【感想・ネタバレ】二人のカリスマ 下巻 コンビニエンスストア編のレビュー

あらすじ

カリスマ経営者とは。その功罪とは。作家・江上剛氏が描く流通ビジネス大河小説
藤田俊雄率いるスーパーマーケット、フジタヨーシュウ堂に入社した大木将史は、米国出張の際、コンビニエンスストアに出会う。日本各地で大型店の出店が相次ぎ、小規模店との共存が課題になる中、将史は日本にもコンビニエンスストアを展開しようとするが、周囲からの反対に遭う。

ライバル店からの引き抜きを断った将史は、俊雄にコンビニの重要性を訴える。許しを得た将史は米国のコンビニ運営会社と交渉。遂に日本でのコンビニ出店を取り付ける。さらに従来の酒店からの脱皮を図ろうとする商店主らと組み、まったく新しい業態、コンビニエンスストアを日本に広めていく。

メーカーによる共同配送、おにぎりなどの商品開発……次々と新たな戦略を打ち出し成長路線に乗るコンビニ事業の一方で、スーパーマーケット事業には衰退の兆しが忍び寄る。将史は俊雄の支持を得て、業務改革に乗り出す。

突然の総会屋事件で俊雄は経営の一線を退く。後を託された将史は、いつしか独裁的と非難されるようになる。やがて、将史にも運命の時が訪れる……。
企業におけるカリスマ経営者とは? 後継者を育てるとは? 作家・江上剛氏が経営者の役割を描くビジネス小説『二人のカリスマ 下・コンビニエンスストア編』

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Posted by ブクログ

ニ人のカリスマ
上巻(ISBN:9784296103669)
下巻(ISBN:9784296104321)

面白すぎる。

イトーヨーカドーの創業者伊藤雅俊さんとセブンイレブンの創業者である鈴木敏文さん。この2人は立志伝中の人物であり流通業どころか、日本経済における神様である。

この2人が起こした小売業、仕事というものを、実際の事実やインタビューに基づいて作り上げた、壮大な読み物である。

面白すぎる。

著者江上剛さんの素晴らしいところは、戦後の闇市から一旗揚げ、会社組織を立ち上げ、株式上場、までではなく、その後の揺らぎと後継者へのバトンタッチ、さらにはその後継者がカリスマを退くまでを、時系列で事実に基づいて丹念に追って行った筆力である。事実をベースに、当時交流のあったであろうライバル、力をつけてくる後継者、それをその当時の時代背景のもとに絡み合わせ、壮大な物語を紡いでいる。

小売業だけでなく、勤め人であれば読んで欲しい必読の書である。

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2024年07月26日

Posted by ブクログ

スーパー業界が立て直しの時期を迎えている今、これまで何度も事業を見直す方法が描かれており興味深い。原点に立ち戻る、原則に戻る、優れた後継者を育成する(自分がその土壌となる)、10年15年後を見据えて計画に取り組む。後継者の資質など面白かった。

フィクションだからわかりやすく、伸び伸びと描けていたと思う。戦後から現代への一時代(2時代か?)の軌跡を辿る名著。折に触れて読み返したい。

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

セブンイレブンとイトーヨーカ堂の絡みからの二人の経営のトップを描く。経済の波にのり大きくしていく是非を問われたり、時代の余波での商売の在り方の変換を求められたりと目まぐるしく動くストーリーに釘付けだった。最後の引き際は考えさせられる場面だったなぁ。真摯に向き合うことの大切さを教えられた本。とてもよかった。

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2020年01月25日

Posted by ブクログ

上巻から時代は流れ入社した大木将史の米国から持ち帰った戦略を取り入れ、またしても成長する。自分が知っている時代にも重なってきたのでおもしろかった。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

下巻の方が好き。
二人のカリスマの好対照が見えるからか、時代背景を実際に体験しているからか。
静と動。
創業者と経営者。
存続と成長。
「土」と「花」。
二人ともお客様の求めているものを真摯に追求しているのに、経営判断や手法には違いが。
仕事をする上でのヒントもたくさんあり、充足感が得られる。

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

2024.01.31
いつの世も権力の座から綺麗に降りる人は少ない。この感想のように最後の姿が残ってしまうのは残念!
偉大な人だったのに。今を作って来た人だったのに。
折しも、本日、イトーヨーカドーが早期退職者の募集を開始した。厳しい現実を受け入れ、次なるステップへ。

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2024年02月01日

Posted by ブクログ

このままではヨーシュウ堂は潰れる!
コンビニを始めた大木の言葉は、重い
それに応え、大木に全権を与えた俊雄の決断は、もっと重い。すごい!

大量生産、大量在庫、大量消費の時代からの脱却は、並大抵の覚悟ではできない

もはや戦後ではない 時代に突入し、ただ在庫を抱えれば売れるのではなく、みな豊かになり、客が商品を選ぶ時代になった。

それは、コンビニをいち早く取り入れ、成功させたから思い至った境地なのかも知れない。

大木のモデルである鈴木敏文は、晩節を汚す結果となって残念でした。何事も、長くやりすぎると驕りが出る。自分も気をつけないとマズいなぁと。。

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2023年09月10日

Posted by ブクログ

スーパーからコンビニに繋がり、そしてカリスマの終焉を迎える下巻。二人のカリスマがどのような思いでお店を立ち上げ、そして引退していくか、それぞれの道がとてもリアルに書かれている。上下巻ともに読み応えるのある内容だった。

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2019年11月05日

Posted by ブクログ

前編ではイトーヨーカドーだったが、今回はセブンイレブン。
描いている。淡々と。
んと、淡々すぎて、盛り上がりというか何というか、ワクワク感がない。ドキドキ感がない。ただ淡々と流れて行くだけ。
読後、ああ、そうだったんだね感しか残らない。

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2025年02月02日

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