あらすじ
2004年より、早稲田大学ビジネススクールの授業で教材として取り上げてきた、
『現場力を鍛える』(東洋経済新報社)の実践版とも言うべき
旭山動物園の経営をテーマにしました。
廃園の危機から入園者数12倍になった、
その秘密は14枚のスケッチにありました。
「成長する経営」「強靭な経営」のあり方を明かし、
厳しい経営環境の下で活力を失いかけている日本企業にとって、
新たな再生の道標を示す手本として学ぶべきことの多い一冊。
まずはあなたの会社の未来スケッチを描いてみてください。
■目次
・プロローグ 旭山動物園の「現場力」を支えるもの
・第1章 すべては「一四枚のスケッチ」から始まった
・第2章 本物の競争力はどこから生まれるか
・第3章 ほかと同じものを作ってもしょうがない
・第4章 元気で強い「現場」を作る三つの要因
・第5章 「串団子」で個を活かす
・第6章 顧客の「感動」が最大のマーケティング
・第7章 大切なのはチャレンジャーであり続けること
・エピローグ 「明るく、正直で、前向き」であることの強さ
■著者 遠藤功
早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。
三菱電機株式会社、米系戦略コンサルティング会社を経て、
現在早稲田大学ビジネススクール教授、ローランド・ベルガー会長。
早大ビジネススクールのMBA/MOTプログラムディレクターとして
ビジネススクールの運営を統轄。
また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、
経営コンサルティングにも従事し、高い評価を得ている。
ローランド・ベルガードイツ本社の経営監査委員でもある。
中国・長江商学院客員教授。
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Posted by ブクログ
『どの企業も差別化を目指しているはずです。しかし、その多くはたとえ差別化に成功しても単発で終わってしまい、後が続きません。属人的なアイデアや小手先の差別化に終始しているからです。
差別化とは、「信念」で裏打ちされた自分たちの存在理由、つまり「自社らしさ」にこだわり続けることにほかなりません。「信念」から出発した差別化は骨太で、力強く、そう簡単に競争力が失われたりしません。競合他社が追随してきても、自分たちはさらに先を行き、進化させることができます。
旭山動物園の行動展示も、「動物のすごさ、美しさ、尊さを伝える」という、ゆるぎのない根っこから生まれています。』
ビジョン、意識、戦略、現場、人材、顧客、変革とありふれたテーマなのに、心に刺さるのは、揺るぎない軸があるから。
「自社らしさ」「信念」について、もっと深く考えるべきなんだろうなぁ〜。
Posted by ブクログ
どん底から這い上がって、大成功した旭山動物園の成功要因を経営などの視点から考察しています。
旭山動物園の場所は、上野動物園とかと比べたら遥かに悪く、市の職員が運営しているので、給料もそんなに上がらない。さらに北海道は人口が少ない。
こんな劣悪な状況の中で、大成功出来るのか。そこには当時の園長が曲げなかった信念や、職員の動物に対する愛があったからこそ、乗り越えられましたが、会社の経営にも同じ考え方は社長、社員共に持つべきものです。
といった具合に、とっても分かりやすく本質的な事が書かれている、素晴らしい本です。
私はこの本で会社を成功させるために重要な理念などを学びました。また同時に、他の動物園とは全く違った旭山動物園の魅力を理解することが出来たと思います。
Posted by ブクログ
■厳しいときだからこそ「旗」を立てる。
思い描けないものは、どうやっても実現不可能。たとえそのときには絵空事でも、夢を語り、描くことは、理想を実現する第一歩である。
そして、思いを形にするときは、文章や言葉で表現するより、できれば絵やイラストとして残す。
言葉は抽象的で意味がぼやけることがあるが、絵やイラストなどビジュアル化は常に「具体化」される。具体化は思いを煮詰めて初めて出来ること。ビジュアル化により、思いが詳細化され、より強固になる。
