遠藤功のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ動物園嫌いなわたしが、旭山動物園に行った時のあの感動。ついお土産を買いすぎてしまう感じ。あれは何なのか?どこからきているのか?「旭山動物園は、経営の面からも勉強になる」というお話を聞き、その秘訣が知りたくてたどり着いた一冊。
・個を生かす人材育成の考え方
・リーダーのあり方
・時代の変化と、ゆずれないもの。
一貫してぶれることのない、信念。その上に、今日の人気がある。けれどもこの本の面白いところは、「成功した後~これからが旭山動物園の本質が問われる時」とし、「まだ35%しか実現できていない」という園長の声を紹介する。
底知れないパワーを感じさせる“成功”をひも解きつつも、今日から自分の職場で取り組めるヒントが見つけられるのがうれしい。 -
Posted by ブクログ
現場が自律的に問題を解決するようになるための仕組みづくりが「見える化」である。そのために、現場があるべき像を認識し、現実とのギャップを「問題」として認識する。そして、この問題が目に飛び込んでくるような仕組みを整備し、上司や本部に言われずとも問題の真相を究明し、問題解決にあたるようにする。問題が解決されたかどうかも見えるようにする。強い企業は問題が解決されると更にレベルの高いあるべき像を設定し、現場を途切れることのない問題解決に向かわせるようになっている。組織人としてしっかりと認識しておくべき概念であり、多数の例が掲載されている本書はマネージャとして必読書と考える。
-
Posted by ブクログ
『これを読みきったとき、
あなたは真のリーダーになる』
そんな帯を贈りたい。
真のリーダーとは
自分にしかない働き方であって、
自分の使命を全うする生き方である。
自分らしい生き方・働き方です。
そこには6つの旭山動物園の『感動が利益を生む』本質的ビジネスのあり方があるように思います。
【常信念】
「どんな動物だってすごい!動物の命の価値に差がない」ということを伝える信念=存在理由。時代がどのように変化しようと、それはかたくなに守り続けなければならない。
常のない変は単なる根無し草。
【智恵】
効率的な組織運営は、人が足りないくらいがちょうど良い。逆に、人が余っているような組織からは、智恵はなかなか生まれない。
【原体験】
現場の使命感、責任感の強弱を分けえるものは何なのか。
動物園は、繁殖する動物より、死んでいく動物のほうが多い。目の前に死があるから、いまいる動物の魅力を伝えようという気持ちが自然に湧いてくる
【個】
活力ある職場とは、型にはめて「個性」を削ぐのではなく、その中に眠る能力や持ち味を引き出したほうがいい。だから、自主的な楽しい仕組みが自然発生継続する。
【価値フォーカス】
「来園者を増やすつもりがなかった」少しでも多くのお客さんに動物のすごさを伝えたい。
来客者を増やすことは目的ではなく、顧客満足に大きな関心を払う。
そして、それが来園者の「感動」を生み出し、来園者数の増加という「結果」をもたらした。
寒天メーカー 伊那食品工業 塚越寛会長が、『人は自然にウンチが出るでしょ。それと同じで、健粉企業からは自然に利益が出るものだと思っています』というようなとても自然に健康なプロセスがある。
商品やサービスに独自の「価値」があってこそ、顧客は商品やサービスに「満足」、「感動」し、それに対価を払い、利益が生まれます。
【プラトー型の成長】
「成功の復讐」~自分たちを成功に導いた考え方ややり方が、時代の変化とともに通用しなくなる。
ダーウィンは進化論で
「最も強いものや、もっとも大きいものが生き残るのではない。変化に対応できたものだけが生き残るのだ」といっているように、柔軟性をもって環境変化に対応していく。
これを遠藤功さんは「串団子」といっていますが、
もう一歩加えて
私は「個の串団子」といいたい。
全部草もちではなく、
全部磯部焼きではなく、
いくつもの味の団子が
信念という1本の串で
ズバッとつながっている。
私たち一人ひとりがここにいる意味=価値が輝く集団のあり方が語られています。
未来のスケッチという14枚のスケッチから始まった
旭山動物園の再生の出発ですが、
それはビジョンを掲げる土台~組織~のあり方があってからこそ。
感動をビジネスにしたい人へ、必読です。 -
Posted by ブクログ
機能的価値を満たすだけではなく、情緒的な価値を満たす商品がこれからは必要。
これは花王の社長も同意見。
具体的な製品で言えば、
エルメスの「バーキン」、サントリーの「プレミアムモルツ」などで、
その商品に独創的なストーリーがあることが重要。
消費者はストーリーを求めている。
経済的豊かさが高いだけでは、プレミアムではなくLuxury:単なる贅沢品。
プレミアム市場とは、
経済的豊かさを備えつつ、消費者の欲望の質が高いことが条件となって形成されるもの。
昔から日本人には根拠のない海外信仰があるにせよ、
いつまでも海外ブランドにプレミアムを牛耳られているわけにはいかない。 -
Posted by ブクログ
最近、プレミアムという言葉は非常によく使われている。
なぜそんなにプレミアムが叫ばれるのか?
