あらすじ
沙織は絶望のどん底にいた。恋人から手酷く捨てられ、仕事を失い、愛する姪は難病で莫大な治療費が必要だった。自らを売って姪を救おうと決心した彼女の前に現れた、完璧な美貌を持つ奴隷商人・サラサ。彼女にも、かつて奴隷として売られた過去があった。優秀な医学生だったサラサを襲った壮絶な運命が明かされてゆく――。龍のタトゥを背負うダークヒロイン誕生!
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Posted by ブクログ
妹の娘の難病治療の費用のために自らを売った、井上沙織、30歳。プロダクションの社長と妹に騙され売られた篠原茉莉香、27歳。医学部の学生のとき父の借金のかたとして売られ、今は逆に奴隷商人となって売られた女性をマカオで、マニラで、オークションにかけている許サラサ、30歳。人身売買、闇の奴隷市場の様子、奴隷になるための躾を描いた作品です。大石圭 著「女奴隷の烙印」、2018.2発行。
Posted by ブクログ
大石圭『女奴隷の烙印』光文社文庫。
もはやホラー小説作家と言うより官能小説作家と呼んだ方が良い、大石圭の女奴隷物。冒頭で主人公と目された三十歳の井上沙織はいつの間にか脇役はおろか、登場機会が減り、奴隷商人の許サラサが主役の座を務める。サラサの苛酷な過去が次第に明らかにされ、サラサに苛酷な運命を背負わせた男への復讐劇が描かれる。
そして、これから背負うであろう井上沙織の運命とサラサの妹・アリアの安否が…
読み終わってから気付いたのだが、元々、サラサというダーク・ヒロインを主人公にしたシリーズ物として書かれた作品のようだ。
Posted by ブクログ
人身売買をしているサラサ。
彼女は、過去に自身が売られ、また妹も売られ消息不明になっていた。
「女奴隷は夢を見ない」の世界。
ただ、今回は売るサイドの話なので、残虐であったり陰惨であったりはしない。
とはいえ、それは女主であるサラサ、所以なのだろう。
にしても、人の欲望は限度がない。
サラサの復讐譚は、多分、それの最えたるものなのだろう。
そう。
妹を救いたいという欲望が、限度を知らないから、彼女に行動を起こさせる。
それと、これは別ということにはならない。
欲望は、五感を麻痺させる。
映像化するといいにね、って思うけど、まぁ内容が内容なだけに無理なんでしょうww