あらすじ
◆著者のコメント
テッセイはJR東日本の子会社で、そこで働く820人の人たちの主な仕事は新幹線や新幹線駅構内の清掃です。下請けの、おじさんやおばさんばかりの、お掃除の会社。ちょっと素敵なことなど起こりそうもない会社で、私は数多くの胸を打つエピソードに接し、「世界一」と言っていいほどの現場力を目にすることになりました。プロの仕事ぶりには目を見張りますし、礼に始まり礼に終わる姿勢には大変にすがすがしいものを感じます。決して「特別な会社」ではないけれど、「きらきら輝くふつうの会社」、それがテッセイなのだと思います。
■目次
はじめに
プロローグ なぜ新幹線の車両清掃会社がこれほど私たちの胸を打つのか?
●第1部 「新幹線劇場」で本当にあった心温まるストーリー
~エンジェル・リポートから~
・NO1 真っ赤なプライド
・NO2 ピカピカのトイレ
・NO3 酔っぱらいの簀巻き
・NO4 わたしの仕事はおかあさん
・NO5 グレーのハンチング帽
・NO6 がんばるぞ! 日本
・NO7 駅の中の接客業
・NO8 見送りはわたしが
・NO9 赤ちゃんの靴下
・NO10 お命、預かっています
・NO11 新幹線の運転士からお掃除へ
●第2部 「新幹線劇場」はどのように生まれたのか?
~「最強のチーム」が誕生する2500日の物語~
おわりに リスペクトとプライド
◆著者はこんな人
遠藤功(えんどう・いさお)
早稲田大学ビジネススクール教授。株式会社ローランド・ベルガー会長。
早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。
三菱電機株式会社、米系戦略コンサルティング会社を経て、現職。
早稲田大学ビジネススクールでは、経営戦略論、オペレーション戦略論を担当し、現場力の実践的研究を行っている。
また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、経営コンサルティングにも従事。戦略策定のみならず実行支援を伴った『結果の出る』コンサルティングとして高い評価を得ている。
『現場力を鍛える』はビジネス書評誌「TOPPOINT」の「2004年読者が選ぶベストブック」の第1位に選ばれた。『見える化』は2006年(第6回)日経BP・BizTech図書賞を受賞。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
新幹線の掃除をメイン業務としているテッセイ(鉄道整備株式会社)の業務改善の取組を紹介した本。
新幹線の折り返し停車中12分のうちの7分で車内を清掃するだけでも大変なのに、新幹線の発着時や清掃後に整列して礼をしたりホームでお客様を案内したり。
必ずしも職員間の関係性がよくなかった人たちをキラキラ輝く仕事に変えた人たち。
そんなにテキパキ仕事ができる人をどうやって育てたのか、どうやってモチベーションを保つのか、といったことに関心があって読んだが、リスペクトとプライドが大事らしい。自身の仕事や自分の職場でも気をつけよう!と思うら、
Posted by ブクログ
感動と涙なくして読めませんでした。下手なドラマや映画、小説より、よっぽど泣けました。一番好きなエピソードは、「真っ赤なプライド」~下手なプライドを捨てて、真のプライドを得た方のお話です。~現場を尊重し、尊敬することがこれほどに人間を、また組織を成長させるとは、たいへん勉強になりました。スモール・ミーティングの良きお手本としても。
Posted by ブクログ
<良かった箇所メモ>
・自分たちの仕事は清掃だけではない。お客様に気持ち良く新幹線をご利用いただくことだ!
