篠田真由美のレビュー一覧

  • 幻想建築術

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    惜しい。まことに惜しい。大傑作になる可能性を秘めた構想だったと思うのだけれど、きれいにまとめて終わってしまったために凡作になってしまった。
    冒頭から格調のある華麗な文章で幕を開け、その後に続く何章かの不条理劇は快哉を叫びたくなるような出来映えだった。第三章の「炎の髪」が特に良い。なのに、第七章の「飢える男」のあたりから各章を無理やり関連させようとする意図が見え隠れし、第八章の「化金石」に至ってはもう謎解きに入ってしまう。これは興醒めだ。第九章「こともなし」ではすでに物語は混乱し、第十章「荒野より」では説明に終始する。惜しい。まことに惜しい。第十一章はもう蛇足以外の何者でもなく、せっかくの物語世

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    2011年12月23日
  • 幻想建築術

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     病床にある老人が<都>の夢を見る。
     
     <都>と、そこに暮らす人間の暗部を描きながら、最終的には<神>の存在を問う。
     ま、いわば<都>は神の入れ物ってことなのかな。
     つか、入れ物なしに、神は存在しないということか。

     連作短編集なんだけど、関連のある人物がつながりつつ変っていくのが、面白かった。

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    2011年11月29日
  • 建築探偵桜井京介の事件簿 未明の家

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    建築探偵桜井京介シリーズ1作目。
    同じ館もののミステリでも、館シリーズのようなアッと驚くトリックやどんでん返しがあるわけではなく、淡々と事実をなぞっていくような展開に少し物足りなさを感じました。どちらかというと館そのものよりも館に住まう人間の内面描写に力を入れている作品なのかな、と思いました。
    とはいえまだ第一弾。これからどんな館が登場してくるのか楽しみです。
    眼鏡をはずせば超絶イケメンな桜井京介、名前だけは可愛いけどその実、熊男な栗山深春、ちょっと訳ありな過去を持ってるっぽい蒼、それぞれのキャラはとても魅力的で、ミステリ半分キャラ小説半分として楽しみました。

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    2014年09月11日
  • 魔女の死んだ家

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    桜井京介シリーズ番外編。
    うーん、一応建築探偵っぽい所も一瞬ありますが…わかりにくい話だったなぁ。

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    2011年08月25日
  • 失楽の街 建築探偵桜井京介の事件簿

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    ネタバレ

    2011/8/15 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2018/2/23〜2/28

    建築探偵シリーズ15冊のうち10作目、第2部の完結編。
    途中まで、神代先生が主役で、おなじみのトリオは綺羅の棺で書かれていたマレーシア滞在中という時期。このシリーズは大好きなんだが、今作は何故か入り込めなかった。残り5冊、第3部に期待。

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    2018年02月28日
  • 魔女の死んだ家

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    「ミステリーランド」向けに書かれた本で、純粋な「建築探偵シリーズ」とは異なる作品。周囲の人間の話から、10年前の事件にかかわる人間関係が明らかにされていく。そして、事件の真相が探偵によって明らかになる。。。

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    2011年07月18日
  • 魔女の死んだ家

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    建築探偵シリーズの番外編。
    もともとが「ミステリーランド」の作品なので、建築探偵と思って読むと「おや?」と思ってしまうかも。
    これはこれで独立した作品、と思って読んだほうが楽しめるのでは。

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    2011年07月04日
  • 桜闇 建築探偵桜井京介の事件簿

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    艶やかに咲く枝垂れ桜の下で、老人が毒を盛られた。容疑者は彼の美しい妻、だが物証はない。事件を目撃した桜井京介は不可能犯罪の謎を解明したはずだったが?十六歳の日の忘れえぬ事件を語る表題作を始め、眩暈を誘う「二重螺旋」四部作など、魅力的な十の謎を収録。シリーズ初の短編集、待望の文庫化。

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    2011年06月22日
  • 玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿

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    旅先のインドで、橋場亜希人が不可解な「密室」死を遂げた。10年後、橋場の恋人だった狩野都は群馬山中に「恒河館」を建て、当時の旅行仲間たち、そして桜井京介を招く。ミステリアスな「館」で展開される真相解明劇。そこへ、さらなる悲劇が...。過去と現在が複雑に絡み合う謎を、京介はどう解き明かすか。

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    2011年06月22日
  • 翡翠の城 建築探偵桜井京介の事件簿

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    長く一族支配が続いた名門ホテルで、内紛が持ち上がった。創業者の娘で95歳になる老女が今も住む別邸・碧水閣の取り壊しをめぐり意見が対立、骨肉の争いに発展したのだ。湖に沈んだ焼死体、血染めの遺書。沼のほとりに佇む異形の館に封印された、百年にわたる秘密とは。桜井京介が鮮やかな推理で解き明かす

