遠藤功のレビュー一覧
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ネタバレ教育やネット環境の普及のため、今や知識格差→情報格差の時代ではなく、責任と情熱をもって主体的に行動できるかどうかの「行動格差の時代」。
事なかれに逃げず、前進していくために著者の二人が示すのが「捨てる力」「迷う力」「忘れる力」「フラレる力」「知らない力」「怒る力」「失敗する力」「落ち込む力」。
これらの力は、もとよりネガティブで、行動のために率先して選択すべきものでもないが、そうした状況を経験し、真摯に向き合うことで前向きな行動を起こす力になりうるものだと分かる。
著者の失敗に学ぶ姿勢やしぶとさは参考になり、面白くもあったが、責任と情熱をもって主体的に行動するために何をなすのかという観点からすると、やはり本質的なところではない奇をてらった内容のように感じられた。
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この書籍は早稲田ビジネススクールの講義名「経営戦略」を取りまとめた書籍です。
内容は『経営戦略の底流にある「本質」に向き合い、』『様々な事例を元に経営戦略という捉えどころのない"生き物"の正体とは何かを皆さんと一緒に考えていく』ことにより、最終的には『経営戦略の立案に結びつく』ことを目指しています。
個人的に気になったポイント
①自分たちが生み出すべき差別化された価値とは何かを決めることこそが、経営戦略の本質的な意義。
☆コマツの「ダントツ戦略」
②経営戦略には3つの代替案しかない。「コストリーダーシップ戦略」(ターゲット広い、低コスト)「差別化戦略」(ターゲット広い、差別化)「集中戦略」(ターゲット狭い、低コストor,and差別化)どの戦略を主軸にするかはどのようなポジショニングをとるのかを決めることを意味します。
☆自動車業界各社の「ポジショニング」
③ポジショニングの違いによる経営戦略の考え方
1.リーダー戦略
☆トヨタの「グローバルビジョン」
2.チャレンジャー戦略(イノベーションと一点突破)
☆「スーパードライ」でキリンの牙城に挑んだアサヒビール
3.ニッチャーの戦略(規模より収益性)
☆「規模より収益」を徹底するヒロセ電機
④帰納法的アプローチ
日本は本社と現場が一体となって経営戦略を立案し、実行する帰納法的アプローチが得意。現場でヒントを見つけていくことが、独自の価値創造につながる。
☆現場起点の戦略で復活を果たした旭山動物園
などなど、簡単ですが以上です(^_^) -
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先日講演を聞く機会のあった遠藤先生の最新本。行動を起こすことの重要性と、行動を起こすことを後押しする「8つの力」を解説した本。行動の有無が格差を生む時代。行動なくして、成長なし。下手な知識は、行動を起こす上での雑音にしかならない、というくだりは耳の痛いところ。当たり前なことだけど、本を読むことが目的でなく、本を読んでどう「行動」するかが大事。この当たり前のことがなかなかできないのだが。
以下、参考になった点、引用、自己解釈を含む。
・失われた20年と言われているが、失われたものをシンプルに突き止めるならば、それは「行動」である。IT革命行こう、情報や知識の差が競争力の差になることはない、今は「行動量」に左右される時代に突入している。アジア諸国をはじめ、元気に成長している国は、ハングリー精神が旺盛で、とにかく「行動してみる」というスタンス。一方日本は、成熟期に入り、上から目線でモゴモゴ批評を繰り返し、行動しなくなってしまった。かつての日本は、今のアジア諸国のように動いて動いて動きまくっていたのだが。ここが、日本が停滞しているもっとも根源的な要因。
・学習することは大事。だが、いくらインプットを増やしてみても、1つの行動に伴う体験には及ばない。行動して、躓いて、悩んで、もがいて・・・。そこに本当の意味での学びがある。泥にまみれた直接体験こそが重要。
・結果を出している人に言える1つの共通点は、事象の解釈力にある。挑戦すれば、必ず傷つくシーンがある。だが、このシーンを前向きに捉えることで、前のめりな行動を取り続けることが出来る。
・8つの力。「捨てる力」「迷う力」「忘れる力」「フラれる力」「知らない力」「怒る力」「失敗する力」「落ち込む力」。
・前に進む為には、「何をするか」という行動の選択の前に、「何を捨てるか」の選択が必要。リソースは限られている、選択と集中とは、何を止めるかと同義語。捨てるものを明確にすることで、するべきことが浮かび上がる。
・捨てることには、必ずストレスがかかる。捨てることは簡単では無い。強い信念を持ち、勇気をもって捨てるという主体的な態度が必要になる。