・新幹線劇場。私たちはお客様の旅を盛り上げるキャストなのです
・JR東日本の東京駅の駅長さんとの昼食会をセットし、意見交換の場をつくった
・滅多に入ることのない貴賓室に入らせてもらった
・新聞社に掛け合い、カエル運動の人を目玉として大々的にPRしてもらった
・業務のサービスを複数チームでパネルディスカッション@豪華なホテル
・車両清掃競技会を本物の車両で行う
・よりよい取り組みの具体例を示し、それを実践した人を褒める冊子や、会社として正式に表彰する。「よく褒めた人を褒める」
・ノリが良くなる言葉を意識的に使おう運動。
Posted by ブクログ
評判になっているのでという程度が読もうと思ったきっかけだったのだが。
まあ、鉄道にも多少興味はあるし、ビジネススクール系で取り上げられることも多いし。
読んでみて、ちょっと意識が変わった。
「凄い」
確かに多くの人が評価している様に、清掃という現場で活躍している社員のみなさんが凄いことも間違いないが、JRから異動した矢部専務の思いと実行力に圧倒される。
官僚的な組織も、思いと人が居ればここまで変われるのかと。
日本や日本人の素晴らしさはまだまだ健在であると言えるのだろう。
是非、大学経営者層に読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
テッセイという新幹線お掃除チームが働く中で起こった暖かいエピソードを多く紹介した後に、それらがどうやって起こるようになっていったか企業変革、チームワークの作り方などが紹介された書籍である。
心温まるエピソードには本当にほっとするものが多かった。
その後の今のテッセイがあるのはなぜか?紹介されたものには感心してしまうものが沢山あった。
はじめに社員の意識を変える。そのためにロールモデルを作り、みんなにそれを見てもらう。
そして社員の環境を整える。
みんなに会社が上司が本気であることを伝える。それはなにかして伝えるのはもちろんだけれど、現場での働きから社員に感じてもらうことももちろんだ。
そうしたうえで社員が自立、自発、自主性を持って動く仕組みを作る。
社員に答えてもらう。
いつかは社員自身が仕組みを考えて動くようにする。
これこそがテッセイが「普通の会社」から「輝く普通の会社」となったプロセスであり、このモデルが「強い現場」や「輝く現場」を作るものになる。
と感じました!
Posted by ブクログ
コメットさん(新幹線のお掃除する方)たち一人一人の、仕事への誇り、熱意、向上心に心をうたれる。汚れたおトイレのお掃除は本当に大変。乗客への対応も温かい。このようなスタッフを育てるには、制度設計、啓蒙、人材育成などの風土作りが有効なのだなと感じた。
Posted by ブクログ
現場の方の声と、どのように会社が変わっていたのかが書かれていた。
現場の話が面白かった。
トイレの話で終便に近づくほど汚れがひどくなると書いておりそうかと。確かになぁ。
いまどんな会社になっているのだろうか?
Posted by ブクログ
社員同士の心をつなぐ「エンジェルリポート」
エンジェルリポート:社員同士で、業務内容等に関しての感謝や頑張りを褒め称える内容を綴る取り組み
車両清掃を行っているのは、JR東日本テクノハートTESSEI、通称「テッセイ」という会社
ノリがよくなる言葉を記載したノリ語集「エンジェル・ワールド」
ノリが悪くなる言葉を例示したノリません語集「デビル・ノート」
Posted by ブクログ
会社の先輩が読んでいたので手に取ってみました。
全体の分量も多くなく、構成も簡単な本ですが読んで良かったなと思う本でした。
またハートフルなエピソードには胸が熱くなり、直接的に人の役に立つ仕事の良さも本書を通じて触れることが出来た。
学びとして、
①「現場力」と「チーム力」の大切さと、組織としての強さを再認識した
②普通の会社がキリキラの会社になるまでのエッセンスを学び、組織作りのプロセスを学べた
Posted by ブクログ
東京で新幹線乗る前に、いつもスゴいなぁと思って見ていました。
仕事の内容自体は変わらなくても、人からの評価や、会社のありようで 充実した仕事になるんですね。
綺麗な車両に乗るのは楽しみです。
感謝!
