遠藤功のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ナレッジクリエイティブカンパニーの野中先生とコンサルティングファームで活躍され大学で経営戦略の教鞭をされている遠藤先生の共著です。
どちらの先生も非常にユニークな考え方の持ち主であり、お二方の意見をまとめて一冊で読めるのは素敵なことです。
テーマとして日本企業にいま大切なこと。
表題の通り、今まさに読むべきものであり、とても読み手として、良い方向にはどうすべきかという問いに対して、情熱のある著者の解が本書には記されています。
特に、日本企業ならではの強み、
それをより高める必要があると説いています。ムダを排除し、効率的にするといった傾向になりがちですが、逆にイノベーションが生まれなくなるという危惧もあるということ。
確かに、コスト低減が非常に重要なものでありますが、その場のムダといわれているものも実は新たな革新を産む要因ともなるわけです。そういった点もハッとさせられました。
多視点のある考え方を持たなくてはと感じる一冊です。 -
Posted by ブクログ
日本の底力の源泉は製造業にあると想っていましたが、遠藤氏のこの著作ではそれを更に掘り下げて「現場力」にあると規定しています。現場力を単なる計画(いわゆる戦略)に終わらせずに、実行できるようにするにあたっての留意点を実例を踏まえて書かれている本です。単なる理想論にとどまらず、実体験に裏付けられたこの本に書かれている情報は貴重であると思います。
特に、悪い情報は兆候を早期に「見える化」した者がプラスの評価を受けるような工夫を、マネジメント層はおこなうべき(p127)というのは、私の勤めている会社のマネジメントに聞かせたいポイントでした。
以下はためになったポイントです。
・「10年続ける」という意思表示は、たとえ社長が交代しても続けるということであり、この姿勢を持つことが成功の必須条件(p6)
・フランス国鉄総裁が来日してJRの現場視察を行ったとき、最も驚いたことは、鉄道技術・ダイヤ編成以上に、東京駅における「折り返し清掃」であった、これが日本の現場力の強さを物語る一例である(p31)
・現場はコストセンターでなく、価値創出の起点である「バリューセンター」であると認識することが、日本競争力の原点(p33)
・変動費化という甘い言葉が現場の品質を毀損させているという現実を、経営者は直視する必要がある(p39)
・多品種少量の在庫をしていても、在庫回転率が大きくさせているのが、「オオゼキ」スーパーの強み(p46)
・旭山動物園の差別化は、動物の種類で行うのではなく、「動物の見せ方」で差別化する「行動展示」であった(p50)
・「捨てる」という決断は、「捨てなかった」事業にすべてを賭けるという意思表示である(p54)
・合理的な戦略策定に2割のエネルギーを使ったら、残りの8割は実行に時間とエネルギーを注いで現場力を高める努力をするべき(p58)
・現場を作り出すための3要素:1)現場の高い意識・やるき、2)現場に対する責任と権限の付与、3)チームでの取り組み(p61)
・しつけ(挨拶・5Sの徹底・報告連絡相談による情報共有・指差し確認等による安全励行)は、個人の好き嫌いでするものではなく、組織全員が実践すべきもの(p97)
・習慣化のプロセスとして、1)無意識・無能→2)意識・無能→3)意識・有能→4)無意識・有能がある、獲得したスキルを意識して、何度も繰り返す、意識しなくても自然に行動できるようになるのが目標(p100)
・人のプラットフォームである、共通の価値観・行動習慣(くせ)があって、はじめて手法・ツールが活かされて、現場力が発揮できる(p119)
・現場力の中核は問題解決力であり、その第一歩は問題発見である、それを効果的に行うためには「見える化」が不可欠、しかしこれを目的化しては駄目(p122、125)
・悪い情報は兆候を早期に「見える化」した者がプラスの評価を受けるような工夫を、マネジメント層はおこなうべき(p127)
・情報共有と共通認識は一緒ではないことを理解した上で、対話の重要性を理解すべき(p129)
・世代交代で必要なのは、業務を回すために必要な技能・スキルだけではなく、日本企業が現場で培ってきたスピリットが継承されているかがポイント(p160)
・現場力の中心である「問題解決力」を中心として、連結力・俊敏力・臨機応変力・粘着力、の合計5つの要素能力が現場力を構成する(p193) -
Posted by ブクログ
経営戦略・マーケティングの勉強を始めたので、読んでみた本。
今回はローランド・ベルガーの遠藤さんの書いた
経営戦略の教科書です。
どうやら、早稲田のビジネススクールの授業が
もとになっているようです。
新書なので、読みやすいです。
ただ一つ一つの内容はそんなに深く掘り下げられていません。
(自分で調べてねという意味か!?)