・情報氾濫社会の中にいれば、勝手に情報やら人間関係やら仕事は増えるもの。その増えてきた「入口」で不要なものを選ぶことが大事。1度抱えてしまうと、捨てることのストレスに屈指、不承不承に抱え込んでしまう。
・判断と決断の違い。判断は過去の事象について情報を精査するなかで下すものであり、迷う必要は無い。一方、決断は未来について判断を下すもの。未来という不確実なものへの判断、これは迷いが生じて当然。多いに迷い、自分と向き合えばよい。迷うことは力をため込むコト。迷ってため込んだ力を、信念を伴う「決断」で爆発させる。判断と決断の違いを理解した上で、迷いところ、時間の掛け方をコントロールする。
・ただし、マネージャーは迷っている姿を人に見せてはならない。迷っている姿は、メンバーに動揺を与え、組織全体に迷いが波及していく。トップは大いに迷いながらも、迷ってる姿を見せず、明るくふるまうこと。
・覆水盆に返らず。過ぎたことにクヨクヨしている時間はあるのか?過ぎたことはクヨクヨしても変えられないことにさっさと気づき、次の行動に移っていかなければならない。
・記憶とは、事象と事情に伴う「感情」のセット。事象は変えられないが「感情」は自分次第で変えられる。この感情をどうコントロールするかに意識を集中させるべき。
・悪い記憶だけでなく、良い記憶にも注意が必要。過去の成功体験という記憶ほど、慢心を招く根源。良い記憶こそ「忘れる」ことが大事。そのための1つの手法が、自分より凄い人に会う、こと。会いに行くという「行動」を取ってみる。
・自分が精根かけて取り組んだ仕事は、心のどこかで「評価されて当然だ」という想いがついて回る。努力した仕事が失敗に終わった時に、相手のせいにしてはいけない。そのような不遜な思いは、なぜか相手に伝わってしまうもの。どの会社、どの個人でも同じようなスタンスで取り組んでおり、自分だけが抜きんでた存在では無い。フラレルことが当たり前だと思うスタンスが大事。フラレテ当たり前と思うことで、成功した時に、素直に喜び、感謝が出来る。
・知識や情報というのは過去の産物であり、未来を規定するもではない。挑戦という2文字の前に、知識や常識は何の意味ももたない。中途半端な知識は、かえって自分の行動を制限する足枷となる。
・失敗につながるのは「知識が足らない」ということよりも、中途半端な知識にも関わらず、知ったかぶりをして行動を起こさないことに起因する。本当の知識人はまず行動をし、そこで足らないものは更に吸収し、その上で更に行動量を上げていく。行動に基づいた「知識」を吸収している。
・怒りのパワーを有効活用せよ。良い怒りは、人も自分も前に勧めるパワーとなる。怒る際には、人を怒るのではなく、事象そのものに対して怒ること。そして、怒るタイミングを見定めること、常日頃怒っていては慣れが生じて効果は半減。ここぞという時に、パッっと怒って刺激を与え、サッっと引くことが肝要。居合い術のようなイメージ。
・そして怒るときには「本気」であることが重要。相手のことを思い、事業のことを思い、今の問題点を本気で喝破する。本気で怒るのは労力がいるしシンドイ。でも、本気で怒らないと、怒られた方も粋に感じない。
・怒る際には、上下関係は関係ない。理不尽なことには、言葉を選びながらも、信念を持って怒るべき。牙を抜かれてはならない。
・やれることがあるのに、それをやり切らずに失敗したものを、失敗とは言えない。それは単なる手抜きである。失敗の多くは、手抜きからくるということを理解すべき。手抜きの失敗をまずはなくす。その上で、全力でやった失敗を大事にする。失敗からの学びこそが、成功への道。
・落ち込むことを前向きに捉える。仕事を長く続けていると、何をやってもうまく行かない時がある。藁をもつかむ思いで、もがけばもがくほど、何故か沈んでいく。しかし、このもがくことでどれだけの筋力アップに繋がるか。駄目だと思った時に、は安易な「逃げ」を打つことなかれ。長いトンネルは自分を磨く最大のチャンス。
・行動を起こす為には「ノリ」が重要。ノリという不可視なものながら、確実にその「気」は存在している。優秀なマネージャーはこの「気」のコントロールに心を砕く。難しい事象を前にした時に、ノリが悪ければ、批判を加えるだけで、行動を起こさない。が、ノリがよければ、やりがいがある!、という体で組織が動き出す。ノリを重視し、行動を起こさせることが必要。 -
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「現場力を鍛える」「見える化」に続く3部作完結編。
継続は力なりとはよく言いますが、その継続をどうすると出来るのか?それが続ける力、粘る力として語られています。
ねばっちこい経営といった題名もキャッチーで面白い。
本作でも事例をふんだんに盛り込んで、解説しています。
改善活動がうまくいかない理由として、改善を推進する現場に対する経営からのリスペクトが弱いとぶった切り!
