け入れても、生きてるだけで
    良いって思える人になりたい。
    おぞましくて、アナザーストーリーが見たい。

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    2020年02月20日
  • 湘南人肉医

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    ネタバレ

    いやぁ〜残念。

    冒頭から変態美容整形外科医(小鳥田優児)が人肉に取り憑かれ、ただ己の欲望を満たす為に殺人の虜に。

    一度その禁断の味を体験した小鳥田はシェフばりの料理テクニックを駆使しながら人肉を食し、彼女(被害者)を自分の中に取り込む毎にエクスタシーを感じる。

    徐々に欲望は増大し、顔見知りから愛する人へと対象は変化していく。

    他人の赤ちゃんを誘拐し、食す為に育てるという鬼畜行為から物語がどう結ばれるのか。

    物語のラストを自分(読者)なりに想像する(させる)ことに旨さを感じる作品もあるが、本作に関しては、作者にきっちりと書ききって欲しかった。

    ラスト19pが個人的に物足りないので☆4

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    2020年10月25日
  • 小説 恐怖新聞

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    高層マンションに住んでる女子大生が主人公ということで、ちょっとどうかなと不安だったけど、意外と違和感がなかった。原作の力もあるのかもしれないけど、けっこう面白かったです。

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    2019年09月16日
  • モニター越しの飼育

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    この作品は、大石圭氏が描く、大石圭氏ならではの純愛物語なのかもしれません。結末についてはちょっと物足りなさを感じます。卑劣な教師への罰が省略されています。「モニター越しの飼育」、2018.8発行。

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    2019年06月15日
  • モニター越しの飼育

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     ネット社会の落とし穴に、落ちていく女。

     一人は、固い高校教師で自撮りした欲情的な写真をばらまくと脅される。
     一人は、恋人だと思った男によってリベンジポルノを落とされる。

     大石圭なので、女は知性も教養もあるのに、歪んで、危うい。
     歪みの根源は、結局のところ育った環境というか家庭にある。
     が、それは理解されない。

     「女の子だから」
     その一言で、どれほど自我を削られてきたのだろうか。

     不思議と、「女の子」であることの息苦しさをちゃんとわかっている感じがするのである。

     高校教師の視点で描かれているので、強迫されている立場と、生徒を支えようとする姿勢とのせめぎ合いになる。

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    2019年05月04日
  • 女奴隷の烙印(らくいん)

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    妹の娘の難病治療の費用のために自らを売った、井上沙織、30歳。プロダクションの社長と妹に騙され売られた篠原茉莉香、27歳。医学部の学生のとき父の借金のかたとして売られ、今は逆に奴隷商人となって売られた女性をマカオで、マニラで、オークションにかけている許サラサ、30歳。人身売買、闇の奴隷市場の様子、奴隷になるための躾を描いた作品です。大石圭 著「女奴隷の烙印」、2018.2発行。

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    2019年04月16日
  • 奴隷商人サラサ~生き人形が見た夢~

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    理不尽で救われない結末は大石作品らしい。しかし救われて欲しかったと思ってしまう。
    あらすじ(背表紙より)
    かつて奴隷として買われ、今では奴隷を売買する立場になったサラサ。彼女の頭を離れないのは、自分とともに売られ、行方がわからない妹アリアのことだった。その妹は、上海で、ある男に愛人として飼われていた。彼女の妊娠が発覚したことから、姉妹二人の運命は大きく動き始める。そしてサラサを襲う卑劣な罠とは?衝撃の展開から目が離せないサスペンス長編!文庫書下ろし。

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    2019年03月18日
  • 奴隷商人サラサ~生き人形が見た夢~

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    大石圭『奴隷商人サラサ 生き人形が見た夢』光文社文庫。

    『女奴隷の烙印』に続く書き下ろしシリーズの第2弾。前作よりもサスペンスフルになり、続きが非常に気になる。

    前作で苛酷な運命を背負うことになったサラサとアリアの姉妹……姉妹を陥れた男に復讐を果たし、奴隷の身分から一転、奴隷商人となったサラサは奴隷として売られてしまったアリアを捜すのだが……

    性奴隷として売買されていく若き女性たちの悲惨で苛酷な日々と二転三転するストーリー……果たして、サラサとアリアの運命は……シリーズはこの先も続くようだ。

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    2019年02月13日
  • 人を殺す、という仕事

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    スラスラと読みやすくてそれなりに面白かったけどミステリーのつもりで読んじゃうとかなりモヤっとする。殺される人たちってなぜ選ばれたのかとかいろんなところになんでってところが残されたままだった。
    長女が犯されるシーンとかあまりにも悲惨すぎて必要だったのかなぁとか思うし神様が人類に罰を与えるのに七夕祭りでたったの30人以上殺せとか、だったら大洪水とか起こせよ。
    皆さん書いてますけど各章の冒頭にある絶滅動物の話はほんと考えさせられました。

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    2018年02月17日
  • 女奴隷の烙印(らくいん)

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    大石圭『女奴隷の烙印』光文社文庫。

    もはやホラー小説作家と言うより官能小説作家と呼んだ方が良い、大石圭の女奴隷物。冒頭で主人公と目された三十歳の井上沙織はいつの間にか脇役はおろか、登場機会が減り、奴隷商人の許サラサが主役の座を務める。サラサの苛酷な過去が次第に明らかにされ、サラサに苛酷な運命を背負わせた男への復讐劇が描かれる。