日本の消費構造にはどんな変化が起きているのか?
プレミアム、それは機能的価値と情緒的価値の融合したものだ。
日本は機能的価値という点ではおそらく世界でトップを走っているだろう。
でも日本ではプレミアムと呼ばれるものが欧州ほどない。
それは情緒的価値といったものを打ち出せていないからだ。情緒的価値って一体なんだろう?
それはそのものができるまでの歴史であり、ストーリーと呼ばれるものではないだろうか?よいものを作れば売れるからはもう脱却しなければいけない。
マーケティングではなく作り手(個)がよいと思う主観を育てる風土も必要だ。
日本がプレミアムを創造するために必要な3つのパラダイムシフト、8つの原則、5つの施策などプレミアムについの分析がよくなされていると思った。
最終章には日本発のプレミアムブランドについて書かれている。やはり普通の企業とは一味違う。 -
Posted by ブクログ
・著者について(楽天ブックスより)
遠藤功(エンドウイサオ)
早稲田大学ビジネススクール教授。株式会社ローランド・ベルガー会長。早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機株式会社、米系戦略コンサルティング会社を経て、現職。早稲田大学ビジネススクールのMBA/MOTプログラムディレクターとしてビジネススクールの運営を統轄。また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、経営コンサルティングにも従事し、高い評価を得ている。
・本書について(楽天ブックスより)
ベストセラー『現場力を鍛える』の著者が書いた旭山動物園奇跡の現場力。廃園の危機から入園者数12倍に!すべては14枚のスケッチから始まった。
・気に入った箇所
日産のリバイバルはマジックではなくロジック
旭山動物園の成功の背景にあるものやその要因は、経営に関する知識や分析・戦略などといったものではなく、「現場の人たちがもつ純粋な動物に対する愛、自分の動物園に対する愛」以外にないと考えます
うちは「串団子」なんです。団子ひとつずつを見れば、大きい、小さいといろいろある。大切なのは、それぞれの団子が一本の「軸」に刺さっていること。「軸」にさえ刺さっていれば、大きい、小さいは個性であり、その個性を活かせばいい
そこで必要となるのが、串団子の「串」の部分です。「串」は理念、価値観、ビジョンと言い換えてもいいでしょう
思い描けないものは、どうやっても実現不可能です
思いを単に語るだけでなく、「スケッチ」という目に見える形に落としこんで、具象化したという点にあります
見る側の勝手な期待を押しつけて、動物の見せ物のように扱うのではなく、動物がもともともっている魅力、すごさをありのままに伝えること。それが旭山動物園で代々引き継がれてきた「信念」なのです
「信念」を腹に落として理解し、体に染み付くほどの強烈な「体験」が欠けているからだと思います
動物のすごさはそんなところにはありません。人間なんかよりずっと速く泳げて、速く走れて、高くジャンプする能力が、それぞれの動物に備わっているのです
同じパンだでもこのように待遇で差がつくのは、見せる側が勝手に動物の価値を決めているからにすぎません。
人間の意識というものは、どうしても固定的、硬直的になります
それは動物の「種」ではなく「個」に焦点を当ててその魅力を伝えていたからです。
旭山動物園が来園者数を増やした最大の理由は、行動展示という展示方法のイノベーションを生み出したことにあります
自分たちでアイデアを出し、結果を分析し、学習しながら、より効果的なものに練り上げていきます
旭山動物園の最大の強みは、現場からの創意工夫やアイデアが次々と生み出される現場力にあります。
自らの言葉で「信念」を語るという「発言力」が飛び抜けています。
リーダーの役割とは、現場を管理することではなく、現場を尊重し、育てる一方で、自分たちの「信念」を発信することにあるといえます
旭山動物園が自らの現場力を高めることができた要因は三つあると考えています。まず「何でも自分たちでやったこと」、次に「失敗を恐れずにチャレンジし続けたこと」、そして「現場の一人一人に、強烈な使命感があったこと」。
手書きのメニューのほうが、鮮度の高い料理を出してくれそうな印象を与えるものです。
「試すことの7割は失敗ですよ。でも、だから楽しいんです」
