あらすじ
探偵である「私」は、長崎のはるか沖合に浮かぶ波手島を訪れる。孤高のカトリック作家・蘭堂叡人が晩年を過ごした館には、いまも彼の養女ほか、ゆかりの女たちが住んでいた。そこに、蘭堂の隠し子で唯一の相続人と名乗る女が現れたのだ。私の仕事は女の素性を暴くこと。彼女の正体は? さらに、密室から「昇天」して消えたという蘭堂の最期――その驚愕の真相とは?
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Posted by ブクログ
作家が晩年をすごした孤島にやってきた探偵。
作家ゆかりの女性たちが住むそこに、作家の隠し子だと名乗る女性がやってくる。
良くも悪くも、篠田真由美って感じの作品。
長崎の沖合の島ってことで、隠れキシリタンの話とかもからんでくるんだけど、どうなんだろうねぇと思うのである。
ミステリーって、実際の物理的法則とは別の概念があるんだと思うけど、それが別のものです、って見えてしまうとだめなんじゃないかと。うん、マジックにネタがあるのはわかってるけど、それがわかっちゃもちろんダメっていうそれに近いものがあると思う。
で、その境目が…。
ちょっと、超えすぎちゃったかなぁと思った。
写真への物語と、島での物語が相互にくるのは面白かったんだけど、それで、ん、ってひっかかりになってしまったってところもある。
にしても、桜井京介シリーズの最後もそうだったけど、キリスト教をモチーフにしてる作品が多い篠田真由美だが、なんというか敬虔さを感じることはないんだよね。
うむむ。