    そして、これから背負うであろう井上沙織の運命とサラサの妹・アリアの安否が…

    読み終わってから気付いたのだが、元々、サラサというダーク・ヒロインを主人公にしたシリーズ物として書かれた作品のようだ。

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    2018年02月12日
  • 百二十歳の少女 古美術商・柊ニーナ

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     古物商を営むニーナは、ビスクドール、ブリュ・ジュンを買い付ける。
     が、それは「持ち主を死へをいざなう」といわれるいわくつきのものだった。

     ブリュ・ジュンって何?
     って便利な世の中でぐぐれば見られる。
     確かに、普通のビスクドールとは違って表情がとってもアンニュイ。こんな表情でいわくつきって、もうこの設定だけで怖い。

     が、その雰囲気で煙にまいているけど、ステレオの王道です。
     とはいえ、少女をかたどられた人形を通して、女性のありかたまで、語らせたあたりが上手い。職人技です。

     なんか彼女のシリーズは続きそうなのだけど、こんな風に悲しみを積み重ねていくシリーズだったら

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    2017年12月18日
  • 60秒の煉獄

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    予想を大きく裏切り、とても面白かった。大石圭作品は大昔に読んだきり、なぜか良い印象がなかったのだが、間違った認識を改めたい。そして本作を読んだ人は必ず想像するだろう、自分は60秒で何をするのかを。
    あらすじ(背表紙より)
    「あなたに特別な力を授けます」。天使か悪魔か―謎めいた美少女が人々に授けたのは、たった1度だけ時間を1分間止める能力だった。世界のすべてが静止する60秒。誰にも知られず、邪魔されることもなく、思うがままにどんなことでもできるのだ。大金を強奪する。憧れの女性を恣にする。憎い男を抹殺する…。欲望と妄念に翻弄される男女の姿を描く、異色連作集。

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    2017年10月01日
  • 湘南人肉医

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    名前はよく見かけていたけど、意外に初読みの作家さんだった。
    美容整形外科医の主人公が、女性を殺してはその肉を食べる…というとんでもない変態紳士のお話なのですが、人肉のお料理描写がすごーーくおいしそうなのであんまりグロさは感じないどころか、実際美味しいのかな?とか思ってしまった。さすがに、この本に「食の本」のタグをつけるのははばかられるのでやめておきますが(笑)
    この作者の他の本も読んでみたい。

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    2017年06月01日
  • 自分を愛しすぎた女

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     タイトル通りです。

     32歳の自己愛だけで生きてる女性の半生と結末(?)かな。

     まあ、彼女が歪んでいくのは、結局のところ両親であり家庭のせいなんだろうけどね。
     「家族は愛憎を煮詰める大釜」ってジョナサン・ケラーマンの小説の一説がずっとぐるぐるしていたよ。

     スポイルする父と祖父母ときっちりしようとする母親の間で歪んでいくのだけど、これって根本は父親と母親の不仲だよねと思う。もしかすると嫁姑の確執もあったのかもね。

     ともあれ、中途半端に芸能事務所に所属いたせいで、外見だけに全力を注ぐ、注ぎすぎてほぼ拒食症になっているのだけど、本人はそれがダメだと気づけない。
     うーん

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    2017年05月29日
  • 人でなしの恋。

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     若く美しい義母を介護する青年。
     大石圭なので、本当に人でなしです。

     義母への歪んた愛の結果、彼は罪を重ねることになるのだけど。
     義母も義母で…。
     この辺の美人だけど、性格が、っていうのはステレオです。

     もっとも、このステレオなのが大石圭の魅力なのであって…。
     うむ。
     ジョン・ソール的になってきたかもしれない。
     
     って、ここんとこジョン・ソールの新刊でてないが、どーしたんだ??
     

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    2017年02月18日
  • きれいなほうと呼ばれたい

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    大石圭 著「きれいなほうと呼ばれたい」、2015.6発行です。168cm、21歳、とても美人とはいえない容姿の星野鈴音と、彼女を一目見てダイヤモンドの原石と知った38歳の美容整形外科医、榊原優一の物語、手術前と手術後で構成されています。整形の話では、自らが整形を選択してゆく田淵和子を描いた百田尚樹氏の「モンスター」がありますが、この「きれいなほうと呼ばれたい」の星野鈴音は、整形外科医の「野心」からくる誘惑にのる形で身体を改造されます。どちらの作品も結末は哀しみの世界ですね・・・。

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    2016年08月15日
  • 殺人勤務医

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    初めての大石圭作品。
    たしかに主人公の行動は社会的に許されるはずもないが、何というか彼の考えも根底のところでは理解できてしまうという不思議な感覚を覚えたのも実際のところである。
    私自身にもひょっとしら、根底には彼のような思想が埋め込まれているのかもとも思うが、それはきっとこの先も一生表には出てこないであろう。

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    2016年07月27日
  • 人を殺す、という仕事

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    ネタバレ

    面白かった。精神異常者の話かと思ったら、案外ゾッとするオチ。
    そして主人公頑張れ、とか思っちゃう…。

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    2016年04月26日
  • 人を殺す、という仕事

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    殺戮小説の傑作。ロジック無視で、ただ殺す。殺して続ける。ラストの殺戮劇は映像化しほしいくらいエンタメ性があるのだが、結果のみが書かれている。ここを書いてしまうとこの小説の静かで哀しい雰囲気が壊れそうなため、書かなくて良かったと思う。
    主人公は元々は善良な市民なんだが、殺人をせざるを得ない理由がある受動的殺戮者であり、狂人にもなりきれない。そんな切なさがまた良い味である。

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    2016年01月24日