■オープンアイズ
意識が大きく変わること。
固定観念にとらわれてしまわないように、異質との出会いが必要。刺激を与えて物事を新鮮な目で見ることが出来るようになる。
■結果ではなく価値にフォーカスする
商品やサービスに独自の価値があってこそ、顧客は商品やサービスに満足し感動し、それに対価を払い、利益が生まれる。けっして最初に売上高や利益がくるわけではない。
Posted by ブクログ
動物園嫌いなわたしが、旭山動物園に行った時のあの感動。ついお土産を買いすぎてしまう感じ。あれは何なのか?どこからきているのか?「旭山動物園は、経営の面からも勉強になる」というお話を聞き、その秘訣が知りたくてたどり着いた一冊。
・個を生かす人材育成の考え方
・リーダーのあり方
・時代の変化と、ゆずれないもの。
一貫してぶれることのない、信念。その上に、今日の人気がある。けれどもこの本の面白いところは、「成功した後~これからが旭山動物園の本質が問われる時」とし、「まだ35%しか実現できていない」という園長の声を紹介する。
底知れないパワーを感じさせる“成功”をひも解きつつも、今日から自分の職場で取り組めるヒントが見つけられるのがうれしい。
Posted by ブクログ
一番苦しいときでも信念を曲げることなく、徹底的に自分たちで創り上げていった姿勢。何でも自分でやる姿勢には感動した。
タイトルどおりこの動物園のドラマには組織、管理、リーダー、やる気、現場力など経営に必要なエッセンスが盛り込まれていてとてもよかった。
串団子という考え方は面白かった。大きい、小さい団子はそれぞれ個性でそれを貫く1本の軸にささっていることが重要。
Posted by ブクログ
私の勤める製造業の現場にもとてもよく当てはまる示唆に富む内容だった。
個人的には以下の3点が参考になった。
・新しい価値の種はいつも個人から生まれる
・旭山動物園の成功は「串団子(信念と個の力)」が鍵
・差別化は現場の創意工夫の積み重ね(ソフト力)から生まれる
Posted by ブクログ
今の旭山動物園の原点は夢を語り合い、思い描いた14枚のスケッチ
夢を語るだけじゃない
スケッチに
目に見えるものに
わかりやすくすること
夢を個の夢にせず全の夢へ
『串団子』のように
個性ある団子をひとつのぶれない軸(串)でチームをつくる
この本はただの成功体験じゃない
夢が
熱い想いが
詰まっています
Posted by ブクログ
『これを読みきったとき、
あなたは真のリーダーになる』
そんな帯を贈りたい。
真のリーダーとは
自分にしかない働き方であって、
自分の使命を全うする生き方である。
自分らしい生き方・働き方です。
そこには6つの旭山動物園の『感動が利益を生む』本質的ビジネスのあり方があるように思います。
【常信念】
「どんな動物だってすごい!動物の命の価値に差がない」ということを伝える信念=存在理由。時代がどのように変化しようと、それはかたくなに守り続けなければならない。
常のない変は単なる根無し草。
【智恵】
効率的な組織運営は、人が足りないくらいがちょうど良い。逆に、人が余っているような組織からは、智恵はなかなか生まれない。
【原体験】
現場の使命感、責任感の強弱を分けえるものは何なのか。
動物園は、繁殖する動物より、死んでいく動物のほうが多い。目の前に死があるから、いまいる動物の魅力を伝えようという気持ちが自然に湧いてくる
【個】
活力ある職場とは、型にはめて「個性」を削ぐのではなく、その中に眠る能力や持ち味を引き出したほうがいい。だから、自主的な楽しい仕組みが自然発生継続する。
【価値フォーカス】
「来園者を増やすつもりがなかった」少しでも多くのお客さんに動物のすごさを伝えたい。
来客者を増やすことは目的ではなく、顧客満足に大きな関心を払う。
そして、それが来園者の「感動」を生み出し、来園者数の増加という「結果」をもたらした。
寒天メーカー 伊那食品工業 塚越寛会長が、『人は自然にウンチが出るでしょ。それと同じで、健粉企業からは自然に利益が出るものだと思っています』というようなとても自然に健康なプロセスがある。
