篠田真由美のレビュー一覧
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ネタバレ“建築探偵シリーズ”第一弾。
世の中、色んな探偵がいるもんだな~と思いながら読み始める。
主人公、桜井京介。
“身長は百八十以上あるはず”、“やせぎす”、“顔の三分の二”を髪に隠している。
蒼曰く、“午前中の桜井京介は人間ではない”そうで、とにかく朝はご機嫌斜めの様子。
でも、実はとんでもない“美貌”の持ち主で。
そんな主人公に始まり、蒼も映像を鮮明に記憶することができる、直観像記憶能力を持っていたり、深春も放浪好きの少し変わった青年である。
そして、どうも登場人物たちには秘められた過去があるようで…そのあたりはシリーズを読み進めるうちに分かるようなので、楽しみにしておく。
蒼は本名もまだ分からない状態なので、本当に、何者なんでしょう。
「目を開けているんだよ、蒼。おまえの目はいつも正しいんだ。その見たものを理解できなくとも、おまえの目はいつだって真相をちゃんと見ているんだから」
優しさゆえに、事件に悩み苦しむ蒼に対して京介がかけた台詞。
クールで無愛想な京介の、蒼への想いが表れたシーンでした。
“館”ミステリ…というと、綾辻行人さんがどうしても浮かんじゃう。
黎明荘の中で起こった、ひとつの事件をきっかけに、理緒は“あのひとが祖父を殺したのではないか”と恐ろしい不安に駆られ、自分を可愛がってくれた祖父のためにも何とか別荘を守ろうと京介のもとへやってくる。
理緒。
蒼も人間として好意を抱いたように、凛としていて、素敵な少女でした。
しかし、物語が進むにつれ、理緒の家族である、遊馬一家の面々が出てくるのですが、みながこれまた一癖あるひとばかりで、みんな、怪しく思えてきてしまうという…まさかの展開で理緒も怪しい…一体!?とドキドキ。
事件解決にあまり乗り気ではないように見える京介は果たしてばしっとキメてくれるのだろうか?というところもかなり、気になりつつ。
遊馬家の“呪い”ともいえる謎に、京介が挑む。
祖父の過去、想い、そういったものがようやく、伝わる。
気持ちが救われるラストに、しんみり。 -
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ネタバレ“建築探偵・桜井京介”第二弾。
今回は深春は冒頭の方に少し出てくるだけ。
10年前に起こった、とある事件からスタートする、今回の物語。
深春や青が心配になってしまうくらいにいつもと違う様子の京介。
都への想いがかたちはどんなものであれ、特別なものであると、うかがわせる。
当の都も含めて、10年ぶりに揃うメンバーはそれぞれ腹に一物抱えている風であり、その影を落としているのは橋場亜希人の事件に他ならないようだ。
都の養子だという、片方の手首がないインド人ナンディの存在も気になる。
神秘的な雰囲気が漂う作品。
インドの神話にふれるところもすごく興味をひかれた。
インド、気になる!ってむくむくと。
シリーズもの、ということもあって、1巻目を読んで、2巻もせっかくだから読んでみよう、と若干お試し気分なところもあったが…2巻でかなりハートをつかまれてしまった。
読み終わってすぐに3、4巻も購入してしまいました!
トリックも、予想がつかないことはないっちゃないけれど、色んなひとの想いが交錯し、物語が進んでいくその過程が面白く、雰囲気も素敵だったので、お気に入り。
京介の内側も感じられた巻。
ラストは少し哀しく、胸がぎゅっとしてしまった。 -
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ネタバレ全体的に暗い雰囲気ですが、それが独特の世界観を出してます。表紙のイメージそのままだという感じです(素敵です)
主人公二人の関わり方がちょっとB〇っぽいですが、そこまで濃厚だとかいうわけではない(……?)ので、主従の友情ものとして応援したくなる気持ちで読める……はずです。
ヴァンパイアと少年の、これまでの環境から一変して新たな世界に旅立つまで、が描かれています。二人の心は明るいですが(それぞれの葛藤はありつつも)それを取り巻く環境が一癖も二癖もあって、苦労しまくり。でもこの二人ならなんだかんだ言って乗り越えるだろう、と思わせてくれるところがいいです。生活環境の描写や視線?がわかりやすいので、本を読んでいるというより映画か何かを見ている気分で読めます。
難しい文章が嫌いな方は、二人のセリフだけ読んでいても楽しめます(笑) -
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龍緋比古シリーズの4作目です。
今回はヴァチカンから刺客がっ!
