篠田真由美のレビュー一覧
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龍緋比古シリーズの4作目です。
今回はヴァチカンから刺客がっ!
いえ正確に言うと、
日本に棲息するヴァンパイアと手を組んで、
龍を抹殺しようとします。
キリスト教からすれば、
ヴァンパイアからして許されない存在ですが、
そんなものより龍の存在の方が脅威という訳です。
それはそうでしょう。
イエスその人とその生き様を直に知り、
その黄金の血を与えられて不老不死の存在だなんて。
世間に知れたら、キリスト教総本山としての権威失墜です。
でも常人じゃ歯が立たないのは明らかなので、
他のヴァンパイアをぶつけてしまえ、という訳です。
そこで登場するのが復活した古代エジプト王のヴァンパイア。
日本を舞台にヨ -
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龍緋比古シリーズの3作目です。
今回は大きく分けて2部構成でした。
龍が透子さんとライラから乞われるままに昔語りをしてました。
前半はローマ皇帝ハドリアヌスとの遭遇、
後半は厩戸皇子、あの後に聖徳太子と呼ばれた人と過ごした日々。
そりゃあ2000年も生きていればいろいろあるよねという話でした。
ハドリアヌスと逢ったのはまだイエスとの別れの記憶も生々しい時代、
といっても100年以上経っていると思われますが、
時代を超えて龍をつけ狙うリリトの策略から、
人間サイドからすれば巻き込まれる形で遭遇します。
厩戸皇子とは龍が流れ着いた先の倭の国で出会い、
その魂の有り様がイエスと似ているということで、 -
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龍緋比古シリーズの2作目です。
前作で龍と知り合った一般女性の筈の透子さんは、
鎌倉の洋館で龍と同居することになりました。
龍という稀有な存在を記録(記憶)する役割なのか、
はたまた孤独な魂の伴侶として選ばれるのか、
未だに立場がグレーな存在です。
今回のメインテーマは東北に伝わるキリスト伝説です。
ある日突然、龍が置手紙を残して消えてしまいます。
心配したライラが透子を引きずるようにして追いかけた先は青森県。
そこで遭遇するのは絶対的な一族が支配する村と、
そこで行われる恐ろしい祭。
荒覇吐(アラハバキ)という名の東北の神まで係わってきて、
透子さんまでなにやら因縁ありげな展開に。
龍は疑 -
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建築探偵桜井京介シリーズの長編11作目。
第三部に突入です。
今回は伊東忠太という建築家に焦点が当てられていて、
ヴェトナムが舞台になっています。
事件の現場となったのはヴェトナム古来の建築で、
西洋風が混じっています。
思えば京介がこだわる建築は「和洋折衷」。
ここまでシリーズを読んできた読者には改めて解説は必要ないでしょう。
薄々察していた通り京介の生い立ちがそうさせています。
今回は特殊な状況で、
鍵となる事件は90年前に起こり、
それを京介たちにもたらしたのは過去(短編集『桜闇』)の登場人物。
ちなみに私は未読でした。
話が進むにつれて過去の事件(?)の状況は察せられますが、
読んで