改善には現場に対する「リスペクト」、そこから生まれる現場の「プライド」、それが「改善」につながるという構造です。
粘着力が企業の競争力の根源として、4つの粘着力を定義しています。
行動、思考、伝達、意思
の粘着力です。
そういった粘着力を高めるために組織としてのポイントと個人としてのポイントをそれぞれ上げられています。
組織の粘着力を高める8つのポイント
1.時間時を長く取り宣言する
2.人が変わっても、基本的なプログラムは変えない
3、あれもこれもやらないで絞り込む
4.経営と現場が一体となって取り組む
5、カリスマをつくらない
6、プロセスをほめる
7、面の教育を徹底させる
8、コーディネーター機能を充実させる
そして、個人の粘着力を高める10個のポイントが解説されています。
1、夢や思いを大切にする
2、具体的な目標を設定する
3、目標に日付や期限を入れる
4、一定期間、集中して取り組む
5、弛緩をはさむ
6、遊び感覚を入れる
7、正常実感を得る
8、記録を残す
9、他人と比較しない
10、ポジティブに考える
本書で、ちょっと面白いところが組織の粘着力を生むために、納豆と比較していくこと。納豆の作成プロセスに対応して、粘る組織のプロセスを解説しています。
キーワードは浸潤、感染、熟成
とりわけ、感染では「納豆菌人材」の育成をポイントにあげています。
これまたキャッチーなキーワードです。
これまた、1時間ちょいぐらいで読むことが出来ます。 -
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「現場力を鍛える」に続く第二弾。
正直、思ったほどの内容ではありませんでした。
日経BPで特集記事になっていそうな内容が本にまとめられた感じ。
経営の三要素は「ビジョン」「競争戦略」「オペレーション」
見える化の5つのカテゴリーは
・問題の見える化
・状況の見える化
・顧客の見える化
・知恵の見える化
・経営の見える化
それぞれの見える化についての事例満載です。
だた、それらの事例ってどこかで見たり聞いたりしたようなことも含まれていて、「おぉ、これはすごい」と思えるようなものはありませんでした。
とはいいながらも、実際に見える化を実現した事例なので、どうやって見える化を実現したのか、そのヒントを得るのには十分使えると思います。
ただし、事例に納得し、ヒントを得ることは誰でも出来ること。これを実行し続けることが重要で、それが出来る企業だからこそ競争力を持ち続けているのだと思います。
そして、本書の真のメッセージは、見える化を通して自律的な問題解決組織を目指すということだと思います。
最後に、効果的な見える化を実現するための10のポイント
(1)現状のたな卸し
(2)見せたくないもの、見せられないものほど見える化
(3)見えるもの見せるものを絞る
(4)鮮度・タイミングを重視
(5)アナログとデジタルの使い分け
(6)わかりやすく、シンプルに
(7)現場の当事者自信が見えるようにして仕組みもつくる
(8)本当の勝負は見えたあと
(9)見える化のノウハウを共有
(10)経営トップが見える化を牽引
さくっと、1時間ぐらいで読めます。 -
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どうしたらより強い営業に進化できるか。その1つの答えが、現場力なのかな、と思います。どれだけ崇高な戦略を描いてみても、最終現場での実践がついてこなければ、絵に描いた餅。現場の自主的な考え抜く力をどう組織文化に昇華させることが出来るか。答えの無い永遠のテーマーですが、1つずつできることがから初めていきたいと思います。
以下、参考になった点。引用、自分内の解釈も含む。
・戦略を実行するには、現場力が欠かせない。現場力があるから、戦略を立てることが出来る。戦略と現場力はどちらが上位概念ということではなく、お互いに関連しあうものである。