いえ正確に言うと、
日本に棲息するヴァンパイアと手を組んで、
龍を抹殺しようとします。
キリスト教からすれば、
ヴァンパイアからして許されない存在ですが、
そんなものより龍の存在の方が脅威という訳です。
それはそうでしょう。
イエスその人とその生き様を直に知り、
その黄金の血を与えられて不老不死の存在だなんて。
世間に知れたら、キリスト教総本山としての権威失墜です。
でも常人じゃ歯が立たないのは明らかなので、
他のヴァンパイアをぶつけてしまえ、という訳です。
そこで登場するのが復活した古代エジプト王のヴァンパイア。
日本を舞台にヨーロッパとエジプトの歴史が交錯、
なんとややこしい・・・。
流石2000年以上生きていると、人間(?)関係も複雑です。
そして更に話をややこしくするのがまたまたリリトの存在です。
アダムの最初の妻、誰よりも古い存在で、
やはり龍を付け狙っています。
ええ、それはもうしつこくて。
1作目から何度もチョッカイ出してくる残忍なトラブルメーカーです。
それはともかく。
龍は透子さんとの交流をとおして少し人間臭くというか、
表情、感情が豊かになってきました。
前作出てきたアノ人も再登場。
更に特殊能力をもつ同居人も増えて、
これから龍の周りが少しづつにぎやかになる気がします。
最後にヴァチカンとの今後の闘争を暗示する場面もあるので、
良い変化ばかりではありませんが。 -
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龍緋比古シリーズの3作目です。
今回は大きく分けて2部構成でした。
龍が透子さんとライラから乞われるままに昔語りをしてました。
前半はローマ皇帝ハドリアヌスとの遭遇、
後半は厩戸皇子、あの後に聖徳太子と呼ばれた人と過ごした日々。
そりゃあ2000年も生きていればいろいろあるよねという話でした。
ハドリアヌスと逢ったのはまだイエスとの別れの記憶も生々しい時代、
といっても100年以上経っていると思われますが、
時代を超えて龍をつけ狙うリリトの策略から、
人間サイドからすれば巻き込まれる形で遭遇します。
厩戸皇子とは龍が流れ着いた先の倭の国で出会い、
その魂の有り様がイエスと似ているということで、
すわ生まれ変わりか?!と、しばらく共に過ごすことになります。
二人とも龍が黄金の血を与えようとした人物ですが、
どちらも永遠の命を生きるということの過酷さを理解し、
自分の人生を全うしようとする意志から断りました。
(何だか私が言葉にすると薄っぺらく感じますが・・・。)
それ故龍の記憶に留まった訳です。
最後におまけの様な小話があって、
ライラが透子さんを誘います。
僕らと同じものになろうよ・・・と。
ライラはやはり形無き存在だった頃、
龍から黄金の血を与えられて実体化した齢200年以上の男の子(?)。
男の子の姿の時はライル、
その他小型の哺乳類なら何にでもなれるという、
便利なんだかよく分からないジェンダー無視の存在です。
一人称は「僕」で、ライラの時はゴスロリかメイドファッションの様です。
さて、透子さんはどう決断するのでしょうか。 -
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龍緋比古シリーズの2作目です。
前作で龍と知り合った一般女性の筈の透子さんは、
鎌倉の洋館で龍と同居することになりました。
龍という稀有な存在を記録(記憶)する役割なのか、
はたまた孤独な魂の伴侶として選ばれるのか、
未だに立場がグレーな存在です。
今回のメインテーマは東北に伝わるキリスト伝説です。
ある日突然、龍が置手紙を残して消えてしまいます。
心配したライラが透子を引きずるようにして追いかけた先は青森県。
そこで遭遇するのは絶対的な一族が支配する村と、
そこで行われる恐ろしい祭。
荒覇吐(アラハバキ)という名の東北の神まで係わってきて、
透子さんまでなにやら因縁ありげな展開に。
龍は疑いながらも、
イエスにつながるものを求めるあまりおびき寄せられた恰好です。
龍の報われない想いとその龍を得ようとする人ならざるものの執念と。
村がえらい事になります。
村人が悲惨です。
欲がらみの一部の人はともかく、
その他巻き込まれただけの人たちにしてみれば、
納得できない顛末でしょう。