大石圭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読みやすく、また所々中絶の歴史や知識についての記載もあり、勉強になった。
主人公が殺してきた人の人選に理由はないとか、自分は仕事で人を殺してるからどうとも思わないみたいなことを言うたびになんかかわいいなと思ってしまった笑
シリアルキラーの思考はこんな感じなのかな?殺すのに理由はないと言いつつしっかり罰を与えるような殺し方をしてる点も、何だかお茶目だなと…読者としても多少スッキリするからいいよね
心根がすごく優しくて、純粋で、可哀想な目に遭う人や動物にその理由を探してて、自分勝手で、母親と別れたあの時の年齢で止まったまま大人になった人なんだと感じた。
幼少期の家庭環境(特に母親との関係)はすごく人格形成に影響するって言われてるし…まさに…!愛情不足で育ったから何歳になっても当時得られなかった愛情を求め続ける…納得のいくものが手に入るわけないんだけど。
あの弟のように愛されて育ったら、きっと素直で純粋で優しい好青年に……
オチとして、母殺して警察にでも捕まるんかな?と思ってたけど全然そんなことなかった!いい終わり方でした。
あと、院長を殺したくなるみたいな描写見て、サディストすぎるな…って思ってたらまさかの母親の面影を追い求めてたと言うオチ…ちゃんと回収してくれて嬉しかった。
2002年の本だから、圧倒的にこちらが先だけど、 ルデン ムイの 形がまさにこんな感じだったな〜と
お母さん関連で拗らせると人殺しちゃうのかな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ実は読むの2回目。たしか高一の初めの頃読んだ。
相変わらず良かったが、昔よりも楽しく読めたな。
主人公が良い。イケメンだし。敬語で「僕」なのが崩れなくて良い。30歳という年齢も絶妙。
暮らしぶりが優雅すぎてちょっと笑っちゃうけどそこはまあフィクションということで。
そんなクラシックばっか聴いてられるかい。
主人公、やさしいと評するのは変だが、かしこい純粋な子供がバグった感じだな。
彼は無意識のうちに、堕ろされた弟や幼少期の自分に憐れみのようなものを抱いていた。
その憐れみと、母親からの愛情への切望と憎しみが複雑に絡み合い、殺人を犯すようになってしまったのかな。
けどそれらを「生まれながらの殺人者だから」と理由づけた。ナチュラルボーン・キラーなんて言葉まで使って。
最後、自分の双子の存在を知って一旦納得するんだよな。だから自分は人を殺しても平気なんだって。
でも彼の理知的な性格からして「胎内で双子を殺したからって殺人者ではない」なんて言いそうなものだが?
多分彼は「自分が命をなんとも思わない殺人犯である」というストーリーを求めていて、だからこそ双子の話に飛びついたんじゃないか?
許しを乞うことはしない。殺された側はそんなことは知ったことじゃないから、いっそ罵られた方が彼らにとってはまだいい。
彼のこの考えがここにきて効いてくるんですよね。
彼は自分の殺人癖を複雑な出自のせいだと主張して、許しを乞うことはしないとわかる。
ただひたすら自分が生まれながらの殺人者なのだと自分自身に言い聞かせるだけ。
けど、生まれながらの殺人鬼なんていないんじゃないか。
「僕は生まれながらの殺人者なのだ」
そう言い聞かせないとやっていられないんじゃないか。
彼のこの仕事も、彼の人生も。
そんな理屈を並べて、結局、お母さんに愛されたかっただけだったんじゃないか?
彼の義理の弟みたいに普通に育っていたら彼はこんなふうにはならなかったんじゃないか?
でもそんな「もしも」に意味はない。彼もそんなことは望んでないと思う。
彼は生まれながらの殺人者なんだ。そういうことにしておこう。
人間になる前の弟や妹への憐れみ=人間じゃない犬や鯉への憐れみか?
ヤンが来てから花火を見るのも弟に重ねてたのかな。
ヤンのそばにいてやりたいけど叶わないだろうって。お前……ヤンだけは僕を必要としてくれるみたいなこと言ってたのバカ切なかったな。
お母さんを招待して一緒に食事しようとしてるのも悲しいな。
なんか、殺人という行動に反して態度が幼すぎてつらい。
義理の弟があんなに幸せになってて、
自分がお母さんに愛されない理由づけがもう成立しなくなってしまったもんな……。
お母さんは平気な人だったのになんでそんなに泣くんですか?って言いながら主人公も泣いちゃったところ、マジで見ていられない。
結末も良かったなあ。いつかくるこの暮らしの終わりを予感しながらも、穏やかな毎日をとりあえず続けていく。
グロに偏りすぎず、奇妙に切ない良い小説だった。 -
Posted by ブクログ
「たった一度だけ、60秒間、時間を止められる能力を手に入れたら、どうする?」
他愛のない想像のような出来事が本当に起こった時、人間の欲は、心理はどのように動くのか。
同一のテーマで様々な人物にスポットを当てた、連作短編集。
それまで読んできた大石さんの作品とは異なる雰囲気で、また違った大石ワールドを味わわせてくれた作品。しかしもちろん、気持ち悪い読後感(褒め言葉)と暗いあとがきは期待通り。
暗く重い気持ちで読み終えた時、「自分だったらどうするだろう…」と考えてみると、この本に毒された読者は、つい暗い想像をしてしまうかもしれない。
それも含めて、この作品の魅力であると思う。 -
Posted by ブクログ
最初タイトルだけを見て、大量殺人を行いつつも表では医者として振る舞っている人の話なんだろうな、と思っていた。
これは半分正解で、半分不正解だった。
あの医者は、医療行為は、ある意味”大量殺人”であることを否定しきれない。
既に人権を得ている人の為に作られた。