ケース自体は色々載っていたので、
自分の知識の幅を広げる意味では良かったです。
戦略本を色々と読み出して、やっと気が付いたのですが、
みんなそれぞれ自分の言いたいことを言い合っていて、
「これ!」といったコアとなる部分が今一つないということが、
やっと最近分かり始めました。
色々な考え・論法があるのは当然なので仕方ないのですが、
自分なりに核となる考え方をまず押えていきたいと思っているので、
早くその部分をマスターしたいと思います(希望)。 -
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経営戦略の立て方、フレームワークを覚えるのではなく考えること。
まずはビジョンがあって、それに近づく一つ一つの戦略がある。
出発点はビジョンです。「こういうことをやりたい」「目指すべき将来の姿」のこと。そこから、市場調査や競争相手の情報を集めて、チャンピオンになれるかどうかを見極めたうえで、最も可能性の高い「土俵」を特定することが大事。ゲームとしてのフレームワーク、そしてフレームワークにとらわれない思考。フォーカス戦略、選択と集中も載っているように、今は持ち味を狭いある一点に集中することが求められている。マルチプル経済において、戦いぬけるフェイスブックやツイッター、グーグルなどの企業は全て集中した技術力とアイデアにおいて成功している。総合自動車メーカー、総合商社等とは間逆を行く戦略だ。 -
Posted by ブクログ
プレミアムという言葉は自分も大好きでついつい買ってしまう。
プレミアムは「機能的価値」と「情緒的価値」から生まれるもので、この目に見えない「情緒的価値」が非常に重要。(この本では「機能的価値」だけのことをラグジュアリーとしていた)
この「情緒的価値」になるのがストーリーであり、これらは作り手のこだわりで生まれる。
そのため、大量生産大量消費を目指してきた日本でプレミアムが少ないのは当然で、今後はいかに成熟した日本市場で日本発のプレミアムを生み出すかが課題となる。
最近は景気も悪いしこんなこと言ってる場合ではないのかもしれませんが、もっとレクサスみたいな世界的高級ブランドが日本から出るようになれば経済も活性化するような気がした。 -
Posted by ブクログ
【一言感想】
野中氏と遠藤氏という二人の著者が会話風に話を進めていきます。
ただし、ちょっと論点がわかりにくいような気がしました。
【印象的な部分】
(P102)
いま元気な企業には、グローバル化を地道に実践してきたところが多い。その結果、外に知が開かれたわけです。サムスンをはじめとするアジア企業が好調なのも、異文化接触によって知を創造する体質が組織内に組み込まれているからでしょう。
(P154)
~イノベーションには、「モノ」のイノベーションと「コト」のイノベーションがあります。「コト」のイノベーションの多くは、ビジネスモデルを指すと考えていいでしょう。アップル社、マイクロソフト社、グーグル社などが行ったのも、まさにビジネスモデルのイノベーションでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一応の章立てはあるものの雑多な知識・方針の羅列というような印象なので、箇条書きの形をとる。
○企業が目指すべきIT運用
・現場の知識の見える化 知識の移転~企業で果たすITの基本的な役割
現場の技能や知識・経験を経営側が共有すれば、現場への指示に際した意思決定に役立つであろう。組織の上を流れるのは業務プロセスであり、業務プロセスによって区切られている人間を結ぶために必要不可欠なのが情報基盤である。
・「手触り感のある情報」と「情報の治水」
例えば顧客からのクレームを受けた現場が文書化し経営側に渡したとき、ときにその情報はサマリーされすぎていて情報の「手触り感」を損なってしまうことがある。このことは動画や映像を用いることで解決できる。クラウドの出現により動画を情報として利用することは技術的にもコスト的にも容易になった。しかし情報が生であればあるほど「情報の洪水」が起きやすい。それを防ぐためには情報の共有についての仕組み、大量な情報の処理の仕組みについて考えなければならない。
・人知を超えた解析
大量のデータを解析して規則性や因果関係を見出すようなITソリューションのことをデータマイニングという。当初は数字の解析のみであったが近年では文書の解析を行うテキストマイニングという手法も実用に足るレベルとなってきた。
○企業が目指すべきクラウド運用
・クラウドの利点
システム構築が不要なため速やかにサービスを開始できる。また処理能力など小規模の利用から始められ利用規模に合わせたスケールアップが可能であるため余剰を持つ必要がない。更に維持管理も自らで行う必要がない。よって予算に余裕のない中小やベンチャーに適していて、大企業でも汎用性の高い業務なら適応可能である。
・クラウドの注意点