3割程度しかうまくいかないということは、自分の知恵を活かす余地がまだ7割もあるってことですからね
野生動物はペットと違って決して人間を信用しない、頼らない生き物だ。ヒトと違い治療・延命という概念、価値観を持たない動物は、痛み、苦しみも受け入れて、生きているうちは生きている。
「この商品が好きだから、みんなに知ってもらいたい」、「このサービスで社会を幸せにしたい」と、内面から生じるものに突き動かされて働く人にとって、その責任感や使命感は持続的です。
新人が入ってきても、教えるのは本当に基本的なことだけ。そこから先は、自分で考え、悩みながら身につけていくというのが旭山流人づくりです。
勉強会でみんなに聞いてもらえるから、一生懸命勉強するという面はあると思います。
旭山動物園のやり方は「教える」のではなく「引き出す」。
旭山動物園では、組織の文化として、お互いに認め合い、支えあう精神が根付いています。
職場の環境って、与えられるものじゃなくて、みんなで努力して創るものだという気がしています。
もっとも強いものや、もっとも大きいものが生き残れるのではない。変化に対応できたものだけが生き残るのだ。
個人も企業も、周りから「本当に頑固だな!」と言われるぐらいの芯の強さが必要です。
経営を構成する要素について一つ一つ丁寧に解析していくと、突飛なことは一つもありません。
・お薦め度
☆☆☆
読後に清々しい北海道の風が流れるような、そんな感じを覚えた。
難しい経営手法、マネジメント手法を駆使して旭山動物園を再生させたわけではない。しかし結果としてそれらを分析すると、あるべき、なされるべき活動が回っていたということだ。
それらを生み出すのは、やはり動物やお客さんに対する思い、信念だろう。
この概念がどこの分野でも共通のことであると思う -
Posted by ブクログ
組織の運命を変える「触媒」として生きる――不連続な変革を起こす全技法
本書は、戦略コンサルタントを単なる「分析の専門家」ではなく、組織に化学反応を引き起こす「触媒」へと昇華させた一冊だ。著者の遠藤功氏は、デジタルという武器で会社を生まれ変わらせる(DX)真の変革には、外部視点を持った触媒の存在が不可欠であると説く。
1. コンサルタントの真の役割:変革の「触媒」
コンサルタントの本質的な役割は、内部の人間だけでは難しい「不連続な変革」を断行することにある。
インサイダーを超えて: 内部視点に縛られず、アウトサイダー(部外者)の視点や発想を注入し、組織をダイナミックに変容させる。
「その気にさせる」力: 優れた戦略を立てるだけでなく、クライアントを突き動かし、実行へと導くプロセスこそが重要である。
2. 一流の「触媒」となるための5つのこだわり
現場で結果を出し、組織を動かすために一流が守り抜く「こだわり」が5つのポイントに集約されている。
「適社性」: その会社にとって本当に相応しい解決策(Fit)を追求する。
「ファクト、数値」: 感情論ではなく、常に数字と事実を根拠に語る。
「概念化・構造化・言語化」: 混沌とした情報を一つのコンセプトに整理し、最適な言葉で表現して裏付けを示す。
「膝詰め」になる: クライアントと膝を突き合わせ、徹底的に対話することで、真の信頼と実行力を引き出す。
「現場」: 答えは常に現場にある。現場のリアリティからロジックを組み立てる。
3. プロとして勝ち残る「5つのパラダイムシフト」
変化の激しい市場で価値を提供し続けるために、ビジネスパーソンが持つべき行動原理が鮮やかに示されている。
「社内価値」ではなく「市場価値」: 特定の組織に依存せず、どこでも通用する個の力を磨く。
「プロセス」ではなく「結果」: 努力の過程ではなく、生み出した成果に徹底的にこだわる。
「相対」ではなく「絶対」: 他人との比較ではなく、自らが掲げる絶対的な基準で勝負する。
「他律」ではなく「自律」: 指示を待つのではなく、自らの意志で行動し、自己を管理する(上司は自分自身)。
「アンコントローラブル」は捨て、「コントローラブル」に集中: 自分の力で変えられないことに悩まず、変えられることに全力を注ぐ。
総評:IQ × EQ × プロフェッショナルマインドの追求
一流への道は、知性(IQ)と感性(EQ)、そしてクライアントの成功へ執着するプロフェッショナルマインドの掛け算によって切り拓かれる。本書は、スキルアップを目指す若手だけでなく、組織を率いるリーダーにとっても、己の「あり方」を正すためのバイブルとなるだろう。