商品やサービスに独自の「価値」があってこそ、顧客は商品やサービスに「満足」、「感動」し、それに対価を払い、利益が生まれます。
【プラトー型の成長】
「成功の復讐」~自分たちを成功に導いた考え方ややり方が、時代の変化とともに通用しなくなる。
ダーウィンは進化論で
「最も強いものや、もっとも大きいものが生き残るのではない。変化に対応できたものだけが生き残るのだ」といっているように、柔軟性をもって環境変化に対応していく。
これを遠藤功さんは「串団子」といっていますが、
もう一歩加えて
私は「個の串団子」といいたい。
全部草もちではなく、
全部磯部焼きではなく、
いくつもの味の団子が
信念という1本の串で
ズバッとつながっている。
私たち一人ひとりがここにいる意味=価値が輝く集団のあり方が語られています。
未来のスケッチという14枚のスケッチから始まった
旭山動物園の再生の出発ですが、
それはビジョンを掲げる土台~組織~のあり方があってからこそ。
感動をビジネスにしたい人へ、必読です。
Posted by ブクログ
会社で社長が配った本。
参考になるから読んでともらったが、中身はとても良かった。確かに色んな意味で自分達で考えてやる事が大事なんだとよくわかる。
言われてやる人間を育てないことが大事と思う。
Posted by ブクログ
"10年後、20年後の姿を明確にイメージする事は決して難しいことではないが、簡単な事でもない。
逆境の最中で、イメージとして具現化し、そのビジョンに向かって行動した結果、成功が付いてきた。
そんな旭山動物園の様々なエピソードを盛り込んだ一冊。
私は個人としてのビジョンをまだ明確に持てていないが、この一冊を通じて考えさせられることが多くあった。
それが何かを言語化がまだ上手く出来ないが、
ビジョンのバックボーンは既に自分の中にあり、一度洗い出して明確化する必要があると感じた。
読んでよかった。
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旭山動物園のビジョンは単なる未来予想図ではなく、「信念」
「信念」を形にして「発信」する事で不可能を可能にした。串団子の串はこうして出来た。
差別化を小手先で行おうとしても先が続かない。
信念という根っこの部分にこだわり続けたからこそ、力強い改革が出来た。
信念があったからこそ、現場での力が成長した。
自分で考え、自分で行動するチカラ。すべて理念と信念に基づいている。
何でも自分でやってみようという考えこそが自由な発想を生み、独自なノウハウを作った。
人が足りないのはマイナスではなく新たな手法を生むチャンス。
人材育成をしなければ企業は成長できないという考えの企業が多いが、
旭山動物園は「教える」のではなく「引き出す」
ビジョンが明確であるが為に、一人一人が考えるようになった。"
Posted by ブクログ
著書の考える経営におけるフレームワークにあてはめてみました、という本に見えた。なので、ん?そうか?と思うところもあったりするけど、少なくとも、旭山動物園に行ってみたくなる(行ったことないから)。
Posted by ブクログ
戦略・組織・マーケティングと多領域にわたって話題が提示されていて、これまで自分の中に雑然とストックされた理論や概念を照らし合わせて整理するのに非常に役に立った一冊。
一方、「経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある」とはいえ、詳細な調査・分析に基づくものではなくこの本自体に新しい学びが多いわけではない。著者のフィルター、フレームワークを通じて再解釈なされており、旭山動物園のありのままの姿を映したものでもないだろう。
Posted by ブクログ
【現場をまとめるリーダーにおすすめ】
ビジネスコンサルタントが経営学の観点で旭山動物園を取り上げた一冊。
どうやって、旭山動物園はどん底から復帰したのか?
職員たちをまとめたものは何だったのか?
