篠田真由美のレビュー一覧
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惜しい。まことに惜しい。大傑作になる可能性を秘めた構想だったと思うのだけれど、きれいにまとめて終わってしまったために凡作になってしまった。
冒頭から格調のある華麗な文章で幕を開け、その後に続く何章かの不条理劇は快哉を叫びたくなるような出来映えだった。第三章の「炎の髪」が特に良い。なのに、第七章の「飢える男」のあたりから各章を無理やり関連させようとする意図が見え隠れし、第八章の「化金石」に至ってはもう謎解きに入ってしまう。これは興醒めだ。第九章「こともなし」ではすでに物語は混乱し、第十章「荒野より」では説明に終始する。惜しい。まことに惜しい。第十一章はもう蛇足以外の何者でもなく、せっかくの物語世 -
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建築探偵桜井京介シリーズ1作目。
同じ館もののミステリでも、館シリーズのようなアッと驚くトリックやどんでん返しがあるわけではなく、淡々と事実をなぞっていくような展開に少し物足りなさを感じました。どちらかというと館そのものよりも館に住まう人間の内面描写に力を入れている作品なのかな、と思いました。
とはいえまだ第一弾。これからどんな館が登場してくるのか楽しみです。
眼鏡をはずせば超絶イケメンな桜井京介、名前だけは可愛いけどその実、熊男な栗山深春、ちょっと訳ありな過去を持ってるっぽい蒼、それぞれのキャラはとても魅力的で、ミステリ半分キャラ小説半分として楽しみました。 -
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作家が晩年をすごした孤島にやってきた探偵。
作家ゆかりの女性たちが住むそこに、作家の隠し子だと名乗る女性がやってくる。
良くも悪くも、篠田真由美って感じの作品。
長崎の沖合の島ってことで、隠れキシリタンの話とかもからんでくるんだけど、どうなんだろうねぇと思うのである。
ミステリーって、実際の物理的法則とは別の概念があるんだと思うけど、それが別のものです、って見えてしまうとだめなんじゃないかと。うん、マジックにネタがあるのはわかってるけど、それがわかっちゃもちろんダメっていうそれに近いものがあると思う。
で、その境目が…。
ちょっと、超えすぎちゃったかなぁと思った。