Posted by ブクログ
涙が出るシーンも多々ありました。
新幹線を掃除できる時間は7分間。たかが掃除、されど掃除。掃除だけをやっているのではなく、掃除という技術サービスなのだという意識改革。お客様のために何ができるのか。道案内、制服の帽子に季節感のある飾り付け、清掃前後の一礼など。現場と上層部の距離が近い。休憩室のクーラーなど、社員の希望をまずかなえる。褒め合う社風。一年間働けば年齢に関係なく社員登用試験が受けられること。
トイレのつまりは手を突っ込んで取り出すというのには心底驚いた。でもトイレがきれいなのは誰でも嬉しい。トイレはある程度熟練でないと任せられないそう。
Posted by ブクログ
「もっとよくなるはずだ」「もっといろいろなことができるはずだ」と現場が信じ、現場の目線で知恵やアイデアを生み出す。そして、それを自分たちが率先して実行に移す。
まさにボトムアップが成り立っている会社の、心温まるストーリーと、奮闘の歴史がわかって、とても面白く読みました。
そして、
私たちは人生の多くの時間を仕事に費やします。人生に夢がなくなったら、どんなにつまらないことでしょう。だから仕事にもいつも夢があって欲しい。ワクワクする気持ちがあってほしい。
こんなことが言える職場が、本当に羨ましく思いました。
Posted by ブクログ
入社前に課題図書として配布されたようで、チーム内で自分だけ読んでいなかったという事実が発覚し読んだのが理由です。
いまチームでは教育のフローを作成し、実行中です。
もちろん実務的な教育フローはあって然るべきなのですが、「そもそもカスタマーサポートって何だろう?」というマインド部分のマニュアルはありません。
わたし含め経験者が多いチームですが、方針は会社によりけりなので、作成する必要があると感じました。
東北新幹線ユーザーなので、実際の作業を何回も見ていますが、本当に作業が迅速で綺麗に整えて下さっていました。
神技ってこういう事を言うんだろうな、といつも帰省の際に目の前で見ながら思っています。
Posted by ブクログ
世界にも誇れる新幹線の清掃員たちの誕生の話。
やはりすぐに出来上がったものではなく、
各所いろいろ苦労がありました。
でも、風通しの良い職場になったことが、
今の素晴らしい仕事に繋がっているんだなぁ。
底辺を大事にする会社は良いですね。
Posted by ブクログ
「新幹線の掃除のおばちゃん、手際がいいだけでなく礼儀もハンパない」の「つぶやき」が! 地味で目立つことのない仕事に利用者がみんな感動し感謝する・・・。私もその内のひとりでした。(最近は利用する機会がありませんけど・・・)世界最速、一人一人の責任観、プロ意識に裏打ちされた結果としての「魅せる清掃」。「私はこの会社に入るときプライドを捨てました。でも、この会社に入って、新しいプライドを得たんです」いい言葉ですね(笑)蛇足ながら、政治家や役人も、ぜひ、こうあっていただきたいと強く思いました!(失礼しました)
Posted by ブクログ
涙でたー
プライドを持って仕事する
お掃除の天使たち。
いくつものエピソードが心に響く。
新幹線を綺麗にするだけでなく
困ってるお客様をみたら、
すぐに、手を差し伸べる。
人の命を救う人、目の不自由な人を
案内する人、小さい赤ちゃんを抱えた
お母さんに手を貸してあげる人。
快適に旅をして、素敵な思い出を
作ってもらおうという気持ちから
生まれる行動だ。
普通の清掃会社から
トータルサービスを目指し
最強のチーム作り上げるための
取り組みがすばらしい。
環境改善、組織編成だけでなく
小集団活動や従業員提案。
現場力をあげるための努力、
すばらしいチームになるためには
継続して、コツコツやることなんだな。
自分は、そこまで
プライドもって働いているだろうか、
考えさせられる。
Posted by ブクログ
「がんばれ、日本」じゃなくて『がんばるぞ!日本』。3.11震災後の不安な時期に元気をもらえた、お掃除中のプレートのエピソードも載ってましたね。
掃除の会社、下請けの会社、おじさん・おばさんばかりの「普通の会社」が、自主性・自発性・自律性を有した現場力で活性化し、「キラキラ輝く普通の会社」に変遷した物語を綴っている。キーワードはリスペクトとプライド。中でも、緻密に練られた経営陣の仕掛け、またその熱意が奏してOutputに繋がっているんだと思った。