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    2011年06月22日
  • 原罪の庭 建築探偵桜井京介の事件簿

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    ネタバレ

    ガラスの柩を思わせる巨大な温室の中で惨殺された病院長一家。その血塗られた密室に置かれたチェストで、天使のようにまどろむ七歳の少年。ただ一人生き残った彼は、しかし言葉を失っていた。闇に閉ざされた魂を救うため、最大の謎「薬師寺家事件」に挑む桜井京介。建築探偵シリーズ第一部の掉尾を飾る傑作。

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    2014年05月05日
  • 月蝕の窓 建築探偵桜井京介の事件簿

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    明治に建てられた洋館、月映荘。惨劇は再びここで起こった。京介とともに晩餐に招かれた医師が撲殺されたのだ。図らずも事件に巻き込まれていく京介の前に、複雑な生い立ちを抱える茉莉、雪音を聞くことができる不思議な少女、綾乃たちが、謎を深めて絡み合ってくる。さらに京介自身の過去が揺さぶられる。

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    2011年06月22日
  • 建築探偵桜井京介の事件簿 未明の家

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    一族を次々襲う奇怪な死。別荘の建築様式に隠された謎を桜井京介が追う
    京介を訪ねた古風な美少女の依頼は“閉ざされたパティオ”を持つ別荘の鑑定と主である祖父の死の謎を解くことだった。少女の一族を巻き込む不可解な事故死、そして自殺未遂。事件はすべて別荘をめぐって起きた。ミステリアスな建築造形に秘められた真実を、京介が追う!

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    2011年06月22日
  • 美(うるわ)しきもの見し人は

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     作家が晩年をすごした孤島にやってきた探偵。
     作家ゆかりの女性たちが住むそこに、作家の隠し子だと名乗る女性がやってくる。

     良くも悪くも、篠田真由美って感じの作品。

     長崎の沖合の島ってことで、隠れキシリタンの話とかもからんでくるんだけど、どうなんだろうねぇと思うのである。
     ミステリーって、実際の物理的法則とは別の概念があるんだと思うけど、それが別のものです、って見えてしまうとだめなんじゃないかと。うん、マジックにネタがあるのはわかってるけど、それがわかっちゃもちろんダメっていうそれに近いものがあると思う。
     
     で、その境目が…。
     ちょっと、超えすぎちゃったかなぁと思った。
     
     

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    2011年05月05日
  • 建築探偵桜井京介の事件簿 未明の家

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    純粋にミステリーとしてみると、トリックの奇抜さや斬新さがあるわけではありません。どちらかというと人間描写に重心が置かれているようですので、本格推理小説がお好みの方には物足りないと思います。
    作中に登場する建築に関する知識について興味深く感じましたが、「建築探偵」と銘打つほどでもない気もしました。

    しかしながら、シリーズもののためでだと思われますが、いわゆる探偵サイドの人物らにも謎が多く、また文章が軽快なこともあり、続きを読んでみたいと考えています。

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    2011年07月23日
  • 建築探偵桜井京介 館を行く

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    いろいろな建築探訪記。
    軽快な会話といってしまっていいのかしら。
    写真がカラーではないので、直接行ってみたくなるものばかり。

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    2010年12月05日
  • センティメンタル・ブルー 蒼の四つの冒険

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    ave mariaに触発されて再読。
    たっぷりの4篇でした。
    空のようにいろいろと変化してゆく蒼くんを見ているのが好きです。

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    2010年11月03日
  • 翡翠の城 建築探偵桜井京介の事件簿

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    2010.6.28再読

    神代教授初登場。レギュラー陣が4人そろったところで、和気藹々としているのがまぶしい・・・。事件を中心に人間の思念・怨念が渦巻いているなか、蒼や深春が戯れている姿に救われる。京介もどことなくやわらかい雰囲気のような。ストーリーは「未明の家」と同じテイストで、『普通の』ミステリっぽい。桜井京介シリーズとしては貴重な雰囲気かとも思います。1作限り(今のところ)の登場人物でも、こうして読み返してみると、味のあるキャラクターが多いなあ。

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    2010年06月28日
  • 建築探偵桜井京介の事件簿 未明の家

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    2010.6.25再読

    最新巻(黒影の館)まで読んだうえで文庫版でもう1周しはじめました。加筆訂正されているとのことで、たしかにノベルス版より読みやすく感じる部分も。シリーズ第1作目、ということもあってか登場人物がなんだか初々しい。京介も昼行灯キャラが前面に出ていて、そういえばこんなだったっけなーという感じで読みました。なんだか懐かしく楽しいです。

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    2010年06月27日
  • 龍の黙示録 唯一の神の御名

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    龍の黙示録シリーズ。何千年も生きるいわゆる吸血鬼もの。普通の人間である 透子 の存在がほほえましい。 なんとなく面白く読んでしまう。

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    2010年05月11日