・戦略は模倣されやすいが、現場力は簡単には模倣することが出来ない。だからこそ強い現場力をつくりあげることが、競争優位につながる。
・強い現場力とは、各人が「より良いもの・改善」を自主的に考えに考えて、行動に移せる集合体であり、コストを下げながら価値を高めるという一見両立が困難なことを高い次元で実現させられる現場。その結果「他を凌駕するコストオペレーションの確立」と「新たな価値の創造」が生み出されている状況。
・多くの企業は本社主導で改善プロジェクトが組まれ、現場は「やらされ感」が蔓延しがち。改善の重要性を現場が真に理解し「改善こそが現場の仕事」と思えるように意識を高めていかなければならない。
・業務は放っておくと、肥大化するもの。意識的に「捨てる・止める」を実行すること。また、業務は必ず陳腐化するもの。その時にベターだったものも、常に見直していかなければならない。
・「①意識が無く、能力も無い」→「②意識があるが能力が無い」→「③意識すればできる」→「④意識しなくてもできる」。この④の段階まで昇華させること。これが強い組織文化になる。
・何かが起きた時に頑張るのではなく、何かが起こることを想定して事前に手を打てる「平時の現場力」こそ高めなければならない。
・無関心は、強い現場をつくる阻害要因になる。周囲への興味関心を高める工夫が不可欠。組織密度×組織熱量が現場力の強さを決める。単に人が集まった「集合体」から、一人一人が有機的に繋がって相乗効果を発揮する「結合対」に進化させなければならない。
・5-20-100の法則。まずは、意識的に動ける5%の人間が立ち上がる
その5%の人間がはたらきかけることで、20%の人の意識を変化させる。20%の意識が変われば、そこからは加速度的な変化が起こせる。まずは、5%、20%の変化を目指す。いきなりは変わらないと心得ておくこと。どんな変化も個の情熱から。個の情熱が他にも移っていくことで「組織の執念」へと高まっていく。
・情報の「共有化」ではなく、情報の「共通認識」が必要。伝えると伝わるの違いをよく理解しておくこと。見える化→伝わる化→つなぐ化→粘る化、の順に進化を遂げていくことを意識せよ。 -
Posted by ブクログ
野中郁次郎氏は、日本的経営の信者。「会社を好きになる」という感覚や、「情緒的な国」で何が悪い!という。欧米式のコンプライアンスや数字から知恵や勇気は生まれない。ロイヤーが強い会社は、オーバーコンプライアンスになって、自分自身を縛り、身動きがとれなくなっている。社員が残業したくても、法令順守のために許されない。メールやセクハラ、パワハラが人と人との関係性を破壊した。法律家や会計士は、結局のところなんの価値も生み出さないのである。
グローバルに成功している企業は、必ずしもアメリカ型ではない。そもそも、P&GやIBM、GEといったアメリカのエクセレントカンパニーは経営者も内部昇進であったり、長期雇用をベースにしていたりと、日本的な経営をしている。「株主価値を最大化する」としか言わないアメリカのビジネススクールの思想とは一線を画している。
日本は、プラクティカルウィズダム(現場の知恵)を重視する。これに対してアメリカは論理的思考でマニュアル重視の仕事をする。主観や価値を排して、過去の事例に基づいてそれを教訓化していくアプローチ、情報処理モデルが、アメリカ式の経営。しかし、過去のデータを分析しても、未来を切り開くことはできない。
グローバルに経営しようとするほど、幅広い技術が要求される。どれが役に立つとか立たないとかという短絡的思考で選択と集中をし、捨てることばかり議論されたが、一見非効率にみえる総合電機メーカーも、トータルエンジニアリングの時代になると、総合力が強みになる。
日本は技術やモノだけでなく、「日本人にとってはあたりまえ」とされる日本的な価値観を売るべきだ。セブンイレブン、セコムのサービスや宅急便の時間指定配達。日本人には当たり前となった価値でも、海外では評価されている。