Posted by ブクログ
JR東日本の新幹線の車両清掃などをする会社「鉄道整備株式会社」。
テレビの特集で見たことはあり、降車と乗車の間の短時間で車両内をピカピカにするプロフェッショナルな姿はかっこいいなと思っていました。
その通りの働いている方々の現場のリポートはどれも働くプライドと乗客への思いやりにあふれるものでした。
単なる「清掃の会社」から「おもてなしの会社」へ。
JR東日本東京本社から異動してここまで育て上げた矢部さんの、良い会社にしたいという思いと努力が素晴らしいです。
まさに「世界一の現場力」です
Posted by ブクログ
よくメディアなどで取り上げられている
新幹線の掃除の方々。
一体どういう人たちなんだろうかと
読んでみました。
スタッフの皆さんが どういう気持ちで 取り組んでいるのか? 会社はどう思っているのか?など 気になっていた点が ガッテンできました♪
こういう会社って良いですよね。
素晴らしいです。
Posted by ブクログ
テッセイ(鉄道清掃会社)さんの仕事ぶり「エンジェル・リポート」が素晴らしかった。そして、その現場力を築きあげた7年間は、自分の仕事にも当てはまり、参考になる。【満足度75点】
Posted by ブクログ
以下施策を通じて、ボトムアップ組織に変えた成功事例
・シンプルでわかりやすい組織
・イベントで一体感の創出
・褒める仕組みと表彰
・テンションが上がる&下がる言葉集
・仕事をする上での心構えを指導するテキスト作成
・現場のマネージャーが本気で根気よく取組む事が重要
Posted by ブクログ
自分が知らなかった世界を知れた
どんなことでも取り組み方次第だし、モチベーション次第だと思った
こういう会社が増えればもっと人生が良くなるだろうな〜
普段の当たり前を作ってくれてる方々に感謝
Posted by ブクログ
東京駅から新幹線に乗るときには、少し早く行って、天使たちのお仕事をホームから眺めます。みんな一生懸命働いています。日本ってすごいんだな。
Posted by ブクログ
奇跡の職場の中に出てくるエンジェルリポートの中身が半分くらい。
施策等々、ビジネス知識の習熟としては奇跡の職場の書籍の方が中身が充実していた。
実際の現場のエピソードなど、組織が変わり現場がどのように動いているかを追体験したい場合はおすすめです。
Posted by ブクログ
現場力の必要性についての多くの著書を執筆する著者の作品。新幹線の清掃を行う「TESSEI」の誕生から発展までの歴史と現場で出された「エンジェルレポート」をもとに現場力について記載する。自分の置かれた環境をどう変えていくのか、自分に置き換えることで見えてくるものがある。マネジメント側に立つ人には一読していただきたい。
Posted by ブクログ
サービス・マネジメントについて上司から勧められた1冊。
私たちは何屋なのか?
「誰にも知られたくない仕事か?」
「綺麗にすることだけが仕事か?」
「困った人を助けることも仕事か?」
「転落しそうな人を見かけたら止めてあげることが仕事か?」
「身だしなみを整えて清潔感を自身で体現することが仕事か?」
「お客様に心地よい旅を提供するために挨拶を欠かさないことが仕事か?」
「清掃を手伝ってくれる人に感謝とポストカードをあげることが仕事か?」
→「私たちの仕事は何?」この問いを常に、何年も持ち続ける。
Posted by ブクログ
エール! (3) (実業之日本社文庫)に収録されている
伊坂幸太郎「彗星さんたち」を読んで興味を持った。
それまでもテレビなどで見て話題になっているということは知っていた。
たかが掃除、されど掃除。
礼に始まり礼に終わって、与えられた7分間で最大限に出来ることをやる。
自分の持ち場が早めに終わったら仲間のところへ駆けつけて
チームとして兎に角新幹線を綺麗にして送り出すというところが重要視されている。
表紙にも現場力という言葉があるが、現場の声を大事にしているところが
そうしたチームワークに繋がるのだろうと思う。
初めてすぐに順風満帆にここまで来たのではなく
たかが掃除、という人もいて軋轢を生みつつも
理解してくれる人が徐々に増えて仲間が出来て、
お客さんの方でもわかって見てくれている人が出てきて
だからこそ今につながっているのだなと思った。