篠田真由美のレビュー一覧
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ネタバレ「お話」に作り込み過ぎの突っ込みを入れるのは無粋と承知で、でも、やっぱり作り込み過ぎの印象は拭えない。
「真犯人」の計画に不確定要素が多すぎる。しかも、この計画仕込みに何年かけてるの?そもそも、蒼くんが舞台の鏡平に来ることをそんな前からどうやって計画に組み込むの。そして、最後は、詰め、甘すぎ。何あっさり捕まってんの。てか、鏡平のセキュリティ(案の定だけど、)大したことないじゃん。
と、書いて、何だけど、それだけ作り込んであるからこそ、味わえる、幻想感が、本作、作者の魅力で、そこにひかれて毎夏シリーズを買って読んでしまうのです。
今回は特にそれが顕著。
あと、二年、楽しみにしています。 -
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建築探偵桜井京介シリーズの長編12作目です。
「建築探偵」シリーズですので、今回主題となる建築は、
敢えて言うなら、明治に建てられた天主堂ということになるのでしょうが、
作者の書きたかったのは宗教そのもののようでした。
ひとつは、京介がまきこまれる事件の背景として『カクレキリシタン』。
もうひとつが、同時進行で蒼がまきこまれるカルト的『新興宗教』。
この2つについて、いろいろと考察されています。
蒼は、ホスピスで母親の最後を看取った後、大学に復学したばかり。
本人も危なっかしい状態なのに、
知り合いの女の子からうっかり相談を受けて、
カルト教団らしき集団と係わりを持つことになってしまいます。 -
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読み終わってから気付いたのですが、とあるシリーズの番外変らしいですね。
ですがそれを知らない私でも読めたので、初めてさんでも楽しめると思います。。
短編ですが、オチは、ある程度読める(犯人の目星はつきやすい?)ですが、それぞれの世界観が何というか独特で、この本の表紙にとても合っています。切ないというか、寂しいというか……それぞれ殺人事件だの何だの起こりますが、この著者の方が書く人はみなどこか幻想的な印象がありますし、他の本も読んだことがあるのですが、やはりそのような印象を受けました。
なので色んな意味でそれらと調和していて、この著者さんの良さなのではないかなぁ、と改めて認識しました。 -
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ネタバレ“建築探偵シリーズ”第一弾。
世の中、色んな探偵がいるもんだな~と思いながら読み始める。
主人公、桜井京介。
“身長は百八十以上あるはず”、“やせぎす”、“顔の三分の二”を髪に隠している。
蒼曰く、“午前中の桜井京介は人間ではない”そうで、とにかく朝はご機嫌斜めの様子。
でも、実はとんでもない“美貌”の持ち主で。
そんな主人公に始まり、蒼も映像を鮮明に記憶することができる、直観像記憶能力を持っていたり、深春も放浪好きの少し変わった青年である。
そして、どうも登場人物たちには秘められた過去があるようで…そのあたりはシリーズを読み進めるうちに分かるようなので、楽しみにしておく。
蒼は本名もまだ分 -
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ネタバレ“建築探偵・桜井京介”第二弾。
今回は深春は冒頭の方に少し出てくるだけ。
10年前に起こった、とある事件からスタートする、今回の物語。
深春や青が心配になってしまうくらいにいつもと違う様子の京介。
都への想いがかたちはどんなものであれ、特別なものであると、うかがわせる。
当の都も含めて、10年ぶりに揃うメンバーはそれぞれ腹に一物抱えている風であり、その影を落としているのは橋場亜希人の事件に他ならないようだ。
都の養子だという、片方の手首がないインド人ナンディの存在も気になる。
神秘的な雰囲気が漂う作品。
インドの神話にふれるところもすごく興味をひかれた。
インド、気になる!ってむくむくと。 -
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ネタバレ全体的に暗い雰囲気ですが、それが独特の世界観を出してます。表紙のイメージそのままだという感じです(素敵です)
主人公二人の関わり方がちょっとB〇っぽいですが、そこまで濃厚だとかいうわけではない(……?)ので、主従の友情ものとして応援したくなる気持ちで読める……はずです。
ヴァンパイアと少年の、これまでの環境から一変して新たな世界に旅立つまで、が描かれています。二人の心は明るいですが(それぞれの葛藤はありつつも)それを取り巻く環境が一癖も二癖もあって、苦労しまくり。でもこの二人ならなんだかんだ言って乗り越えるだろう、と思わせてくれるところがいいです。生活環境の描写や視線?がわかりやすいので、本を -