あらすじ
十倉雅和氏(経団連会長・住友化学会長)、絶賛! 「住友の事業精神の原点は、ここにあった」煙害問題の解決、企業の利ではなく人々のために……。“ESGの先駆者”伊庭貞剛の生涯を描き切った感動のノンフィクションノベル。この男なくして「住友」は語れない! 幕末、志士として活動後、司法官となった伊庭貞剛は、叔父で総理事の広瀬宰平に招聘され、住友に入社する。しかし当時の住友は、別子銅山の煙害問題を抱え、さらには宰平の独断専行が目にあまるほどであった。住友財閥の中にありながらも、住友を破壊せんばかりの覚悟を持って改革に臨んだ、“住友中興の祖”とよばれる経営者に光をあてた傑作長編小説。
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Posted by ブクログ
住友グループで働いて何年も経ち、別子銅山に学ぶ話はよく聞いていたが、このストーリーは初めて触れる内容で非常に興味深かった。まさに現代に通じる考え方で、今後に活かしたい。
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いわゆる伝記作品
ただ、ところどころに江上さんのスパイスを織り混ぜており、読み応えがあった
個人的には、今トレンドワードとなっている「老害」をわかりやすく表現しているフレーズが腹落ちしました
Posted by ブクログ
240714022
住友がなぜ新居浜という地を特別なものとしているのか、脈々とつながる理念を感じる。
逆命利君謂之忠。覚悟をもって事に臨むことがいかほど大切が。よく分かった。
Posted by ブクログ
剣呑なタイトルであるが「住友中興の祖」とよばれる伊庭貞剛の物語である。彼をとりまく広瀬宰平、西川吉輔、品川弥二郎、峩山などの人々。彼にゆかりの別子、四阪島、活機園などの場所。あまり知られていないが語り継がれるべき人と土地にまつわる物語がここにある。
Posted by ブクログ
住友の形を作った伊庭貞剛のノンフィクション作品。
田中正造が登場したが、名前しか覚えていないほど記憶の彼方だったので、改めて近代日本史を思い出すにもよい内容。
利益は公のもの、公とは天下国家を示すもの、という信念のもとに、別子銅山の煙害に取り組む。
当時の絶対的な権力者でトップの叔父と差し違えても、その信念を貫き行動に移す姿は惚れ惚れする。
なぜ、住友林業という会社があるか、不思議に思っていたが、煙害で山の木々が失い、土砂災害で多くの犠牲者を出したところから来ている、と言うのは知らなかった。
自分が老いる前に経営を後進に譲る考え方も素晴らしく、70,80歳になっても権力の座にしがみつこうとする方たちは、一度立ち止まって伊庭貞剛の足跡をたどってみたら良いのではと、感じた。
Posted by ブクログ
伊庭貞剛の生き様として、手本にしたいと思ったことは
●自らの使命を信じて尊皇攘夷運動やその後の新政府の活動に身を投じる人生への覚悟
●住友で銅を生産することもまた国家に尽くすことになることを理解し、停滞と閉塞を感じていた官僚人生を捨てて住友に転じる柔軟性
●別子銅山の問題山積の状況を知り、自らがそれを処理する難題を引き受けようと別子行きを申し出た使命感
●叔父の宰平に辞任を迫る際の鬼気迫る覚悟
●支配人として別子銅山の環境負荷を軽減するため、植林と精練所移設を決断する決断力
●問題に一区切りがついた段階で鮮やかに身を引く潔さ
であった。学ぶところの多かった書籍だった。
一方、四阪島の清廉時が却って煙害を広範囲に広めてしまったことは残念だった。