あらすじ
僕は人形を作り続ける。42号と名付けられたこの人形の頭部にはまだ髪がなく、唇にも紅は塗られていない。しかし柔らかな筆で丹念になぞると、その頬は赤みを帯びていく。まるで、死体に命を与えているかのようだ。42号が完成すれば、僕はもう、人を殺さなくて済むかもしれない……。美麗なビスクドールを造る天才人形作家、椿涼。その裏の顔は、忌まわしい連続快楽殺人鬼であった。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
天才人形師の青年、実は…。
毎度の大石圭氏ですww
このステレオが快感っていうのが、不思議です。
で、今回も主人公に幼児期のトラウマがあるのかと思ったら…。
とはいえ、普通に育ったわけじゃなし、お姉さんの状況が、淡々と説明しているだけに、かえって哀れなのである。
タイトル通りなんとか自分で自分の状況を変えようとしたのだけど、そのベクトルがそもそも間違ってるというのはデフォか。
結局のところ、方向性を間違えると何であれダメなんだろうな。
主人公はなんかカタルシスを得たっぽいけど、読んでるほうはガクブルでした。
この先を考えてくないやww
Posted by ブクログ
湘南という明るい光に満ちた土地を舞台に僕という一人称で、ゆっくりと優しい口調で語られる耽美的な世界。それが恐怖を少しづつ醸し出しているようだ。ストレートなホラーとは違い、読むにつれ、様々な光景が頭の中に浮かび、怖さと共に哀しさまでを感じた。
主人公の人形作家・椿涼は連続快楽殺人鬼という裏の顔を持っていた。自分の欲望と人形製作の狭間で…最後に己れの正体を知る恐怖…
抒情ホラーとでも言うべきか。