篠田真由美のレビュー一覧
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建築探偵桜井京介シリーズの長編11作目。
第三部に突入です。
今回は伊東忠太という建築家に焦点が当てられていて、
ヴェトナムが舞台になっています。
事件の現場となったのはヴェトナム古来の建築で、
西洋風が混じっています。
思えば京介がこだわる建築は「和洋折衷」。
ここまでシリーズを読んできた読者には改めて解説は必要ないでしょう。
薄々察していた通り京介の生い立ちがそうさせています。
今回は特殊な状況で、
鍵となる事件は90年前に起こり、
それを京介たちにもたらしたのは過去(短編集『桜闇』)の登場人物。
ちなみに私は未読でした。
話が進むにつれて過去の事件(?)の状況は察せられますが、
読んでおくと尚楽しめたかもしれません。
流石この作者はストーりーテラーで読ませますが、
今回ちょっと引っ掛かって読み辛い点がありました。
何しろ深春がうるさいです。
京介との付き合いも大分長くなった筈なのに、
京介の言動や行動に一々切れて独りで怒りまくっています。
もうちょっと察して様子を見るくらいは出来そうなものですが。
思い込みが激しすぎるというか、
もう1人やはり独善的な登場人物が出てくるんですが、
2人して自分の意見を相手に押し付け過ぎです。
特に深春の場合、読者に対するミスリードを意識させられて、
正直ちょっとイラっとしました。
誤解の無いよう断っておきますが面白いんですよ話はとっても! -
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ネタバレ2012/8/12 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2019/8/23〜8/27
7年ものの積読本にして、1年半ぶりの篠田作品。建築探偵シリーズの第3部の第1作。登場人物の彰子さんにあまり記憶がないと思って調べてみたら、「桜闇」を読んだのが12年前であった....嫁いだ先のベトナムの旧家で起こった過去の変死事件と現在の殺人事件を京介が時空を超えて解決する、本書のメインストーリーの出来は相変わらず出色であるが、それより気になるのは、第2部で蒼の問題が解決したと思ったら、第3部はどうやら京介の闇が暴かれていくようである。最終巻「燔祭の丘」を読むのが今から楽しみである。 -
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これ講談社ノベルスとかじゃなくてハードカバーで児童書として出してほしい雰囲気。
メフィストでの連載だったようだから書籍形態としてやむを得ないのかもしれないけど銃とチョコレートとかミステリーランドのみたいなああいう装丁でもいいじゃないか!
どっかで見かけたレビューに「ナルニアとシェイクスピアに頼りすぎ」ってコメントがあって、まぁそうだわなとは思うけど、手っ取り早く共感を与えてワクワク感を持たせるにはいい小道具だぁなー。
オチがない!っていうのもあるけどまぁ、雰囲気勝ちでそこまで不満には感じなかった。
やっぱり 古本屋 とか 屋根裏部屋 とかテッパンだよ!児童書ファンタジー系好きのツボをすごーく心得た舞台装置がたまらんかった。
釣巻和で挿画したらすごーくハマるだろうなぁああああああ。舞台的にも、キャラクター的にも。 -
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建築探偵桜井京介シリーズの長編10作目です。
今回でてくる建築はあの同潤会アパートです。
名称は少し変えてますが。
でも事件の舞台となると「大都市東京」らしいです。
建築物に隠された個人の遺志をひも解くといった、
シリーズ当初の試み(?)の方が個人的には好きなのですが、
今回もスピード感があって読ませられました。
同潤会アパートの様子も描かれていてよかったです。
難問山積だったでしょうが、
それでも残して欲しかったですね。
パターン化された冒頭の犯人らしき人物の独白も、
今回はどれが誰の独白かすぐに分かったと思っていたら、
最後にひっくり返されて良い意味で裏切られました。
私は未読なのでたぶんですが、
スピンオフ作品である蒼のシリーズに出ているらしい人物も登場します。
一建築を舞台にした謎解きだったのに、
とうとう東京中を飛び回るようになっちゃって。
「どこへ向かっていくんだこのシリーズ」と思っていたら。
シリーズ第二部完結ということで次回から急展開のようです。
誰でも想像できますがもちろん京介の秘められた過去についてでしょう。
本名を含め全てを秘した桜井京介という存在は、
今後どのようにひも解かれていくのか興味深いです。
個人的には建築物に対する謎解きが好きなんですけどね。
くどいようですが。 -
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建築探偵桜井京介シリーズの長編9作目です。
今回舞台となった建築は・・・どれだろう?
2000年現在の事件でいうなら「泉洞荘」、
元は養蚕農家として建てられた茅葺の大屋根をもつ日本家屋。
遡ること30年以上前のシルク王失踪事件でいうなら「月光荘」、
マレーシアの高原避暑地に建つ平屋の別荘建築ということでしょうか。
建築探偵といいながら、
なんだか建築の影が薄くなってきました。
シリーズ当初では、
京介が建築物に込められた故人の意図を読み解くことで、
事件の要因となった人間関係を修復する、
といったような感じだった気がします。
ところがシリーズもここまで進む間に京介自身に焦点が移って、
心の葛藤や意味深な過去について明らかになるにつれ、
反比例するかのように建築物に対する思い入れが薄れてきたような。
個人的には当初の方が好みだったので残念です。
相変わらずグイグイ引き込まれるように読まされたので、
文句無しと言いたいところですが、
京介の推理力を神格化(?)し過ぎという印象も受けました。
周囲の人たちもオーバーアクション気味といいましょうか・・・。
京介の能力を持ち上げておきながら推理途中で非難ごうごうとか、
京介の身を真剣に案じながら危険な目に遭わせたり。
ちょっとやり過ぎ(盛り過ぎ)感がありました。
この作者の傾向でしょうか。
今回もまず事件関係者の独白があって、
気が進まない京介が引っ張り出されて事件が起きて、
反感を買いながらも事件の謎を解いて最後には感謝される、
というパターンどおりでした。 -
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建築探偵桜井京介シリーズの長編8作目です。
今回の建築は那須高原にある明治建築の洋館「月映荘」です。
話の発端は1997年。
月映荘の調査を目的にやって来た京介を含む一行が、
月映荘の所有者で事件関係者の印南兄妹に出会います。
事件とは1986年に起こった殺人事件のことで、
トラウマを抱えた妹の茉莉がパニックを起こした為調査は中断します。
その3年後の2000年になって調査を再開しようとしますが、
その前年の1999年に兄の雅長が死亡していました。
と、時期が前後してややこしいったらありません。
霊感少女の未来予知やら50年近く前の殺人、
更に無意識(深層心理?)に多重人格まで絡んできて、
読者は京介共々煙に巻かれそうになります。
そこは流石の京介が最後に過去の事件も含めて解説(?)することで、
読者はいろいろなことが腑に落ちる訳ですが。
前作(『仮面の島』)くらいから感じるようになりましたが、
意味ありげな事件関係者の独白とか、
結構パターン化してきたような気がします。
京介も最初の頃程寡黙で完璧な探偵役ではなく、
周りの影響で揺れ動く内心を吐露し始めました。
庇護欲をそそるような性質はより弱く、
攻撃的な性質はより強く、
人物の性格にやり過ぎ感があってちょっとひいたりもしましたが。
さすがです。
ストーリーテラーというのでしょうか、
読ませます。