その答えを知ると、現場で人をまとめることができるだけでなく、ファンを増やすことができるようになるでしょう。
【面白かった内容】
(1)キーワードは串団子
すべての職員は全員で1つの串団子のようなもので、団子のかたちは不揃いでも皆が一本の串にささっている。
その串とは「理念・ビジョン・価値観」だそうです。
旭山動物園は、再生の始めに理想の動物園のスケッチを描き、夢を共有して現場が1つにまったのだそうで。夢を形にしてみせた時のエネルギーは大きいんですね。
どんな理想を目指すかを示した時、皆がリーダーについていくようになるのだ、と理解しました。
(2)種でなく個を語ると想いがのる
動物を語る時は、種でなく個で語る。例えばオランウータンの場合、種族の特徴でなく、名前をもった「モモ」としてのエピソードを語ることで人が興味を持つのだとか。
言うなればAKBも全体でなく、一人一人個別のエピソードやキャラがあるから、「押しメン」のファンになる、ということなのだろうな、と。
「その人」が何をしてきたのか。これを語れると想いが生まれるんですね。
Posted by ブクログ
串団子の経営
個をまとめる串が重要。
結果は自然とついてくる
成功しない会社は、
利益を求めるから歪みが出るということかな。
串もゆがんでるしねぇ。
Posted by ブクログ
書き言葉って、大事。
人の思いは、時と共に変容する。
思いを口にすることは重要ですが、言葉はその瞬間、消えてなくなります。思いを言葉にしたなら、それを文章として表現する。できれば、具現化してイラストに落とし込む。
「信念」の風化
「信念」は「体験」を通じてこそ本物になる。「信念」が、一人一人の心の奥に宿るためには、強烈な原体験が必要。それにより、頭で、わかるのではなく、本気で信じる対象へと昇華する。
Posted by ブクログ
遠藤功さんの本を友人の薦めで読んでみたのだが、とても勉強になったので、最新先を購入。
内容的には「現場力を鍛える」「見える化」「ねばちっこい経営」のエッセンスを旭山動物園の事例に合わせて書いている部分が多いです。(もちろん描いてみることの大切さなど前の3冊に載っていないためになることもたっぷり書かれています。)
3冊の復習、そして自分の好きな動物園の話とあって、どんどんページが進み1日で読み終えてしまいました。
Posted by ブクログ
旭山動物園がなぜ成功したかを、ビジネス面で分析した書。未来のスケッチとは、将来の理想を14枚の絵にしたもので、ビジョンを掲げ共有したもの。串団子の串は理念で、それが揺るぎなければ、団子は個性があってもいい。
Posted by ブクログ
非常に読みやすく、2-3時間で読み終えました。
経営コンサルの方が書いた本らしく、
分かりやすく切り分けて編集してあるものの、
旭山動物園らしさ というか、ストーリー性も大切にされていて、
なかなか素敵な本だと思います。
Posted by ブクログ
旭山動物園の経営の秘密が紹介されています。
個人的にはとても参考になる部分が多い本です。
「大きい、小さいはあるが、それは個性。一本の軸(串)に
刺さっていること」まさに串団子の経営とでもいえるでしょう。
入園者が爆発的に増えた、それは14枚のスケッチから
はじまったとか。
このスケッチのように、自分の職場においても、ぜひ思いを
具現化し、共有できるようにしたいですね。
そのほか印象的だったのは、個を活かす担当制と気づきの代番制、アウトプットの勉強会。
このあたりでしょうか。自分のいる組織でも試してみたい。
Posted by ブクログ
差別化とは信念で裏打ちされた自分たちの存在理由、つまり自社らしらにこだわり続けることにほかならない
自分たちには伝えなくてはいけないことがあるという思いの強さが、失敗に耐え、それを乗り越えて前進する強さへと変わる
失敗を経験したときこと、自分たちの信念に対する折れない心が試されている
商品やサービスに独自の価値があってこそ、顧客は満足、感動し、それに対する対価を払い、利益が生まれる
Posted by ブクログ
WBS遠藤先生の著作。先生の講義で学んだ、「ビジョン」、「競争戦略」、「オペレーション(現場力)」、「信念・信条」のフレームワークで読むと、非常に整理されて入ってきた。大事なことは先に売上高や利益ありきではなく、自分たちならではの価値を生み出すこと。そしてそれを支えるのは「動物の凄さ、美しさ、尊さを伝えたい」という彼らの信念。