内田康夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
浅見光彦シリーズだと思い込んで読み始めたのだけれど、いつまでたっても浅見は登場してこない。
どうやら勘違いしていたようだが、次々と新たな展開が訪れるストーリーにすっかり引き込まれた。
いつもながら内田さんの物語は読みやすい。
けれども容疑者と目される人物がひとり、またひとりと消えていく先にどんな真実が待っているのか。
犯人の見当は早々についてしまうけれど、それでもどんなトリックを使ったのか。
そこにはどんな動機が隠されていたのか。
ただひとつだけ難を言えば、ヒロイン役の宮城留理子が完璧すぎた。
鋭い推理力は本職である刑事たちをも圧倒しているし、犯人ではないかと疑いのある人物に対してもけっして引 -
Posted by ブクログ
生まれてまもなく何者かによって捨てられた櫻香は、やがて尼寺に引き取られ養女となる。
聡明なうえに美しく育った櫻香は、いまの生活に何の疑問を抱くこともなく穏やかに生活していた。
しかし、見慣れぬ人たちが周辺に現れはじめてから様子は一変する。
母の知り合いだった尼寺の関係者より依頼を受け、光彦は櫻香に対する調査を開始する。
やがて櫻香に話しかけた胡散臭い男が殺され死体となって発見される。
事件は櫻香を中心におきていると光彦は思い始めるが…。
犯人を逮捕することが光彦の目的ではない。
これまでにも何度か光彦によって犯人と特定されながらも、警察に逮捕されなかった者もいる。
複雑な人間関係が絡みあったう -
Posted by ブクログ
「究極の香水」の副作用によってもたらされた死。
封印された「究極の香水」が再び現れたとき、それは「悪魔の香水」となり人々にあらたな死を招く。
自分の研究のすえに手に入れた開発結果は、研究者にとって何よりも大事なものなのかもしれない。
欲にかられて甘い蜜に群がる害虫のような人間たち。
殺人を犯しても大きな富は手に入れたいものだろうか?
不幸な出来事を乗り越えて未来へと歩き始める三人の娘たち。ラストが未来へつながるものでよかった。
いつもながら浅見光彦シリーズは読みやすい。
シリーズ初期はなかなか覚えにくいタイトルも多かったけれど、特徴のある個性的なタイトルになってからは、内容をすぐに思い出せるよ