江上剛のレビュー一覧
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上巻はイトーヨーカ堂の創始者を、下巻はセブンイレブンを立ち上げた鈴木氏をモデルにし、流通業界の変遷を描いたビジネス大河小説。スーパーマーケットからコンビニ、そして今はドラッグストアがスーパーマーケット化している流通業界。作者は、生き残る経営者、生き残る経営とは何かを探りたいと考えたとしている。人々のニーズに柔軟に対応したカリスマたち。そしてカリスマの身の引き方についても描く。生き残ることばかり考えては発展しない。冒険も必要だが生存しなければ意味がない。成功を求められる経営者の苦悩。ライバル経営者との比較、時代背景を通して明暗を描いており、ついついフィクションであることを忘れ引き込まれていた。
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Posted by ブクログ
イトーヨーカ堂創業者をモデルに、流通の頂点に立つ人たちの姿を描いた大河小説。正直な商売が一番だよ。商売とは自分の利益だけを考えるものではない。薄利多売主義。アメリカのスーパーマーケットに出会ったときに「ローコスト・マス・マーチャンダイジングの技術が米国の豊かな社会を支えている」と聞く。マスマーチャンダイジング(Mass Merchandising)とは、「簡単にいうと品質を保ったままにコストダウンを図れる「量」の担保に立脚した商品化を計画すること」らしい。また、
「ドミナント戦略」とは、特定のエリアに集中して出店する戦略の事で、「ドミナント(dominant)」は、「支配的な」「優勢な」「優位に立つ」という意味を持つ言葉。特定のエリアへの集中的な出店で、競合より強い存在感の確立を狙うための戦略となっており、集中的な出店を行うことで、そのエリアの消費者の囲い込みを行うことができ、消費者との信頼関係を結ぶことができれば、競合が参入しづらいという点も大きなポイントなのだそうだ。ここにコンビニが加われば、個人経営は敵わない。その先は不便さかと思えば、ネット通販が現れて、個性的なものが売れる。あゝ、豊かさってなんだろうって考えさせられる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ小説宝石の連載にて
あまり普段読まない系統で面白かった
大塚家具のお家騒動がモチーフかな
企業小説って敬遠してたけどこれは一気読みできそう
三姉妹、各々の夫たち、不倫相手や取り巻きなど、周囲の人間それぞれの思惑が非常に打算的であけすけで自分のことしか考えていない
三女は例外だが、果たしてどうなるか…
三姉妹の意志を聞く聴聞会で、なんと三女がしくって、社長のお父様と訣別してしまう
おそらく周囲の理解者と協力して反撃していくのかなぁと
次女は最初、悪意がなくてただのお嬢だった(名家に生まれて、経営だの権力闘争に楽に生きていきたい気持ちは分かる)が、投資ファンドと結託している夫に泣きつき、乗っ取りを策略中
天狗の長女が今後いかにギャフンと言わされるかが見どころ→案の定、最終話で、取締役会で解任され、しかし敵対的TOBを仕掛けてくる…
最後が擦り切れトンボというかもっと決着つけるところまで連載して欲しかったなぁ
次女も次女旦那も長女旦那も、女帝に振り回されて可哀想すぎる お金持ちのお家ってそういう人大体いるよね…我儘極まれり -
Posted by ブクログ
貸し渋り・貸しはがし。密告者探し。情報操作…。欲望、嫉妬、裏切りが渦巻く世界が企業のリアルだとするのならばこういう人間たちが『エリート』として社会を牽引している事に違和感を覚えるのは僕だけでしょうか?
