【感想・ネタバレ】少女像は泣かなかったのレビュー

あらすじ

涙を流すという奇跡のブロンズ像に秘められた犯罪の真実。表題作ほか両親を亡くした車椅子の少女と娘を失った鬼刑事の心の交流が解きあかす四つの謎。

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Posted by ブクログ

両親がなく車椅子の少女のような二十二歳の千晶が、世話役の公江や娘を失った河内刑事と過ごす中で遭遇した四つの事件。箱根のロープウェイ、医師との結婚相談所、クラシック番組の混線と宗教勧誘、表題作。三人をはじめ登場人物が然り気無く立っていて、テンポも良くて、シリーズものっぽいものの問題なく引き込まれた。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

 以前に読んだ「多摩湖畔殺人事件」の実質的な主人公である河内刑事と、推理力抜群な車椅子の美少女橋本千晶が再登場する短編集ということで、手に取ってみた。
 旅情漂う話や怪談じみた話など、バラエティに富んだ4編が収録されている。提示される謎がどれも魅力的で、尚且つキャラ立ちしたふたりの活躍がとにかく面白い。

 お気に入りは「踏まれたすみれ」と「少女像(ブロンズ)は泣かなかった」の2編。
 前者はラジオに混線した奇妙な声から推理を巡らせ、殺人事件との繋がりを見出す過程が本格ミステリしていて面白かったし、車椅子の千晶に迫る危機にハラハラさせられページを捲る手が止まらず、一息に読んだ。
 後者は夜な夜な少女のブロンズ像が涙を流しているという怪談からセレブ妻の死の真相に迫っていく謎解きが興味深く、トリックを暴く千晶の明晰さが光る一編となっていた。

「多摩湖畔~」のように、河内刑事が刑事魂を迸らせて奮迅する姿も見てみたかったという気がする。シリーズがこの4編で終わってしまったのももったいないなぁ…

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2025年05月30日

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