【感想・ネタバレ】百年先が見えた男のレビュー

あらすじ

すごい経営者がいた! 日本オリジナルの合成繊維の事業化、そして国交回復前の中国へ――。敗戦後の日本人の誇りを取り戻させた大原總一郎の激動の人生を描いたノンフィクションノベル。松下幸之助に「美しい経済人」と評された稀代の経営者・大原總一郎――。数々の分野でシェアNo.1を誇る企業=現在のクラレを創り上げた男の生涯は、波乱に満ちたものだった。国産第一号の合成繊維「ビニロン」の事業化や、国交回復前の中国へのプラント輸出……。激動の昭和史を背景に、“百年先が見えた経営者”と言われた男の生涯を描く感動の企業小説。『天あり、命あり』を改題。

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Posted by ブクログ

偉業とは
経営者たるべき姿「世のため、人のため、他人のやれないことをやる」信念を見せつけられた。戦争前後の苦難を乗り越え、「国産原料で国産製品を」(倉敷レイヨン:ビニロン)をとことん追求、最後には国交のない中国へのプラント輸出で戦争で失われた両国民の蟠りをも腐食する事業を成し遂げた大原總一郎氏はすごい人だ。また、大原總一郎氏は今後日本文化を重要視、多くの文化財を遺す偉業も忘れてはならない。現代、観光立国としての日本は今その時を迎えている。

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2024年10月09日

Posted by ブクログ

倉敷レイヨン よい話でいた。国産開発事業にひたむきに向かう姿、失敗をしても自分自身の意思を曲げすに突き進み精神力は気持ちのよい感情になりました。”世のため 人のため 他人のやらないことをやる” この社訓には感銘をうけました。中国への進出を実現でき未来を見ることができる経営者だと感じました。

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2023年09月22日

Posted by ブクログ

クラレの創業者 大原總一郎の生涯を描いた作品。「世の為、人の為、他人のやらないことをやる」を信条とし終戦後、共産主義と資本主義が対立する中、日本の政治では杳として結論が出せない時代に、1人の経済人として米国と交渉し中国へビニロンの製造プラント輸出を実現する。信条を貫くため常に恬然とした態度で事に当たる様は胸のすく思いであった。タイトルの通り100年先を見て利殖よりも世界の安定・協調に尽力した人生だったのだろう。58歳という年齢で没してしまうが実に惜しい。合掌。

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2021年05月19日

Posted by ブクログ

高機能樹脂メーカーとして有名なクラレ。創業一族の大原總一郎がクラレの前身である倉敷絹繊の社長として会社の礎を築いていく課程を追ったノンフィクションです。
物語は戦後まもなくからスタート。戦時中、航空機生産などの戦時産業への協力を進めたため、空襲で工場は壊滅的な被害を受け、従業員も多くが死傷しました。
その反省を受け、總一郎は平和に貢献できる産業に立ち返り、日本で原材料から調達ができる合成繊維ビニロンの開発を決断します。これは昨今注目されている経済安全保障の考え方に近いものです。
ビニロンの生産が軌道に乗った次に總一郎が取り組んだのが中国へのビニロンプラントの輸出。当時はまだ正式に中国との国交が回復しておらず、日本は親台湾の姿勢が強かったため、輸出の承認はなかなかおりませんでした。それでも当時の実力者、池田勇人、吉田茂などとの度重なる折衝を経て、プラント輸出を成功させます。政治家の大半がアメリカの顔色を窺い尻込みする中で、親中国とも取れるプラント輸出にまい進する總一郎。その熱意の源泉は利益追求ではなく、戦中に日本が中国で犯した罪の贖罪でした。また「企業の社会的責任は株主のために利益をあげるだけではなく、社会的責任を果たさなければならない」と、昨今急激に広まったSGDSとほぼ一致する見解を述べています。
1950~60年代に、経済安全保障、SGDSなど最近になって声高に言われる概念に言及していた總一郎を「百年先が…」という枕詞で表現するのは決して大げさではない印象を受けました。ちなみに倉敷にある大原美術館は、總一郎の生家、大原家が設立に関わっています(本書では詳しくは触れられていませんが)。

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2024年01月24日

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