パブリッククラウドのSaas導入の際には、外部サービスを用いることになるので部分最適である一方で当然他業務との連携が分断される可能性を孕んでいる。また後述する差別化の困難さも難点である。
・システムの移行・選択は可能か
パブリック・クラウドのサービスを利用するということなんらかの画一化や制限を受けることとなる。システム開発・運用のシステム環境の汎用性が低い場合も多く、その場合移行のコストは大きい。事業の成長にあわせて、例えば事業が安定化したのちはオンプレミスへの移行を図るといったような戦略も場合によっては必要である。
また上記の画一性から差別化、競争優位の創出には結び付きにくい。(競争劣位を防ぐ術としては有用)
・データセンターの信頼性
米国では米国のストレージシステムにある情報については政府がアクセスできる権利があるので、企業はデータセンターがアメリカにあるクラウドサービスを避けるべきと著者は主張している。
○特化事例
メディアが報じるクラウドのベンダーは北米数社に偏りがちな傾向があるが、国内でも特定の分野に特化したクラウドベンダーは存在する。本著では富士通、日本マイクロソフト、ドリーム・アーツ、プラスアルファ・コンサルティングが提供するクラウドサービスについて紹介しているので一部を取り上げる。
・富士通
データセンタ運営の方針(国内運用、保管先明記)などIaaSにおいて高い信頼性を置ける。また農業部門でGPSやセンシングによる生育状況・収量などのデータに合わせた業務補助サービスなどから、社会インフラ構築への姿勢という点、統合的な技術提供という点で評価できる。
・日本マイクロソフト
広く普及しているWindows環境上でのシステム環境で開発ができるということの大きく、Paas分野での優位性が期待できる。
Saas分野でもExchange OnlineやSharepoint Onlineなどが現在広く用いられている。
・ドリーム・アーツ
「パソコンからひとを引き離す、パソコンと向き合う時間を減らす」「良質なアナログの時間の増加が付加価値を生み出す」という独自の信念がユニクロ、全日本空輸、ベネッセ、UFJ銀行をはじめとする多くの企業から賛同を得ている。
上記の考えに基づいた様々なアイデアを実装した「Shopらん」という小売業に特化したSaaSがメイン。
・プラスアルファ・コンサルティング
日本初となるSaaS型のテキストマイニングサービスの「アルファスコープ」を提供している。「顧客の声の声の見える化」を目標としており、コールセンターの顧客情報はもとよりTwitterなどネット上の顧客の評判の動向をデータマイニングにより分析できる種々のツールを提供している。データマイニングサービスは市場全体として割高であるがアルファスコープで価格も抑えられている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「知識創造理論」を広めた野中さんと「見える化」を唱えた現場主義の遠藤さんが、日本の価値観を語り合う と紹介されている本です。
各章で野中さんと遠藤さんがそれぞれコメントしています。あまり本質と関係ないですが、どうやって本書を仕上げたのか気になってしまいます。対談を元に再構成されたとなっていますが、それぞれの主張をうけとめて、持論に展開して、このような形でまとまるのか?ってちょっと不思議。
さて、本書では直球でいうと、
「日本企業は自分たちの強みにもっと自信をもて」
というメッセージだと思います。
しかし、その話の展開としては、今までのお二人の持論をそのまま展開したとも読み取れます。
野中さんの「知識創造」の話や遠藤さんの「現場力」の話。それらをベースに議論が展開されている感じです。なので、お二人の本を読んだことがあれば、その復習もかねている感じもあります。
ただ、アジャイルスクラムの原型が野中さんの論文とは知りませんでした。ウォーターフォール開発とアジャイル開発がここで出てくるとはちょっと驚きでした。野中さんてシステム開発にも造詣が深いのですね。
さて、チーム力の話のなかで、「個性」と「連携」の両立が出てきました。
なでしこジャパンの佐々木監督の言葉で
「個人の力不足を組織で補うと、個人もチームも力が頭打ちになる。一対一の攻守など個人の強化でも妥協はしなかった」
のコメントがあり、チームは個人の弱点を支えあうのではなく、強みを連携させることが重要と感じました。
そして、「個性」と「連携」の両立ができるのが日本の強みということでもあります。
最後に野中さんのリーダが持つべき6つの能力について忘れてもいいように(^^;;ここにメモっておきます
(1)「良い目的」をつくる能力
(2)「場」をつくる能力
(3)現場で本質を直観する能力
(4)直観した本質を概念化し、表現する能力
(5)概念を実現する能力
(6)賢慮(フロネシス)を伝承、育成し、組織に埋め込む能力
そして、その章の中で印象的だったのは
「ディシジョン」ではなくて「ジャッジメント」
その時々の関係性や文脈を読み取り、タイムリーに最善の「ジャッジメント」を下す能力がリーダに求められている。
なるほどっと思いました。