僕は前々から江上剛さんの本は気になっていたので、これがいい機会だなと思ったので読んでみることにしました。一読して思ったことはエリート社会っていうのはやることが陰険だなぁ、ということでした。
これがいわゆるガテン系の会社だと当事者同士の殴り合いの喧嘩で収まるような派閥争いが、あらゆる権謀術数を尽くして展開される姿に唖然とせざるを得ませんでした。
帯では『超リアル企業小説』というコピーが銘打たれておりますけれど、残念ながら僕はこういう大企業には勤めたことがないので、実際のところはどうなのかは知る由がないんですけれど、もし仮にそうだとするのならば、おそろしいなぁと、読んでいて非常に空恐ろしくなりました。
そして、男が抱く『嫉妬』という感情の醜さにも執拗に書かえており、名誉欲や男女のことに関するそれが自分の中にもあり、いかに強い負の感情であるかがわかりすぎるくらいにわかっているので、それを陰険この上ない態度で表に出す登場人物が余計に憎らしかったです。
肝心の内容ですが、『ハメたつもりがハメられた』という話を地でいくもので、企業同士の話の中にある男女のことや復讐…。そういった要素が強い小説でした。
日ごろ見ることができないものを見させてもらったという点では面白かったのです、しかしここではあんまり言及しませんが、ラストがすんなりいってしまったことが唯一不満といえば不満なところです。
※追記
本書は2014年6月10日、『告発者 ((幻冬舎文庫))』として改題文庫化されました。 -
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権力に負ける
「信義ね。関口さんは、銀行員にしては珍しい考えの持ち主ですね」と経営者トップの発言。不景気になると融資側に対し銀行は姿勢態度を一変する。「貸し渋り・貸しはがし」と言われた強硬姿勢で自己保守に走り、融資側の立場など考慮しない。この小説はそんな銀行の慣行と頭取のスキャンダルでの広報の役割、銀行を守る為の行動、さらに人としての「信義」を問う、実際に起きた「プライムローン事件」「路チュー事件」を模索したビジネス小説だ。 現実、政治家、大手企業、官庁などに対する「信義」(政治家、上司、会社を守る「嘘」)が問われる事件事故が多い。それによって「嘘・疑惑」ストレスを持ったまま自殺した事件も多く、勇気を持って「告発」すべきだと誰もが思う。「悪いのは自分では無くその悪意を権力で責任を負わせた上司であり、政治家である」ことを自責はないと自覚すべきだ。 -
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江上剛さんが著した短編集。
銀行に勤めていた著者。銀行というところは非常にドライに捉えられがちな業種ではあるが、その実、減点主義であったり人事制度については非常にウェットなところがある。その中枢部で活躍してきた著者だからこそ描ける、企業内外に絡まる人事、駆け引き、情実。そういったところを、シチュエーションの違う五編の短編小説にまとめている。
そこに通底するのは、企業によるドライな人事と、それを甘受しようとする組織人の葛藤。そしてたとえその人事が間違っていたとしても、従わざるを得ない現実。しかし最後に大逆転劇までは行かないが、ささやかな反抗を潜り込ませる辺りが、著者の人間に対する望みというか希望を表している気がしてならないし、そこが江上ワールドの支持される理由なのだと思う。
非情に面白い。 -
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大型量販店 vs 街の電器屋さん
主人公は、大手家電メーカーをリストラされて、実家の電器屋へ戻って来る。
設定は、東京やけど、この家電メーカーは、大阪のP社のような…
うちの近所も、
Joshin、
ヤマダ電機、
エディオン、
ケーズデンキ
と大型店舗が色々ある。
でも、近所にひっそりとやけど、街の電器屋さんみたいなのも健在。
電器屋のおばちゃんも知ってるけど、やっぱり顔広いわ〜
公園での花見みたいなのも主催側でやってるし、そういう繋がりで、何とかなってんのやろな。
高齢化社会やから、うちの近所もお年寄り多いし、蛍光灯交換から何から何までしてそう。
もう、価格だけでの勝負では勝てんし、こういう付加価値で、勝負やねんな。
この話でも、町おこしで、神社のお祭り復活にも協力してた。そういう地元愛も必要かな。
出身地(まぁ、電車で30分程で行けるけど)にある神社のお祭りは、まぁまぁ大きいから、まだ、廃れる事は今のところないけど、かけ馬とかは、後継者おらんて困ってたな。(確か、舎人親王祀ってた)
大きいとこは、大きいとこで、小さいとこは、小さいとこで、色々苦労はあると思うけど、共存共栄というか、相互補完ができると、尚ええな。
まぁ、現実は、結構キツいやろうけどね〜。頑張り!
ちょっと、癒し…