そしてこの作品の描写を読んでいるうちに、手に入りにくくなっているのは仕方ないな、とも思うようになった。
他のサイコサスペンス作品を読んでいても、グロい表現はいくらでもある。
ただ、この作品は、”グロい”という言葉一つで済まされないものがあったのだ。
本作ではある意味では1人の犠牲者、とでも表現しておこうか、から始まる。
そこから数十人飛ばして、唐突にその先を見ることができる。
けれど300ページの内容には、きちんと過去どのようなことを行ってきたのか、も簡略した形ではあるものの、記載されていた。
そして、とある医療行為のことについての歴史にも触れている。
主人公がよく微笑んでいる描写がある。
きっとそれは自分で自分を守るための、うまく社会に溶け込むための、所謂処世術ではないか、と思う。
それと同時に、何かを隠しているかのような。
自分自身の中に膨れ上がっている感情を抑えているような。
そんな印象を受けた。
最後はほぼほぼ誰か、というのが分かった。
けれど、その後どうなったか、なんてことは描かれておらず。
彼はあの物語の中で、自分が行った行為についていつか逮捕される、ということを確信に近い考えを持っていた。
そして、決して自分はヒーローではないことを。
自分のルーティーンに”殺人”が組み込まれているだけ、だということを。
その言葉に別の意味でいえば、間違いではないのだ。
たびたび、自分が逆にこの主人公と同じ立場だったら、と思う。
あの状況から頑張って脱出して、医者としての地位を持ち。
ただコンプレックスを抱き、常に誰かを憎む。
頭の中が壊れそうだ。
だからこそ、日常生活はゆったりとしたような描写なのかな、と思う。
常に何かを考え、次の殺人のことについて考え。
そんなことをずっと考えていたらきっと疲れてしまう。
そのためのこだわりなのか。
ゆったりとした、優雅な一日を描いている。
それとも、そんな主人公でも残虐なことをやっている、という対比なのか。
私は前者なのかな、と感じた。
そこは人それぞれだと思う。
これは決して人には薦められない。
得手不得手がはっきりとしすぎていて。
それでいて内容も人を選ぶだろう。
だけれども、サイコサスペンス小説が好きな人には少し手にとってみてもいいかもしれない。
そんな作品であると同時に、この著者である大石圭さんの他作品を読んでみたくもなった。 -
Posted by ブクログ
臨床心理士月島繭子のもとには、今日もわけありの患者がやってくる。
主人公が美人なのは、お約束なので…。
でも、このコミックみたいな表紙は、かえって損している気がするのだけどね。
個々の短編は、おお、って結末で面白かった。
まぁ、こういうパターンなのね、ってなるとステレオなんだけど。
つか、ステレオなのに面白く感じさせるのが、やっぱうまい。
で、自身を語るものの不確かさは常なので…。
にしても、ちょっとベクトルが変わった気がする。
まぁ、なにがどうしてと、うまく説明できないのだけど。
また、次の作品、その次の作品、ってなってきたら、わかるのかもしれない。
楽しみ。 -
購入済み
シリーズの続編
大石圭の作品はほとんど読んでるが続編書くのはたぶん初めてじゃないかな?
『女奴隷の烙印』の続編なのでそちらを読んでないと置いてきぼりを食らうので注意…。
登場人物の焦燥感を伴う心理描写やマニラの情景の説明がとても丁寧なので、止まらなくなりあっという間に読み終わってしまうこと間違いなしです。 -
Posted by ブクログ
妹を助けるため、自ら奴隷として売られたサラサ。
「女奴隷」シリーズ完結編。
売られた先は、産油国王夫人で、当然王の相手しろよ、てなる。ついでに、夫人は国王暗殺を狙っていて…。
サラサはクーデターに巻き込まれる。
っても、絶対へこたれないサラサなので、どんな逆境になってもへんに安心感がある。反対に、奴隷の身から解放され日本でサラサの帰りをまつアリアの方が心配。なんか現実味がとにかくない子なので。まぁ、だからこそ、余計にサラサの家に帰るって気持ちの強さが裏付けされるのだろうけれど。
で、やっぱりこうなりますよ。
完結編とあるので、これで終わりなんだろうけど、やっぱり最後には救い出してほしいです。
も、忘れたころでいいので、サラサとアリアを再会させてあげてください<切望 -
Posted by ブクログ
ネタバレいやぁ〜残念。
冒頭から変態美容整形外科医(小鳥田優児)が人肉に取り憑かれ、ただ己の欲望を満たす為に殺人の虜に。
一度その禁断の味を体験した小鳥田はシェフばりの料理テクニックを駆使しながら人肉を食し、彼女(被害者)を自分の中に取り込む毎にエクスタシーを感じる。
徐々に欲望は増大し、顔見知りから愛する人へと対象は変化していく。
他人の赤ちゃんを誘拐し、食す為に育てるという鬼畜行為から物語がどう結ばれるのか。
物語のラストを自分(読者)なりに想像する(させる)ことに旨さを感じる作品もあるが、本作に関しては、作者にきっちりと書ききって欲しかった。
ラスト19pが個人的に物足りないので☆4つ。
説明
内容(「BOOK」データベースより)
湘南で整形外科医として働く小鳥田優児は、神の手と噂されるほどの名医だった。数々の難手術を成功させ、多くの女性を見違えるほどの美人に変貌させていた。しかし、彼は小さな頃から人肉に対して憧れを持っていた。そして、ある日、手術で吸引した女性の臀部の脂肪を自宅に持ち帰り、食べてしまう。それは麻酔が施されていたため、苦く、おいしいものではなかったが、人の肉を食べるという禁を破ったことに対して、優児は強いエクスタシーを感じた…。
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