内田康夫のレビュー一覧

  • 鄙の記憶

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    静岡県寸又峡で起きた2件の殺人事件を追う老新聞記者が、事件の謎を追った先の秋田の大曲で殺されてしまう。
    老新聞記者の活躍が浅見探偵に刺激されたという事情があって、どうあっても犯人を突き止めなくてはならない立場でしたが、つきつめると犯人には悪人というには忍びない事情もあって、犯人探しがうやむやに終わってしまったのは、最近の浅見ものに見られる傾向でしょうかね。

    それにしても、行き当たりばったりというか、浅見探偵がふらっと思いついて立ち寄った先で、重要人物との出会いが生じてしまうという展開が本書でもありましたが、プロットなしで書いているからこうなるんでしょうかね。
    また、本書の中で、豪華客船「飛鳥

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    2009年10月07日
  • 後鳥羽伝説殺人事件

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    浅見光彦の1stケース。
    8年前,浅見の妹・祐子の事故が起きた地での殺人事件。
    そして,関連のなさそうな2つめの殺人事件。
    8年前の事故と関係はあるのか…。
    浅見光彦は物語中盤から刑事のサポート役として登場する。
    最初に読んだのは高校の時なので,時代背景は古く感じるが,
    再読しても十分に楽しめた。
    個人的には,地元広島が舞台と言う点も楽しめた。

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    2009年10月04日
  • はちまん(下)

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    第2次世界大戦後の日本人の描写を含めた推理小説。戦争を生き抜いたじいさんの気持ちが分かるかも・・(下)

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    2009年10月04日
  • はちまん(上)

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    第2次世界大戦後の日本人の描写を含めた推理小説。戦争を生き抜いたじいさんの気持ちが分かるかも・・(上)

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    2009年10月04日
  • 斎王の葬列

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    この作品ははまって読みましたね〜。全体に漂っているもの哀しさが私を射ました。斎王については源氏物語くらいしか知りませんけど(苦笑)。今回も浅見光彦は必殺仕置人になるのですが、前回と比べたら、まっ許せるかな〜と。運命とか宿命とかただの言葉にはできないナニカってあるんですよね〜。そのナニカに対しては人間は無力だというのが、これほど科学が進んでいるのに、と思うとやるせなくなることがあります。でもその”切なさ”を思えるからこそ人間として生きていけるような気がします。

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    2009年10月04日
  • 孤道

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    著者の遺作

    浅見光彦シリーズ


    熊野古道の牛馬童子の頭が斬り落とされた事件が、
    不動産会社社長の殺人事件、
    古墳をめぐる大きな謎へと発展していく

    ゾワゾワわくわくしながら、読み進めた

    後編は一般公募による新人の作とのことで、
    これをどう結末つけるのか、楽しみ

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    2025年09月27日
  • 新装版 漂泊の楽人

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    浅見光彦シリーズの11作目。
    1986年に出版されたそうなので、39年前になりますか。
    随分昔の作品になるので、今読み返すと、色々と古いです。
    ワープロとかフロッピーとか、勿論、スマホなんて出て来ませんし、概念というか、思考も古いかなと思われます。
    例えば、大手銀行の重役が父親なら良縁だと母親が喜んだり。
    今回も、ヒロインが出て来て、ほんのり甘い雰囲気になりますが、そこは浅見光彦らしい不甲斐無さで、発展する事はなく、愉快。
    物語自体は複雑なトリックというものではなく、謎を一つ一つ根気良く解いてゆく、という感じでしょうか。
    東野圭吾や有栖川有栖を読んだ後だったので、余計に、全体的に古さを感じてし

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    2025年09月03日
  • 「首の女」殺人事件

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    名探偵浅見光彦シリーズです。
    高村幸太郎や知恵子の事をよく知っていたら、物語をもっと楽しめたかな、と思います。
    物語の中で、なんとなくいつも思うのですが、女性の浅はかさ故に、浅見光彦の推理を邪魔し、解決を遅らせる、といった感じ。
    女性は、理性よりも感情を優先させる…そういう意識が作者にはあるのか、或いはそういう女性像を敢えて書いているのか。
    ヤキモキさせるところが、また物語に深みを出しているのかもしれません。
    今回のマドンナは、さっぱりとした小気味の良い女性で、私的には良いコンビになるのではと思うタイプ。
    終わりもちゃんと匂わせているのだけど、でも永遠の三十三才で独身の浅見光彦なので、上手くい

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    2025年07月03日
  • 「萩原朔太郎」の亡霊

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    ネタバレ

    語り手だった人が殺されるのはビックリした。
    萩原朔太郎の詩の暗い雰囲気の中での連続殺人は不気味でわらべうた殺人のような空気を感じた。
    刑務所で生まれ、マスコミに持ち上げられて落とされて最後は誰にも知られずに凍えて死んで、死んだ後まで利用される遊佐克人の人生ってなんだったんだろ…

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    2025年06月17日
  • 少女像は泣かなかった

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     以前に読んだ「多摩湖畔殺人事件」の実質的な主人公である河内刑事と、推理力抜群な車椅子の美少女橋本千晶が再登場する短編集ということで、手に取ってみた。
     旅情漂う話や怪談じみた話など、バラエティに富んだ4編が収録されている。提示される謎がどれも魅力的で、尚且つキャラ立ちしたふたりの活躍がとにかく面白い。

     お気に入りは「踏まれたすみれ」と「少女像(ブロンズ)は泣かなかった」の2編。
     前者はラジオに混線した奇妙な声から推理を巡らせ、殺人事件との繋がりを見出す過程が本格ミステリしていて面白かったし、車椅子の千晶に迫る危機にハラハラさせられページを捲る手が止まらず、一息に読んだ。
     後者は夜な夜

