内田康夫のレビュー一覧
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小学生の光彦少年は、恒例の軽井沢の別荘での夏休みを満喫していた。軽井沢での友達の峰男に紹介された喫茶店の娘は、なんと夏休み前に光彦の隣の席にきた、転校生の衣理だった。
最初は気まずかった2人だが、妖精の道で行方不明になった女性がいるという噂を聞き、確かめに行くことに。暗く不気味な妖精の森を奥にある「緑の館」で男が庭に大きな穴を掘っているのを見て、3人は逃げ帰る。
その夜、ホタルを口実にふたたび館を覗き見た光彦は、何かを埋めている男女を目撃した。
埋められたのは死体?
長野県警の新人刑事、竹村刑事に事情を話した光彦は、事件に巻き込まれていく。
冷静で半分大人な光彦少年のトムソーヤのような冒険譚 -
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内田康夫『遺譜 浅見光彦最後の事件 上』角川文庫。
浅見光彦シリーズは数作しか読んでいないのだが、いきなり浅見光彦最後の事件を読むことになった。貰い物の文庫本である。上下巻をまとめて貰ったので、読まない訳にはいかないのだ。
実は浅見光彦シリーズは全体的にふわりとした雰囲気で、浅見光彦の余りのマザコンぶりと、テレビドラマを意識したと思われるような観光地巡りが必ず登場するので好みではない。ハードボイルドの対極にあるソフトボイルド探偵小説と呼べば良いのだろうか。
プロローグに1994年にオーストリアで起きた日本人殺害事件が描かれ、浅見光彦の兄が警視庁の課長という肩書で登場する。このプロローグは -
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備忘録 毎日新聞2019年11月22日
元特攻90代兄弟が「最後の証言」 時代に迎合を悔恨「なぜ死ぬ覚悟で戦争に反対しなかったか」
太平洋戦争中に学徒出陣し、特攻隊員になった兄弟が9日、東京都新宿区の早稲田大で講演した。岩井忠正さん(99)と忠熊さん(97)。今はそれぞれ東京、滋賀と離れて暮らすが、どうしても若い世代に「最後の言葉」を伝えたいと顔をそろえた。これまでそれぞれ講演する機会はあったが、兄弟そろって話すのは最初で最後かもしれない。2人が伝えたかったメッセージとは――。
「2人とも生きては帰れないだろう」。入隊前、兄弟で先祖の墓参りに行ったとき、道中の汽車でそんな会話を交わしたと -
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「ぼくが探偵だった夏」
光彦、小5。
アウトデラックスで強いクセを放った中村俊介も記憶に新しい浅見光彦シリーズ。本書は、光彦小5の話。子供らしくスリルに興味を見出し、好奇心丸出しで冒険気分で森に繰り出す光彦。女の子とつんつんどんどんな光彦、でも、気持ちは素直な光彦である。そんな光彦の最初の事件簿。
読みどころはたくさんある。まずは、浅見家全員集合となっているところだろう。シリーズファンならば当たり前かもしれないが、お手伝いさんまで含めたメンツが揃っているものがあるとは知らなかった。ルポライター兼小説家志望のぼんくら息子の内田氏、若き頃の信濃のコロンボ・竹村岩男も登場する点もポイント。若