篠田真由美のレビュー一覧
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京介の金魚のフンのように登場する蒼(あお)くん。その蒼くんに振りかかった不幸な出来事を書いています。惨い〜、惨過ぎ〜〜! ますます蒼くんファンを作ったことでしょうね、本書は。とりあえず、第一部完結ということで完結巻にふさわしい出来ではないでしょうか。自閉症のように閉ざす蒼くんが初めてなついたのが京介。やっぱり合い通じるモノがあるんでしょうね〜。(って京介はまだ謎だらけですけど)。それにしても「蒼」って、猫の名前だったとは・・・。(笑&謎)
やっぱりこのシリーズ、シリーズというからには最初から読んでいただきたいです。そうするともっともっと主要登場人物たちに愛着が湧くことは間違いなしです。私的には -
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『下田にいるか』 坂本司
(『和菓子のアン』の坂本さん)
コロナ禍の鬱屈した日常に、ふと「そうだ! 伊豆に行こう」。会社員の主人公が思い立ったが吉日とばかりに、電車に飛び乗って一泊旅へ。美味しい海の幸やご当地グルメに舌鼓を打ち、イルカショーでは童心に返る。
いつもモヤモヤとしていた仕事の悩みも、潮風と旅先の景色に浄化されていく。
ひと言
「まずは行ってみればいい。おいしい景色は逃げない。」
『情熱のパイナップルケーキ』 松尾由美
初読作家さん
パイナップルケーキの香りに誘われて、ひとり台湾へ。
職場に馴染めず、派遣という立場の曖昧さに息苦しさを覚える主人公。けれど旅先で出会う味と空気が、凝 -
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「最後のおたより」がテーマの短編集。
半分近くが初めて読む作家さんでした。
「おたより」と言ってもパッとイメージする「紙の手紙」ばかりじゃない。その形は本当にさまざまで、次はどんな“おたより”ストーリーなのか楽しみに少しずつ読み進めました。
特に好きだったのは、
「もうひとつある 鷲宮家四訓」大崎梢
「猫への遺言」柴田よしき
「そのハッカーの名は」福田和代
家訓の謎が気になって引き込まれたもの、
夫の猫に宛てた手紙から愛情を感じたもの、
ちょっと異色でミステリーっぽい雰囲気のもの、
趣向は異なりますが、どれもラストは優しく、晴れ晴れとした気持ちになりました。
矢崎存美さん「たからのちず」は -
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「ラストメッセージ」がテーマの短編集11編。
とても読み易かった。
印象に残ったのは「もうひとつある鷹宮家四訓」
「孤独の谷」「猫への遺言」
「もうひとつある鷹宮家四訓」は、大切な人を
思いやる気持ちが温かい。
ほのぼのとした短編集ばかりかと思いきや、
「孤独の谷」は言葉を使えば使うほど死に近づいて
いくという少し怖い話で、最後のシーンが
ぞわりとする。
「猫への遺言」は、読み終わった後、なんだか
モヤモヤ感があった。新型コロナウイルスで
亡くなった夫の遺言書、読まれるはずのなかった
遺言書で、妻は夫の秘密を知ることになる。
いろいろあったかもしれないが、
夫には共感できない。
これ、いい話 -
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