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    2025年05月30日
  • 天城峠殺人事件

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    浅見光彦シリーズ7作目。

    あらすじを見た時、薄っすらと記憶があり、以前読んだ事があるような気がしました。
    読み進めていくと、案の定朧げながら覚えていたのですが、結末までは覚えていなかったので、再読という形で読み終えました。

    結末としては、すっきりしない終わり方になってしまい、偉そうな警察にギャフンと言わせられなくて残念。
    トリックは、知っていたので、知らなかったらなるほど、と感心したのだろうなと思います。

    兄の陽一郎さんは、やはり天才で頼もしく、浅見光彦が頭が上がらないというのが分かるエピソード。
    尊敬しつつも、嫉妬もしてたり、でもやはり出来る兄が誇らしくもあり。
    そして、その弟の優秀さ

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    2025年05月29日
  • 浅見光彦殺人事件

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     かなり以前に読んでいた内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、この作品は「第48作目」です。今回の舞台は “柳川(福岡)”。
     ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、本書は作者の内田さん自らが風変わりな作品と記しているとおり、“浅見光彦シリーズ” を何冊も読んでいる読者ほど違和感を覚えるものでしょう。

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    2025年05月25日
  • 「首の女」殺人事件

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    ネタバレ

    【浅見光彦⑩】「首の女」殺人事件
    美術展で高村光太郎の彫刻「首の女」が登場し、智恵子の紙絵や純愛物語が紹介され、これが事件の背景として繰り返し言及されて作品全体を象徴的に覆い纏う
    「首の女」は犯人の心理や事件の引き金、愛と執着を象徴するキーアイテムであり、高村光太郎が智恵子を想う一方的な狂気(純愛?)と、犯人の動機(愛情の歪みや嫉妬)が二重写しに見える伏線として機能する
    文化的要素のモチーフが表面的な飾りではなくて自然に織り交ぜられ作品に深みを与える内田康夫先生にしては珍しく成功している(笑)
    光光コンビが光太郎に関わる事件を扱う光の三重奏w

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    2025年05月17日
  • 後鳥羽伝説殺人事件

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     名探偵・浅見光彦が登場し、最後に怒涛の推理を展開するが、本作の主人公は上司と対立し捜査を外された刑事の野上である。
     本作の舞台となった広島方面から島根方面へ抜けるルートには実際に後鳥羽上皇が流刑になった時に通ったと思われる史蹟が数多く残っているらしい。その伝説が常に副線として流れ、主線の事件は8年前にまで遡る。そこに浅見光彦登場の理由もある。
     携帯電話の発達した現代では、本作のトリックは無理だが、少し時代が古いこうした推理小説も面白みを感じていいものだと思う。

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    2025年05月07日
  • 赤い雲伝説殺人事件

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    名探偵浅見光彦シリーズ。
    素人画家の描いた絵が事件の発端となる。
    赤い雲の伝説と、原発問題を絡めた、少し考えさせられる内容かな。
    この巻から寅さんのように、ヒロインがその話毎に出てくるのだろうか。
    右往左往する警察を尻目に、机上の空論のみで事件を解決する浅見光彦が痛快。

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    2025年04月27日
  • 佐渡伝説殺人事件

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    佐渡の風土が見事に表現され、その中で、謎に満ちた殺人事件の真相がベールを剥がすように解けていく。佐渡への興味からこの本を手に取った私には、非常に引き込まれる作品だった。贅沢を言うならば、殺人の動機に人間の悲哀を感じられたら、もっと惹かれたと思う。

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    2025年04月24日
  • 平家伝説殺人事件

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    随分昔に一度読んだ事があるかなと思いながらも読んでみたけど、やっぱり読んだ事があった。
    ので、途中で読むのをやめた。
    内容的には、よく考えられたミステリーだと思う。
    浅見光彦の一番人気のあるヒロインだという佐和さんも出てくる。
    まだ、シリーズものにする予定がなかった頃の作品で、佐和さんと結婚しそうな終わり方だったらしい。
    その後、シリーズとなり、永遠の33歳独身、ということになったそうなのだが。

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    2025年04月24日
  • 新装版 平城山を越えた女

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    1990年に初版が刊行された浅見光彦シリーズ。
    舞台は奈良。

    奈良博の前に実在していた「日吉館」や戦時中に盗まれた新薬師寺の「香薬師仏」など奈良と仏像、歴史好きにはわくわくする設定でした。

    仏像好きはその仏像のフォルムうんぬんだけではなく、自然災害や戦争などの人災を乗り越えて人々の祈りの対象として守られてきた仏像の歴史にロマンを感じるということを内田さんはわかっているのだなぁ。

    そのような時代を超えた多くの人々の思いがこもった仏像を自分だけのものにしたいという独占欲の強い人間は歴史上何度か現れているし、今もそういうヤツがいてもおかしくない。節度って大事だし、そいうい自己中心的な人って犯罪

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    2025年03月19日
  • 新装版 平城山を越えた女

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     かなり以前に読んでいた内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、この作品は「第42作目」です。今回の舞台は “奈良”。
     ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じました。
     今ひとつ、スキっとはしませんでしたね。

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    2025年03月06日
  • 伊香保殺人事件

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     かなり以前に読んでいた内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” ですが、この作品は「第41作目」です。今回の舞台は “伊香保(群馬)”。
     この作品、ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、シリーズのなかではちょっと変わったテイストのように感じました。
     こういう読後感も悪くはないですね。

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    2025年02月23日